(ショパンのエチュードop.25-1 ワンポイントレッスン動画) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

またまた引き続きショパンのエチュードのワンポイントレッスン動画の記事をリブログさせていただいた。

今回は、エチュードop.25-1 変イ長調 「エオリアンハープ」。

今回の練習アイテム(というよりポイント)は、“エクササイズ”。

 

 

右手小指によるソプラノのメロディはしっかり歌うのに対し、小指以外による内声部は小さな音でささやくように弾かなければならない。

この内声部の弱音をコントロールするためには、メトロノームで速さを測りながら、内声部の短い音型を繰り返し弾くエクササイズをするのが効果的なのだそう。

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ:私の好きなop.25-1の演奏】

 

●アルフレッド・コルトー

速めのテンポでさらりと進むが、ところどころに「タメ」や「崩し」がちりばめられ、全体的にはロマンティックな濃い表現となっている。

録音の古さをあまり感じさせない、きらびやかな美音が聴ける。

かのブーニンも、「私の芸術的感性に誓って言うが、このop.25-1の演奏はコルトー盤にとどめをさす」というようなことを確か言っていた。

 

 

●ルーカス・ゲニューシャス

上のコルトーよりもかなり遅めのテンポ。

右手小指によるソプラノのメロディを、かなり強めのタッチでくっきりと歌わせるのが特徴。

ロシア風、といったところか。

ルバートや強弱の変化も多く濃厚な表現だが、それらは冷静に計画され、綿密にコントロールされているような印象を受ける。

 

 

●ディナーラ・クリントン

中庸のテンポ。

上のゲニューシャスとは対照的に、右手小指によるソプラノのメロディを、内声部とあまり変わらない弱音でそっと歌い出す。

この曲の副題である「エオリアンハープ」を想起させる弾き方。

また、ルバートなど表現はやはり濃厚だが、それらは綿密に計画済というよりは、感性の赴くまま自由に弾いているような印象を受ける。

 

 

以上、三者三様の個性があって面白いが、どれもかなり濃厚な表現であることは共通している。

贅沢を言うと、より自然な歌心を持つ名演も聴いてみたい。

藤田真央あたりに期待か。

 

 

なお、これまでのエチュードについてはこちら。

 

op.10-1

op.10-2

op.10-3 「別れの曲」

op.10-4

op.10-5 「黒鍵」

op.10-6

op.10-7

op.10-8

op.10-9

op.10-10

op.10-11

op.10-12 「革命」

 

 


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