今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
またまた引き続きショパンのエチュードのワンポイントレッスン動画の記事をリブログさせていただいた。
今回は、エチュードop.25-2 ヘ短調。
今回の練習アイテム(というよりポイント)は、前回と同じ“エクササイズ”。
この曲では、右手の親指が人差し指と交差することが多いようで、そうした箇所での弱音のコントロールが難しいとのこと。
この交差部分の短い音型を繰り返し弾くエクササイズをすることで、親指のハーフタッチ(弱音のための軽めのタッチか)ができるようになるのだそう。
【おまけ:私の好きなop.25-2の演奏】
●イレーヌ・シャーラー
イギリスの女性ピアニスト、シャーラーによる今から108年前の演奏(あのタイタニック号事件の年!)。
アコースティック録音であり、音質は良くないが、それでもこれだけ弾ける人は現代でもなかなかいないのではないか。
●ヴァルター・ギーゼキング
※2:29~
こちらも録音は古いが、若き日のギーゼキングの確かな技巧と硬質な美音が聴ける。
●ヴィルヘルム・バックハウス
最速テンポの演奏かも。
速すぎてはっきり聴こえない部分もあるが、それでも上のギーゼキングに劣らず、バックハウスもかなりの技巧を持っていたことが分かる。
●アルフレッド・コルトー
技巧に難を感じることもないではないコルトーだが、この曲は得意なのか大変鮮やか。
彼ならではの華麗な美音も健在。
●ローザ・タマルキナ
ロシアの夭折の女性ピアニスト、タマルキナによる演奏。
1937年ショパンコンクール第2位の実力は伊達ではないことが分かる。
ギレリスとフリエールという2人の大家にプロポーズされた伝説の人。
●マウリツィオ・ポリーニ
上の巨匠たちの演奏を聴いた後では落ち着いた演奏に聴こえる。
十分に速いのだが、上のどの演奏よりも安定している。
いつもながら細部の明快さも見事。
●アール・ワイルド
怪しいところもあるが、それでもこれだけ弾けたら大したもの。
上の巨匠たち(ポリーニ以外)と共通した、19世紀風のヴィルトゥオジティやロマンティシズムがある。
●ラン・ラン
いかにも隠し撮りといった感じの画質と音質。
彼には他にop.25全曲録音もあり(こちらの2:45~)、そちらは画質も音質も良好なのだが、それよりもこちらの隠し撮り演奏のほうがテンポが速く、また上の巨匠たちに通じる味があって良い。
今回はつい多く挙げすぎてしまったが、この曲は古くから名盤が多いように思う。
なお、これまでのエチュードについてはこちら。
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