おはようございます
子どもの発熱を東洋医学でみた場合、発熱時の手当てを「子どもが熱を出したときの養生法」 で、発熱の原因に合わせた食養生を「子どもが熱を出したときのの食養生」 で、それぞれお届けしました。
そこに出てこなかったものが、ひとつあります。それは、「知恵熱」と呼ばれるもの。最近は、子どもだけじゃなくて、おとなにも出る人が増えているようです。
突然ポンと熱が出る。熱以外に、これといった症状がない。そんなときに、「知恵熱じゃないの?」と言われたりしますね。遠足、運動会、試合、試験なんかの前日とか当日に、子どもが熱を出したときとかね。
「知恵熱」とは、生後6ヶ月~1年の乳児が突然出す熱のことを指しますが、知恵がつき始める時期であることから、そう名付けられたと言われています。英語では、teething fever (歯牙熱)、歯が生えるときの熱。
西洋医学的には、お母さんから受け継いだ免疫抗体の期限切れが、生後6ヶ月くらいから始まるために、ウイルスや細菌に感染しやすくなるため…と考えられています。そうやって、白血球の経験値を上げて、徐々に自前の免疫抗体を強化していくワケですね。
ということは、「知恵熱」は「乳児の熱」であって、小児やおとなには当てはまらない?でも、精神的に興奮したり、頭をたくさん使ったりしたときに、熱を出すのはよくあること。これを「知恵熱」って総称しても、かまわないんじゃないかなぁ…。
ウイルスや細菌の感染で説明がつかないと、自律神経失調で体温調節機能が低下したため、とか何とかって言われたりしますけど、東洋医学的には肝鬱化熱で説明がつきます。
熱が出るまでのステップは、
① 何らかのストレスを受けたり、精神的に興奮したりすると、肝の疏泄 がうまく行かなくなる。
② 肝気鬱結 の状態となり、気の流れが滞って気滞 を起こす。
③ 気の滞りによって発熱する。
そのあたりのことは、子どものケースでは、「疳の虫ってそもそも何?」 の中で解説してますが、からだの状態としては、おとなも同じ。
「知恵熱」という場合は、一時的なもので、休養して精神的に落ち着けば、すぐに治ります。けれど、原因となったストレスが大きかったり、すぐに取り除けなかったりすれば、長引く可能性があるので、それなりの手当てが必要です。
今回の大震災では、地震や津波そのものも、その後の避難生活も、被災した方たちに思いを寄せることも、震災の影響で生じる心配事や不便さも、政府や東電の対応へのいら立ちも、さまざまなことがストレスとなって、肝鬱気滞につながりやすい状況。
肝の状態は、他の臓腑にも影響します。そのあたりのことは、東洋医学講座のNo.16 、No.17 、No.18 をご参照くださいね。とくに脾胃は影響を受けやすく、消化吸収の悪化から、からだを弱めてしまう可能性があるので、要注意です。
手当て・養生法については、↓こちらを参考にしてくださいね。
災害時の養生法
眼科医のアイクリア先生 が、「メガネのご寄付のお願い」 という記事をアップされています。被災地に送るメガネとコンタクトレンズを募集されるとのこと。私も度が合わなくなった老眼鏡があるので、ご協力しようかと思っています。東京近郊にいらっしゃる方で、先生のクリニック に届けられる方、ご協力をお願いします。
一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。
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