東洋医学講座 No.29 病気の原因 七情とは | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


東洋医学における病気の原因(病因)は、大きく分けて3つあります。

外因: 外からやってきて身体に悪さをする外邪

内因: 臓腑と深い結びつきのある感情が過度になったもの(七情

不内外因: 外因でも内因でもないもの


これらの3つが気血津液にトラブルを起こすと、病気が発生します。①~③によって、気血津液の流れが阻害されたり、反対に流れが速くなり過ぎたり、あるいは気血津液が消耗されてしまったり、作れなくなったりして、バランスがくずれると病気になるというわけです。詳しくはこちら→「病気の起こるしくみ」


気血津液についてはこちら→「気とは」 「気の種類」 「気の作用」 「血と津液」 「気血津液の関係」


①の外邪については、先週までの3回にわたってお伝えしてきました。今回は②の内因について。内因は、7種類の強い感情が原因となったもので、七情といいます。七情はすでに、『養生訓』の「内欲と外邪」 に「喜怒憂思悲恐驚の七情」として登場し、「七情と養生」 「とどこおりと病気」 「気から百病生ず」、「内欲をこらえる」 などでも言及されています。


外邪についてはこちら→「外邪とは」「風邪・暑邪・湿邪」「燥邪・寒邪・火邪」


七情とは、『養生訓』にもあったように、怒・喜・思・憂・悲・恐・驚、すなわち怒り・喜び・思い煩うこと・憂い・悲しみ・恐れ・驚きという感情の動きです。これらはごく普通の感情の動きであり、ふだんは身体に影響してもすぐに調節されて、病気になることはありません。ところが、非常に大きなショックを受けたときのように感情の変化が強かったり、小さなストレスでも長く続いたりすると、身体が調節できる範囲を超えてしまって、健康を害する原因となってしまうのです。


たとえば、くよくよ思い悩む日々が続くと胃アトニーや胃潰瘍になったり、怒りが爆発すると顔が真っ赤になって脳血管が破れたり、あまりの恐怖に髪が白くなったり…なんていうことがありますよね。こんなふうに、七情が身体に影響するとき、外邪と違って外からやってくるものではなく、その原因となるものは内にある感情なので、内因として分類されます。身体の内側から身体を傷つけるので、内傷とも呼ばれます。


七情それぞれについては次回。今日もいい1日にしましょう。


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