(ショパンのエチュードop.25-8 ワンポイントレッスン動画) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

またまた引き続きショパンのエチュードのワンポイントレッスン動画の記事をリブログさせていただいた。

今回は、エチュードop.25-8 変ニ長調。

今回の練習ポイントは、“手首脱力確認”。

 

 

六度の和音のレガートがひたすら続く練習曲。

三度の練習曲(op.25-6)もそうだが、こういった和音レガート系の曲はとりわけ難しそうに聴こえる。

加えて六度の場合、ずっと手を開いたままなので、手首に力が入って滑らかさが失われやすいとのこと。

手首の脱力が常にできているかどうか確認するのが重要なのだそう。

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ:私の好きなop.25-8の演奏】

 

●田中希代子

私の知る限り最速テンポの演奏。

このテンポで、これだけ滑らかに和音を弾けるのは驚き。

苦しそうな箇所もないではないが、加速と減速とをうまく使って音楽的に無理なく弾き通している。

1955年ショパンコンクールの審査員だったB.ミケランジェリは、アシュケナージを第1位、田中希代子を第2位にすべきだと主張して審査員を辞退したというが、確かに田中希代子はアシュケナージ同様、ミケランジェリの好きそうな正統的技巧派ピアニストといった印象である。

日本初の世界トップレベルのピアニストと言ってよさそう。

 

 

●マウリツィオ・ポリーニ

上の田中希代子よりは幾分ゆっくりしているが、そのぶん安定感と明晰さはピカイチ。

右手で弾く六度の和音が、まるで両手で一音ずつ弾いているかのようにムラなくきれいなレガートで奏される。

ペダルもしっかり使われるのに決して濁らず、一音一音くっきりと分離して聴こえる。

 

 

●グリゴリー・ソコロフ

上のポリーニと同程度の落ち着いたテンポ。

六度の和音のレガートは、ポリーニと完全に肩を並べるとまでは言わないにしても、相当うまい。

再現部でなぜか大きく盛り上がるのが特徴で、「チャイコフスキーやラフマニノフじゃないんだから」と最初は笑ったが、何度か聴くうち、この迫力に病みつきになった。

 

 

なお、これまでのエチュードについてはこちら。

 

op.10-1

op.10-2

op.10-3 「別れの曲」

op.10-4

op.10-5 「黒鍵」

op.10-6

op.10-7

op.10-8

op.10-9

op.10-10

op.10-11

op.10-12 「革命」

op.25-1

op.25-2

op.25-3

op.25-4

op.25-5

op.25-6

op.25-7

 

 


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