東洋医学にみる環境と健康の関係 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


昨日は汗ばむほどの暖かさでした。最高気温は25℃で夏日。それが一転、今日の予想最高気温は11℃で、また冬に逆戻り。温度差、なんと14℃!しかも雨の予報。まいりますね。暖かくしてお出かけくださいね。


東洋医学では、春は五行の木 (もく)です。自然界の陽気が増すにつれて、人体の陽気も少しずつ強くなって、樹木が成長して枝葉を伸ばすように、人の気も伸び伸びとめぐるはず。それなのに、こんなに暑かったり寒かったり。からだに影響ないはずはありません。


本来は、春は風邪(ふうじゃ)に気をつけて いればいいはず。なのに、暑邪 とまではいかなくても、温邪くらいにはなりそうな、この時期にないはずの暑さから、急に気温が下がれば、冬なら当たり前で寒邪 とまではいかないはずでも、陽気が増してゆるんだ身体にとっては、まちがいなく寒邪となる寒さ。


こうした自然環境の状態も、外邪 として病気の原因となります。考えてもみてください。温んだ水が一気に冷やされて、流れようとしていたのが、凍って固めらてしまう感じ。こんなことが、私たちのからだをつくる気血水に起きちゃうかもしれないんですよ。


日照時間も短いので、野菜の生育が悪くなっていて、野菜の値段が高くなっていますね。これは、種苗会社の方からうかがったのですが、去年の秋に雨が多すぎて、作付が少なかったせいもあるようですけど。新茶も遅れるようですし、今から植えるものも育ちが悪くなるので、野菜の高値は秋まで続くかも。


野菜がこんな状態です。人の身体にだって影響しますよ。なので、こんなふうに気象がめまぐるしく変わるときは、用心に用心を重ねなければなりません。衣服と食事に工夫して、養生しましょうね。基本的には、春の養生法でいいんですが、日替わりで微調整しましょう。


健康に影響をおよぼす環境要因(外因 )には、次のようなものがあります。


1 自然要因

外邪風邪、暑邪、湿邪燥邪、寒邪、火邪 )によって、病気が生じます。季節性のほかに、地域性によることもあります。日本では、中国大陸のように東西南北と中央に分けるほどの違いはみられませんが、北海道と沖縄の南北差、冬の間湿気の多い日本海側と乾燥した太平洋側の違いはありますね。


2 地理的要因

海や湖など水辺の地域では、湿気が多いので、リウマチや関節痛が起こりやすくなります。都市部では、大気汚染による喘息やアトピー、ストレスがらみの七情内傷 が多く、農村部では、都市部に比べて外邪の影響を受けやすいといった特徴がみられます。


3 住環境要因

気密性の高い住居では湿気がたまりやすく、湿邪となってリウマチや関節痛、神経痛の原因になります。また、過度の冷房は寒邪となり、扇風機の風も当たりっぱなしでは風邪となりうるので注意が必要です。夏、コンクリートのベランダからの照り返しは、暑邪を悪化させます。


4 生物要因

外邪によるものとは異なる症状を示し、伝染しやすく流行しやすいものを、疫癘 と言います。今で言えば、感染症ですね。また、虫毒として、結核菌は癆虫(ろうちゅう)、疥癬を起こすのが疥虫(かいちゅう)、ツツガムシ熱を起こすのが沙虱(ツツガムシ)、その他消化器系の寄生虫にサナダムシやギョウチュウなどが分類されています。


5 地球環境要因

大気汚染、ヒートアイランド現象、花粉、黄砂、環境ホルモン、魚の重金属汚染、化学物質汚染など、現代の外因として考える必要があります。


これらの要因があるからといって、かならずしも皆が病気になるわけではありません。ふだんの食事や睡眠、運動などの生活習慣や、体質、免疫力の状態などが影響するからです。だからこそ、養生することが大切なんですね。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』

東洋医学講座の目次→満月
ツボの目次→やや欠け月
リフレクソロジーの目次→半月
妊娠・産後・授乳・子どものケアの目次→三日月
アロマセラピーの目次→新月
『養生訓』の目次→星空
体操とストレッチの目次→夜の街
からだのしくみ・食・栄養の目次→打ち上げ花火
からだの不調と対処法の目次→お月見
養生法・漢方薬・薬草・ハーブの目次→桜