軟便(泥状便)の整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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軟便(泥状便)の整体治療
患者Hさん=57才-女性-主婦/看護師の症例
 
 
 
 
 
① Hさんの病歴・・・
患者Hさんは、毎日排便はあるものの、10年以上前から軟便(泥状便)ばかり出ていたそうです。以前に受けた病院での内視鏡検査で異常は発見されていなかったそうです。その後鍼灸治療や漢方を服用されていたそうですが、軟便(泥状便)状態は一向に改善しなかったそうです。
 
 
 
② Hさんの診察
・腹痛や悪心-嘔吐、あるいは血便などは無いそうです。
・Hさんはやや肥満気味で腹部は膨満傾向でしたが、頭顔面や上肢に浮腫みはありませんでした。しかし下肢は仕事が終わる夕方ころには浮腫みが生じるそうです。
・血色は普通で眼球結膜に黄染はありませんでした。食欲も普通で、微熱などの全身所見も無いそうです。
・血圧は120/80mmHgだそうです。
・血液検査ではコレステロール値が少し高めで脂肪肝があるそうですが、それ以外の異常所見は無いそうです。
・腹部聴診上、血管雑音-ハム音は無く、グル音は弱く聴取出来ました。
・腹部は平坦-軟で、特段の腫瘤感-抵抗感は無く、肝脾腫もありませんでした。しかし、右季肋部とS字結腸部で著明な緊張と圧痛がありました。特にS字結腸部では「緊張」といった触感と言うよりは「泥沼を押圧している様なのジュクジュク感」と言った感じの触感でした。また、左ASIS部にも圧痛がありました。
・鍼灸師や漢方医から「S字結腸がおかしい」と言われていたそうです。
 
 
 
③ 治療目標と整体治療
     ⑴ S字結腸の吸収機能と平滑筋機能を回復させる
・平滑筋テクニック
・腸骨はがしテクニック
 
 
 
 
④ 経過と結果・・・
・初診治療後、左ASISの圧痛はほとんど解消していました。

・3診目来院時、S字結腸の「泥沼様のジュクジュク感」は改善していき、少しずつ本来の消化管平滑筋の弾力性と柔軟性が回復してきた感がありました。

・4診目来院時、「便が少し固まって来たみたいです」と仰っていました。

・6診目来院時、「10年ぶりくらいに固まった健康的な便が出るようになりました」と仰っていました。
(念の為、改めて内視鏡検査などを受診する事を勧めておきました。)
 
 
 
 
⑤  今回の症例の概説、、、
◆ 結腸(大腸)の主な機能は「水分の調節」
・結腸(大腸)は糞便の水分量を調節して固い便を排泄する臓器です。特に結腸の末端部位であるS字結腸は最終的な水分の吸収を調整する部位ですから、この部位に炎症-腫瘍や潰瘍、あるいは疲労などによる機能障害が生じると、水分を幾分か含んだ状態の便(➡軟便/泥状便)になってしまうかもしれません。従って、この部位が治療目標になると考えました。
 
 
 
◆ 軟便(泥状便)の治療目標は、、、結腸の吸収機能/運動機能の回復…
・しかし、同部位に腫瘍などがあれば、これは整体師の対象では無くなります。ただ、以前の内視鏡検査の結果や、10年来の長期に渡る症状である事、あるいは初診での検査結果などから腫瘍や潰瘍-炎症の可能性は極めて低いと考えました。さらに触診時に感じたS字結腸の「泥沼様のジュクジュク感」ですが、これはS字結腸平滑筋の疲労状態を反映しているのでは、と推定しました
(結果論ですが、逆に言えば3診目来院時に消化管平滑筋の弾力性と柔軟性が戻ってきていたことが、そのことを裏付けているのかもしれません。)

・そこでHさんには、大腸潰瘍や腫瘍、腸炎などを疑う所見が見当たらない事から、上記で記した様に単なるS字結腸部の機能減弱が主因ではないか、と考えて、その機能を回復させる目的で
     ⑴ S字結腸の吸収機能と平滑筋の運動機能を回復させる
   ・平滑筋テクニック
   ・腸骨はがしテクニック

を、施術しました。
 

・今回の整体治療で症状は改善したものの、日本人女性の大腸癌発症率は非常に高く、それが隠れている可能性もあるので、念のために精査を勧めておきました。

 

 

 

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