疳の虫を東洋医学でみると | 春月の『ちょこっと健康術』

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体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


先週の「疳の虫ってそもそも何?」 で予告したとおり、疳積(癇癪、かんしゃく)についてお届けします。疳積は、5歳以下、特に3歳前後にもっともよくみられます。病状によって3段階に分けられ、初期を疳気、中期を疳積、後期を乾疳といいます。


病因となるのは、

① 乳食、甘いもの、脂っこいもの、生もの、冷たいものなどの与えすぎによる食積

② 母親が栄養不足であるため母乳が薄い、離乳時期が遅れたための栄養不足

③ 慢性的な下痢や寄生虫


いずれの場合も、脾胃の機能が低下して、十分に栄養をとることができなくなり、そのためにだんだんとやせていき、精神的な安定もはかれなくなって、かんしゃくを起こすようになります。


1 疳気(脾胃不和)…初期段階

① からだがやややせ気味で、食欲があまりない、食後におなかがはる。

② 顔色がさえず、髪の毛が薄くてつやがない、かんしゃくを起こしやすい。

③ 便にすっぱいにおいがあり、軟便か便秘気味かのどちらか。

④ 舌のところどころが白っぽい、舌苔は薄くて白いか若干黄色い。

⑤ 脈は沈んでいてゆっくり。


2 疳積(脾虚)…中期段階

① からだがやせて、おなかがはっている。ひどいときは、おなかに青筋が出る。

② 食欲がないか、多食で便が多いかのどちらか。便に未消化物が混じり、酸臭が強い。

③ 顔色がさえず、髪の毛が薄くてつやがない、イライラしやすい。

④ 煩躁(熱っぽく不安があり、手足をばたつかせる)があって、安眠できない。

⑤ 舌が紅い、舌苔が黄色くねっとりしているかまたは少ない。

⑥ 脈は細くて滑らか。


3 乾疳(気血虚損)…後期段階

① 全身的な消そう、筋肉が落ちて骨と皮になる、腹部が陥凹する。

② 食欲がない、軟便または便秘。

③ 顔がまるで老人のようで、唇が乾き、髪の毛は枯れたようにうるおいがない。

④ 泣き叫ぶ力がなく、ときどき微熱を生じる。

⑤ ひどいときは全身にチアノーゼが出て、呼吸が微弱になり、意識が混濁する。

⑥ 舌は淡紅色か紅色、舌苔が光り、脈は細く弱い。


予防ならびに手当てとしては、

① 年齢や体格に応じて、必要な栄養価のものを適度に与える。

② 食事が不規則だったり、むやみに補食を与えていたり、偏食だったりする場合は改善する。

③ 背骨にそって、上へ向けて軽く押圧しては皮膚を軽くつまんでいく。おしりからくびへ、6回。

④ ツボ: 中かん、天枢、足三里、脾兪、胃兪など


よくいわれる疳の虫はどうやら疳気の状態で、「夜泣きを東洋医学的にみると」 の驚恐による夜泣きは、疳積の④煩躁の部分だけが強く出たものかもしれません。いずれにしても、もし疳の虫がありそうだったら、まずはお母さんご自身とお子さんの食事の状態をチェックする必要がありそうです。


ツボの位置は、ツボの目次→やや欠け月 でご確認くださいませ。

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一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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