今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
またまた引き続きショパンのエチュードのワンポイントレッスン動画の記事をリブログさせていただいた。
今回は、エチュードop.25-10 ロ短調。
動画が主部編と中間部編との2部仕立てになっている。
今回の練習ポイントは、“大Hこすり”(?)と“平ら出し入れ”。
ともかくも、主部では15cm大のボードの両端を親指と小指(あるいは親指と薬指)でこする訓練、中間部では平らな面で薬指と小指のストレッチの訓練をすると良いのだそう。
前曲op.25-9と同じくオクターヴの練習曲だが、曲想はまるで違う。
それに伴い、同じオクターヴでも前曲は軽やかなスタッカート、当曲主部は重いレガート、そして当曲中間部は優しいレガート、とそれぞれ異なるテクニックが求められるとのこと。
三度(op.25-6)→六度(op.25-8)→オクターヴ(op.25-9)ときた後に、「オクターヴと一口に言っても色々あるのだからこれでは終わらせないよ」というショパンの不敵な笑みが浮かんでくるようである。
そして、こちらの模範演奏動画のオクターヴ、見事な重いレガートだと思うのだがいかがだろうか。
【おまけ:私の好きなop.25-10の演奏】
●マウリツィオ・ポリーニ
古典的名盤。
ことさらに悲壮感を演出するのでなく、あらゆるオクターヴを芯までしっかり鳴らすことで、曲に内在する激烈さが自然に立ち上るような演奏。
●グリゴリー・ソコロフ
彼の本領が発揮された名演。
鋼のように分厚いオクターヴ、嵐のように圧倒的なフォルテが聴ける。
まさに「ロシアの重戦車」(本来ペトロフかデミジェンコのあだ名だが)。
●木村麻里江
説明欄にイニシャルしか書かれていないが、たぶん合っていると思う。
録音の音質が悪く風呂場サウンドのため細部まで聴こえないが、この曲らしい激しさがよく出た演奏。
上のソコロフのロシア流儀とはまた違った、オーソドックスな荒々しさ。
●木村友梨香
上の木村麻里江より少しどっしりと落ち着いており、また一つ一つの音がよりくっきりしているが(音質の違いのせいもある)、オクターヴらしい迫力という点では全く共通している。
姉妹で同じ曲で名演を繰り広げるとは、血は争えないということか。
なお、これまでのエチュードについてはこちら。
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