東洋医学講座 No.30 病気の原因 七情 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


新型インフルエンザ、秋~冬のことを考えると、どのくらい流行るかわかりませんね。ともかく、予防が一番です。特に、妊産婦さん、小さなお子さん、持病のある方、受験生の方々、医療関係者の方々、十分に気をつけてくださいね。→新型インフルエンザの予防法


東洋医学では、カゼやインフルエンザは、風寒邪・風熱邪・風燥邪などによるものと考えます。風邪は「百病の長」であり、寒熱燥のような他の邪を伴うことが多く、悪寒・発熱などを引き起こします。ここでいう熱邪は暑邪と火邪の両方、熱性を帯びたものをさします。風邪は年中発生し、熱邪は他の五邪が熱化することによっても発生しますので、東洋医学的にはカゼやインフルエンザは1年中いつでもかかるということになりますね。ちなみにカゼ症候群のカゼは漢字で風邪と書きますが、六淫の風邪(ふうじゃ)がもとになっています。


さて、先週の「東洋医学講座 No.29 病気の原因 七情とは」 の冒頭でもご説明したように、病気の原因には、大きく分けて、外因(外邪)、内因(七情)、不内外因(外因でも内因でもないもの)の3種類がありますが、今回は内因(七情)について詳しくみていくことにいたしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-七情


↑の表のように、それぞれの感情が過度になると、関係している五臓の気に障害を発生させます。

1 喜び過ぎる→の変調→心気は緩む→神に影響して集中できなくなる

2 怒り過ぎる→の変調→肝気は上がる→血も一緒に上がる(頭に血が上る)

3 思い悩み過ぎる→の変調→脾気は結ぶ→消化吸収に変調をきたす

4 悲しみ憂い過ぎる→の変調→肺気は消える→意気消沈する

5 恐れ過ぎる→の変調→腎気は下がる→失禁する

6 驚き過ぎる→の変調→腎気は乱れる→動転する


これは、『養生訓』の「気から百病生ず」 でもご紹介したように、中国古典医学書の『黄帝内経(こうていだいけい)』の『素問(そもん)』に書かれています。七情に関して、『養生訓』ではほかにも、「内欲と外邪」 「内欲をこらえる」 「七情の滞り」「七情と養生」 などに登場しています。


このように、東洋医学では、感情は体調にも深く関係していて、健康にも影響するという考え方を、2000年以上昔から持っていたわけです。同じような病気あるいは同じような症状でも、患者の感情の動きも加味して、薬の処方や鍼灸の治療法を変えていたんですね。


また、これまでの東洋医学講座でも、五臓についての解説の中で、それぞれの臓腑に関わる感情を五志としてご紹介していますし、怒と思については、春と梅雨~夏の養生法の中でも取り上げています。そちらもご参考にどうぞ。


の働き→「東洋医学講座 No.9 五臓の生理 その2」

の働き→「東洋医学講座 No.10 五臓の生理 その3」

の働き→「東洋医学講座 No.11 五臓の生理 その4」

の働き→「東洋医学講座 No.12 五臓の生理 その5」

の働き→「東洋医学講座 No.13 五臓の生理 その6」

これまでの東洋医学講座はこちら→「東洋医学講座 目次」

春の養生法から→「春は「怒」に気をつけて」

梅雨~夏の養生法から→「梅雨~夏は「湿」と「思」に気をつけて」


今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-ひまわり