東洋医学講座 No.20 気血津液 その2 気の種類 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


昨日、生徒の一人から、「先生、気を感じることできますか?」と質問されました。少ない鍼数で気の流れをととのえるために、その流れを鍼先に感じながら治療を行うという方がいらっしゃいまして、その方の治療を受けた際に、治療中「ね、感じるよね?」とかなんとか言われたらしいんです。


「そう言われればそんな気もするし。でもわかんないっす。」というのが彼の正直なところ。「気」を感じるか?どうすれば感じられるか?そう問われると、答えるのは難しいです。


鍼治療では、「得気」というものを大事にします。鍼を刺したとき、その鍼先から送られてくるはずのものなんですが、口では説明しにくいし、鍼を持つ指先の感覚は人それぞれですし、伝えきれるものではありません。


経験を積んで初めて、「これかな?」「これかも?」と感じる。鍼を打って、また打ってもらって、経験を重ねるしかありません。そして、身体の変化をつかむこと。自分の感覚を信じて、感じ取ること。日々是修行です。私などまだまだひよっこです。


先週の「東洋医学講座 No.19 気血津液 その1 気とは?」 で書きましたが、大地や大木など自然の「気」は感じやすいですね。森林浴が気持ちいいのは、マイナスイオンとか木の香りの影響ですが、そうしたものすべて東洋医学のいう「気」です。


さらに、雑念なく自然と一体になると、自然のエネルギーのようなものも感じられることがあるでしょう。それも「気」です。


そんな「気」ですが、人体を流れる「気」にはいくつかの種類があります。そして、「気」の原料となるものは、先天の精気水穀の精微からつくられる後天の精気、そして天の清気(または単に清気という)です。


1 元気

私たちがよく「元気ですか?」とか「元気出してね」とかいうときの元気です。原気あるいは真気または正気ともいいます。両親から受け継いだ先天の精気からできたもので、後天の精気によって補充されます。に蓄えられ、三焦を通じで臓腑や体表、筋肉など全身にくまなく行きわたるようになっていて、生命活動の原動力になるものです。


2 宗気

宗気は、呼吸によってに入った天の清気と、後天の精気が合わさってできたもの。胸中に集められて、のどや臍下丹田、に入ります。を助けて発声や呼吸に働き、を助けての循環を促進します。


3 営気

営気は、後天の精気からつくられ、血脈の中をとともに流れて、全身に栄養を運びます。常にとともにあるために、営気営血と呼ばれることのほうが多いかもしれません。


4 衛気

衛気は、営気と同様に、後天の精気からつくられ、身体が活動している間は体表面をめぐります。陽の気の一つであるため、衛陽とも呼ばれ、身体を温める作用を持っています。活発で素早い活動を示し、体表面を保護して外邪の侵入を防ぎ、汗腺の開閉をコントロールして体温調節を行います。


5 臓腑の気

各臓腑に存在する気で、後天の精気・清気・元気からつくられます。各臓腑の生理機能をにないます。


6 経絡の気

臓腑の気と同様に、後天の精気・清気・元気からつくられ、経絡中をめぐって、経絡中の営気・血・津液が流れるように働きます。


7 胃気

中医学では臓腑の気に含められますが、『養生訓』でも登場しているように、食事の消化吸収に働く脾胃の気および脾胃の働きによって得られる後天の気を、まとめて胃気と呼ぶ場合があります。


いかがですか?一言で「気」といっても、分類するとこんなに種類があるんですね。


でも、基本的には同じものです。その「気」をつくるもととなるのは、に蓄えられる先天の精気によって吸収される後天の精気、そしてから吸入される清気


なので、「気」に関して特に重要なのは腎・脾・肺となります。これらの三臓が弱ると、「気」が不足する事態になってしまいます。東洋医学で、食事と同じくらい呼吸が大切にされるのは、ここに根拠があるからなんですね。


次回は「気」の作用、働きについてお届けしましょう。今日もいい1日になりますように。


春月の『ちょこっと健康術』-あじさい


追伸

千葉県松戸市牧の原の蓮行寺さんで、6月21日(日)の午後1~3時、小牧清立様の寺子屋が開催されます。参加は無料です。心の宝物になるお話、聞きに行ってみませんか?

詳しくはこちらで→「今月の寺子屋です!」


日曜日はいつも仕事の春月、うかがってみたいと思いつつ、今回もご予約が入っていて行かれません。残念です。いつかきっと、行くぞ!