東洋医学にみるストレスと健康の関係 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


「東洋医学にみる○○と健康の関係」シリーズ、飲食環境疲労 に続く第4回は、ストレスと健康の関係。ストレス社会と言われる今日、子どもから老人まで、ストレスを原因とするからだの不調に悩む方も多い。古代から続く東洋医学の中に、解決のヒントをみつけていただけるといいな…と思います。


ストレスがらみのものは、情志要因と言います。簡単にいえば、「こころ」の反応。情志とは、外界からの刺激に対して、人の内面に生じる「こころ」の動きであって、心神 によって調節されています。

・「情」は、情感・情緒で、怒・喜・思・悲・憂・恐・驚の七情 が入ります。

・「志」は、七情のうちの悲を憂に、驚を恐に含めて、怒・喜・思・憂・恐にまとめたもの。これを五志と呼び、それぞれを の五臓に配属させています。

ということで、「ストレスと健康の関係」は内因 であり、病気になった場合は七情内傷となります。


情志は、日常生活の中で、泣いたり、笑ったり、怒ったり、思い悩んだり…と、まぁ普通に反応している分には、それが病につながることはありません。では、どんなときに、内傷を発病するのでしょうか?

① ストレスによる情志の刺激強度が大きく、持続時間が長い

② 刺激強度の大きさと持続時間の長さに比べて、心神の耐久力が弱い

③ 心神を支える五臓・気血・陰陽のバランスがくずれている


では、七情内傷を予防するには、どうすればいいのでしょうか?


① 視点を変える

外界からの刺激(ストレス)自体は誘因であって、それに対する情志の反応が大きくなるかどうか、長く続いてしまうかどうかは、それまでの生活習慣や道徳観念、受けた教育などの影響が大きいものです。ものの見方、考え方によっては、同じ量・同じ時間のストレスでも、病気に結びつくことはありませんからね。


② 違う感情を呼び起こす

五行の相克関係 で、「恐は喜に勝つ」、「悲は怒に勝つ」、「怒は思に勝つ」、「喜は憂に勝つ」、「思は恐に勝つ」といいます。たとえば、怒りを感じたときに悲恋物語を読むとか、憂鬱なときにはコメディ映画をみるとか、思い悩んでいるときは人を怒らせるような人に会うとか。そんな気にならないかもしれないけど、長引かせないために、思い切ってやってみるのも一手じゃないかしら?


③ 体質に合わせて養生する

心神の健康のためには、五臓・気血・陰陽のバランスが大切。たとえ一時的にくずれても、戻してやればいい。生きている以上くずれて当たり前ですが、やじろべえのように、ぶれては戻ることができるようにすることです。そのためには、自分の弱点を把握して、そこを補強するように養生することでしょうね。


④ 丹田呼吸を心がける

基本の基は、「気」です。「百病は気より生ず」と言いますからね。気を養うために、益軒先生も、呼吸はゆっくり丹田に気をあつめる ことだとおっしゃっています。丹田呼吸、すなわち腹式呼吸で自律神経をととのえる ことが、心神の耐久力アップにもつながります。益軒式の呼吸法はこちら→呼と吸と


「こころ」と「からだ」はつながっています。益軒先生も「心の養生と身体の養生」 の中で、「心を養い身体を養う工夫は別のことでなく、一つの術なのである」とおっしゃってます。からだのちょっとした不調もこまめに調節して、情志をうまくコントロールしてくださいね。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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