(ショパンのエチュードop.25-5 ワンポイントレッスン動画) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

またまた引き続きショパンのエチュードのワンポイントレッスン動画の記事をリブログさせていただいた。

今回は、エチュードop.25-5 ホ短調。

なんと動画2つという大盤振る舞い。

今回の練習ポイントは、“横内2輪ゴム”と“屈―関バウンド”。

 

 

まず主部では、右手の人差し指~小指に輪ゴムをかけ、人差し指を少し開く際に親指を脱力する訓練をすることで、人差し指と親指とが滑らかにつながるようになるのだそう。

次に中間部では、人差し指~小指の付け根に錘で重力をかけ、指を脱力しながらバウンドさせる訓練をすることで、親指とのつながりが良くなり、柔らかなレガートで弾けるようになるとのこと。

 

 

主部と中間部、全く違った曲想だけれど、親指とそれ以外の指との滑らかなつながりの練習という点で共通しているということか。

軽快な曲想でのつながりと、レガートな曲想でのつながり。

よくできたエチュードである。

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ:私の好きなop.25-5の演奏】

 

●山本貴志

この曲は、他を圧するほど速いテンポによる鮮やかな演奏というのがまだないため(少なくとも私は見つけられていない)、安定感と音楽性が勝負ポイントとなる。

その意味で、これはこの曲のお手本となるような演奏。

主部は歯切れよいスタッカートと安定したリズムで軽快なワルツになっているし、中間部は優しい歌で効果的に主部と対比されている。

 

 

●中川真耶加

※8:06~

上の山本貴志と対照的に、主部では軽快さよりもペダルを多用しレガートに、一方で中間部ではノクターンのようには歌いすぎない。

つまり、主部と中間部とを対比させるよりも一貫性を重視している。

全体を通してエチュードらしくストレートにまとめた、それでいてほんのりとロマン的な味のある演奏。

 

 

●小林愛実

主部、スタッカートが山本貴志のようには軽快でないが、そこをルバートなど彼女ならではのセンスで音楽的に乗り切っている。

安定したワルツのリズム、というのとは違っているが、ルバートが堂に入っており不自然さを感じさせない。

中間部でもルバートを効果的に使って、山本貴志に劣らずロマンティックな歌にしている。

 

 

なお、これまでのエチュードについてはこちら。

 

op.10-1

op.10-2

op.10-3 「別れの曲」

op.10-4

op.10-5 「黒鍵」

op.10-6

op.10-7

op.10-8

op.10-9

op.10-10

op.10-11

op.10-12 「革命」

op.25-1

op.25-2

op.25-3

op.25-4

 

 


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