外邪はコンビでやってくる その2 風寒邪 | 春月の『ちょこっと健康術』

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「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


10月も半ば、関東以西では夏日だったりするので、実感がわきませんが、ぼちぼちインフルエンザの季節です。あの新型インフルエンザ騒ぎは終息して、今シーズンはどんなふうに呼ばれるんでしょうね。季節性のひとつになるんでしょうか。


いずれにせよ、秋のこの時期、インフルエンザ予防のためにも、養生は大切です。東洋医学では、カゼもインフルエンザも、秋から春にかけて流行るものは、風邪寒邪 =風寒邪による風寒証です。


日本では、カゼを「風邪」って書きますよね?だったら、風邪(ふうじゃ)だけなんじゃないの…と思われるかもしれませんが、そうじゃなくて、「カゼ」の症状を引き起こすのは、たいてい風寒邪なんです。


風邪は「百病の長」と呼ばれ、いろんな外邪 を連れて、からだに吹き込んできます。冬の冷たい風ともなれば、寒邪を連れてくることは容易に想像できますでしょ?


と言っても、冬はまだいいんです。「冬は寒い」とわかってますから。みなさん、ちゃんと着るものに気をつけますよね?用心が必要なのは、今の時期。残暑の後です。


夏は陽気の発散が盛んで、そう理は開いています。そう理というのは、汗腺や毛穴に相当する皮膚表面の穴で、気の出入口でもあり、暑い間は開いていて、からだの中に熱がこもらないようにしています。


秋、涼しくなるとともに、そう理もだんだんと閉じていくわけですが、今年のように残暑が続くと、開いたままになりやすい。そんなときに、涼風や明け方の冷気にあたったら、たちまち風寒邪が入ってしまいます。


しかも、困ったことに、風邪自体がそう理を開かせる性質を持っているので、風邪が入るとますます開いて、風寒邪がどんどん入る。やっかいです。


貝原益軒先生も『養生訓』の中で、「風寒を防ぐ」「居室と家具は質素に」「秋の養生」「冬の遠出」 などで、風寒邪に対する注意を喚起されています。


寒邪は陰邪で、風邪は陽邪。寒湿邪のケース と違って、風寒邪では、陰陽が混ざる分、症状の出方がちょっと複雑。寒邪の固める性質が強く出ると、そう理は閉じられて、汗は出ずに寒気が強くなります。が、風邪の開く性質が強くなると、そう理が開いて汗をかきます。


風寒邪が に入って、肺気の働きをじゃますると、咳や鼻水が出ます。寒邪が気血を固める症状は、風邪の軽さによって、からだの上に出やすくなるため、頭痛を起こすことがあります。


風寒証は、無理せず寝てれば、自然に治ります。ところが、からだを休ませずにいると、胸のところで、肺から へと影響をおよぼして、心気虚・心陽虚 を起こしてしまう可能性があります。


あるいは、風寒が熱化することもあり、そうなると、どの臓腑に影響するかによって、さまざま異なる熱症状を呈します。また、風寒邪が経脈 に入ると、手足やからだに痛みを生じ、ひどければ神経麻痺を起こします。


やっぱり、予防が一番ですね。一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-ススキ


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