外邪はコンビでやってくる その1 寒湿邪 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


「足が教えてくれること No.12 足の冷え」 のネタ元となった姪っ子、言いつけを守って温かくしているらしく、回復したようです。バセドウ病があるので、どちらかというと代謝亢進気味なので、あそこまで冷えるのは珍しい。


もっとも3日間も雨に打たれれば、その時どんなに着こんでても、あとでしっかり温まっておかなければ、冷えてしまうのも当然です。東洋医学でみると、姪っ子の症状は急性のものであり、寒湿邪のしわざ。


そう、雨にぬれると、寒邪 だけでなく、湿邪 も一緒に入ってしまうんです。東洋医学講座では、外邪 を別々にひとつずつ説明してますが、実は、単独でやってくるよりは、こうしてコンビを組んでくることが多い。この場合は、寒邪+湿邪=寒湿邪と表現します。


寒邪は直中(じきちゅう)することがあって、おなかに入ると、一気に下してしまいます。直中とは、「直に中る(じかにあたる)」という意味で、姪っ子のひどい下痢は、まさにそのせいです。寒邪だけなら、それで終わったかもしれないんですが、下痢が治ったあとも、冷えを引きずることになったのは、湿邪のしつっこさのせいでしょう。


寒邪と湿邪、どちらも陰邪ですから、からだの陽気を傷つけます。雨にぬれたとしても、その日のうちに、お風呂でじっくり温まっておけば、陽気を回復できたはずで、冷えも体表だけですんだはずなんです。


ところが、手当てしなかったために、冷えが体内に入り、その結果、 の働きが悪くなってしまった。しかも、十分回復していないにもかかわらず、帰省後ちょっと食べ過ぎて、消化不良と食欲不振を起こした。まぁ、そんなところでしょう。


くびや肩のこりは、稲刈り作業による疲れでしょうが、それが痛みを伴ったのは、やっぱり寒湿邪のしわざと考えられます。寒邪には気血を固める性質があり、湿邪には気血の流れを遅くする性質がありますからね。気血の流れが悪化して、不通則痛 になるというワケです。


こんな状態を長く放っておくと、やがて脾陽虚 となり、さらに腎陽虚心陽虚 へとつながってしまいます。あるいは、寒湿が鬱積して熱を帯びた場合は、寒が転じて熱となり、湿熱証となります。こうなってくると、元は外邪でも、臓腑の病を引き起こしたり、内生の邪 を発生させたりしちゃうんですね。


寒湿の邪にやられた状態を寒湿証と言います。寒湿証になるのは、姪っ子のように冷たい雨に打たれたとか、汗をかいたまま冷房にあたるとか、もともと内湿があるところに寒邪が入ったとか、もともと内寒のあるところに湿邪が入ったとか、いろんなケースがあります。


外邪は予防するにこしたことはありませんが、外邪にさらされたときには、早め早めの手当てと養生が大切。油断して放っておけば、大病につながる可能性がありますからね。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-ルコウソウ


東洋医学講座の目次→満月
ツボの目次→やや欠け月
リフレクソロジーの目次→半月
妊娠・産後・授乳・子どものケアの目次→三日月
アロマセラピーの目次→新月
『養生訓』の目次→星空
体操とストレッチの目次→夜の街
からだのしくみ・食・栄養の目次→打ち上げ花火
からだの不調と対処法の目次→お月見
養生法・漢方薬・薬草・ハーブの目次→桜
ブログの目的・利用法・楽しみ方の目次は観覧車をクリック→観覧車