(ショパンのエチュードop.10-10 ワンポイントレッスン動画) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

またまた引き続きショパンのエチュードのワンポイントレッスン動画の記事をリブログさせていただいた。

今回は、エチュードop.10-10 変イ長調。

今回の練習アイテムは、“横外5錘”。

 

 

前回のop.10-9と対になっているようで、共にトレモロの上側のメロディをきれいに歌わせるための練習曲とのこと。

前回は左手の親指だったが、今回は右手の小指。

錘を使って右手の小指を開きながらも手首を脱力する練習をすることで、右手の動きが柔軟になり、右手のソプラノ(高声部)のメロディがうまくレガート(滑らか)に演奏できるようになるのだそう。

 

 

単旋律でなくトレモロなのでメロディラインがガタガタしてしまいやすく、滑らかに弾くには手や腕のみならずペダルの使い方も問われるのだという。

半音階的に動くためか、あまり踏みすぎるとペダルが濁りやすいようで、自分なりのペダルの踏み方を模索する必要があるらしい。

いわゆる「ペダルは耳で踏む」というやつか。

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ:私の好きなop.10-10の演奏】

 

●高御堂なみ佳

※ネット上に音源なし(CDはこちら

 

まったりした味わい深い演奏。

器用な演奏ではないが、練習曲らしいかっちりした歩みの中に、潤いのある美音でしみじみと抒情的に聴かせる。

ガチャガチャしたイメージの強かったこの曲が、実は豊かな和声変化と美しいメロディを持つ曲であることを教えてくれた。

 

 

●チョ・ソンジン

さらりとした、洒落たセンスの感じられる演奏。

さらさら流れる中にも、ショパンらしい細やかな情感の表現があちこちに聴かれ、エモーショナル。

彼の、現代を代表するショパン弾きの一人たるゆえんである。

 

 

●ソン・ユル

※ネット上に音源なし(2018年浜コンライヴCD、現在廃盤)

 

きわめて速いテンポによる、底抜けに明るい、天翔けるような演奏。

高度に洗練されていながらも、神経質というよりは明朗で自然体。

「韓国の古海行子」といったところ(男性だが)。

主要主題がレガートからスタッカートに変わる箇所も全く苦しさがなく余裕綽々だし、再現部直前の右手のオクターヴ跳躍での追い込みもスリリング。

この曲らしいイメージに最も近い名演。

 

 

今回はつい、ネット上で聴けない演奏についても書いてしまった。

お気に入りの演奏ということで、ご容赦いただけたらありがたい。

 

 

なお、これまでのエチュードについてはこちら。

 

op.10-1

op.10-2

op.10-3 「別れの曲」

op.10-4

op.10-5 「黒鍵」

op.10-6

op.10-7

op.10-8

op.10-9

 

 


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