胃もたれ…心窩部(みぞおち)の鈍痛-気持ち悪さ=機能性胃腸症=と整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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胃もたれ…心窩部(みぞおち)の鈍痛-気持ち悪さ=機能性胃腸症/ディスペプシア=と整体治療
心理療法を併用した症例の解説です。
患者Kさん=39才-女性-主婦の症例
 
 
 
 
① Kさんの病歴・・・
患者Kさんは、6年前の妊娠中から胃もたれがひどくなってきたそうです。特に食事をするとひどいそうで、食欲も落ちたままだそうです。元々は、20年以上前の高校生の頃から胃もたれが生じることがあり、その頃から内科や鍼灸治療、あるいは漢方薬などの様々な治療をされてきたそうです。その治療薬の種類はこの20年間で相当数に上り、今までに処方された20種類ほどの胃薬や漢方薬の名称をほぼ全て暗記しお話ししてくれるほどでした。しかし症状は改善するどころかだんだんひどくなり、出産後は体重が30kg台にまで落ち込んだこともあったそうです(今の体重は50kg、身長は167cm)。胃もたれ-食欲不振の悪化と併行して、食べられない事を気にしての気分の落ち込みも増悪し、3年前には心療内科でうつ病の診断-治療も受け、今も投薬治療を受けているそうです。
 
 
 
② Kさんの診察
・今までの病院の検査歴で(血液検査・胃カメラなど)、特段の器質的な異常を指摘されたことは無いそうです。今回の症例については「機能性胃腸症」との診断を受けているそうです。
・頭顔面や下腿の浮腫はありませんでした。眼球は正中にあり、陥没や突出も無く、瞳孔の左右差や眼瞼下垂あるいは眼球結膜の黄染もありませんでした。血色は普通でしたが、どの様な問診あるいは雑談に対しても終始顔面の表情の変化が無い状態でした(☚診察後の施術中、相当痛む手技に対しても無言で、顔の表情にも変化はありませんでした。)。
・手の振戦・巧緻運動障害や歩行障害はありませんでした。
・食欲はあまりないそうですが、とりあえず今以上に体重を落とさないように食事をとっているそうです。
・肉類と脂肪類の食材を食べると胃もたれ(心窩部の鈍痛-気持ち悪さ)がより増強するので、この数年は(そばやいなりすしなど以外は)ほとんど食べていないそうです。従って、家族とは別メニューで食事を作っていたそうです(☚家族と外食も出来ない状態)。家族の肉-脂類の食事を作るだけでも胃もたれが強くなることがあるので、最近では夫に惣菜を買ってきてもらい、それを父子で食べているそうです。
・頻尿気味で、一日に10回程度は排尿するそうですが、尿の量は少ない事がほとんどだそうです。
・若い頃からの便秘症で、何らかの薬を服用しないと排便手出来ないそうです。便の性状はほとんどが軟便ですが未消化便は無いそうです。お薬を使用しないと、いつまで便秘が続くか分からないので、長くても1週間以内に服用して排便するそうです。
・胸やけ、呑酸、ゲップは無いそうです。
・月経周期は28日、月経期間は5日で、月経血はそれほど多くないそうです。生理痛の経験もあまり無いそうです。
・妊娠中は5-6ヶ月くらいまでつわりがひどかったそうです。
・出産は吸引分娩だったそうです。
・気管は正中にあり、甲状腺の腫脹や萎縮はありませんでした。しかし、頸部の筋肉群は前後左右とも全般的にかなり緊張し腫脹していました。
・胸部聴診上、特段の所見はありませんでした。
・腹部聴診上、血管雑音は無く、グル音もほぼ正常に聴取出来ました。
腹部触診上、腫瘤感や抵抗感は認められませんでしたが、心窩部に緊張と圧痛がありました。左季肋部下でも著明な緊張と圧痛がありました。また、胆嚢の腫脹-緊張が触診でき、右季肋部から心窩部にかけても著明な緊張と圧痛がありました。これらの部位の押圧で、主訴の再現(心窩部の鈍痛の増強)がありました。さらに左下腹部では、S字結腸の柔軟性が減退している感があり、下腹部全般に粘土様の緊満した抵抗感がありました。肝脾腫はありませんでした。横隔膜左-右脚の緊張は確認できませんでした。
・改めて問診すると、妊娠中の検査で胆石がある事が指摘されたそうですが、「発作も出ていないのでとりあえず経過観察しましょう」との事で、それ以降何の処置もしていないそうです。
 
 
 
➂ 治療目標と整体治療
   ⑴ 胆嚢の機能(筋力)を回復し、胆汁(胆石or胆泥)の排出を促して胆嚢の腫脹を解消し、肝胃間膜~食道筋膜の緊張を緩和する
   ⑵ トレイツ筋~食道筋膜の緊張を緩和する
   ⑶ 消化管の粘膜-平滑筋の機能を回復する
   ⑷ 上‐下腸間膜動静脈-門脈の循環を回復し、消化管の機能回復を図る
   ⑸ Kさんの表情を取り戻す

・胆嚢-胆管の内臓整体
・十二指腸空腸曲~トレイツ筋解放テクニック
・平滑筋テクニック
・上―下腸間膜動静脈解放テクニック
・門脈解放テクニック
・心理療法
 
 
 
 
④ 経過と結果・・・
・初診から3診目までは変化がありませんでしたが、4診目来院時には「胃もたれが少しマシな感じがします」と仰っていました。

・5診目くらいから、併行して整体治療していた不眠症が解消し、熟睡できる状態になってきたせいもあってか、胃もたれは日によって差はあるものの、少しずつ改善傾向を示してきました。しかし、かなり胃もたれ感が強い日もあり、まだ食欲はほとんど出ない状況が続きました。ただ、これも同時併行して整体治療してきた便秘についても、便秘薬に頼っているのには変化はありませんが、腸の状況は改善傾向を示していました。

・12診目には胃もたれ感が1/4以下にまで軽減し、Kさん本人も少し安堵感が出てきたようでしたが、13診目以降からまた少しずつ悪化する日が増えてきて、一進一退状況が続きました。

・ところが15診目になってKさんが「初めて薬を飲まずに便が出ました。快便でした」と仰って、喜んでおられた事を契機に心理療法を取り入れる事にしました。

・その後、整体治療を施術しながら色々なお話をさせて頂くことになり、胃もたれ感や食欲不振の状況も調子の良い日と悪い日が交互に出るもののやがて次第に安定的になり、21診目には胃もたれ感がほとんど気にしなくて良い日々が続くようになっていました。

・その後、お子さんの受験の事や引っ越しのことなど、Kさんのお顔に喜怒哀楽の表情が自然と出るようになっていました。そしてこの何年も感じたことが無かった「〇〇が食べたい」といった食欲も出てきだしたので、予定よりかなり長引くことになりましたが、やっと24診目で治療を終了する事になりました。
 
 
 
 
⑤  今回の症例の概説、、、
・初診来院時、患者Kさんは「この20年で次第に体力が右肩下がりで落ちてきています」と仰っていました。ちなみに、妊娠するまでは”胃もたれがある”とはいえ、家族や友人たちと一緒に同じものを食べて、楽しく暮らしていたそうです。それがうつ病と診断されるまで気分が落ち込んでいるのですから、胃もたれが「体力」だけでなく「精神力」にまで悪影響が出て来ている状態が推定されました(☚症候性うつ病の可能性?)。あるいは逆に、元々精神的脆弱性が根にあって今回の一連の身体-精神的症状が続いているのかもしれません。

・ところで整体テクニック的には、今回のKさんの様な症状の方は当院では意外に多く、その治療例も多いので、それ程難治性ではない、と踏んでいました。しかし、今回のKさんの様に気分の落ち込みがひどいケースでは、左記以外の段取り(☚心理的介入)も必要かもしれません。

・そこで今回のKさんのケースの特徴ですが、それは
※「この20年間のお薬の名称をほぼ全て覚えていた」ことに有ると思います。
そしてもう一つの重要な特徴は「初診来院時、患者Kさんは
※『この20年で次第に体力が右肩下がりで落ちてきています』と仰っていました」というKさん自身の言葉です。

・つまりこの二つの特徴を重ね合わせると、
「20年間の服薬=体力が低下する」という事実を自ら宣言してしまっている、(☚体力低下は確信犯なのか?)
という事になります。そしてそれだけ「ご自身の症状に強い注目度が集まっているのでは」と推定されます。言い換えればご主人やお子さん(6才)に対する注目度がその分減少しているわけです。もっと言えば、(ここから推測になりますが)夫や子供に対する「妻-母の権利と責務」からの引きこもり=逃避反応=として、これらの胃腸症状が役に立っているのかもしれません。その意味では「身体表現性神経症」的な機序が考えられ、何となれば心理療法的介入が必要になるかもしれません。ただ、これの意味するところをKさん自身は全く気付いていないと思います。逆に言えば、これが意味するところを気づいていただくことによって、改善への道が開くのでは、と思われます。つまりこの「注目度=Kさんの心理的眼の方向」を少しだけ変更して頂く必要性があるのでは、それが胃腸症状についての治療効果につながるのでは、と考えました。

・そしてそのチャンスを整体治療を継続しながら待っていると、思わぬところからその突破口が開けました。それはKさんの他の愁訴として「便秘薬に依存性の便秘」に対する整体治療も並行して施術していたのですが、その整体治療において便秘薬を服用せずとも快便可能な胃腸の状態に改善する事が出来ました。にもかかわらずKさんは便秘薬を依存的に服用し続けていました。そこでKさんに「ひょっとしたらお薬に逃げているのではないですか?」とKさんの依存的性格傾向についてお話しし、その延長線上において「その逃避の目的は母あるいは妻から逃げているのではありませんか?」といった趣旨のお話をしていきました。そして「その様な目論見が現段階では成功しているのでは」、といった事実もお話ししていきました(例:夫が惣菜を買って夫と子供がそれを夕食として毎晩食べている事実)。
 
 

・この様にして整体治療を続けながら心理療法的な介入も続けていくうちに、Kさんの様子が少しずつ変化していきました。例えば便秘薬の服用を漸減しながらやがて中止し「薬の服用が無くとも快便が続く」といった好循環も生まれるようになっていきました。

・さらにお子さんの受験やそれに対する様々な手続きなど、たくさんの妻や母親としての仕事もこなせるようになり、気が付くと胃腸症状も気にならないくらいまで解消していました。

・このKさんの症例では少し治療期間が長引くことになりましたが、今回の症例の様に機能性胃腸症は心理的原因が強く関与するケースが多く、その様な場合には功を焦ることなくタイミングを見計らって心理的アプローチをかけることが、結局は一番の近道になるのかもしれない、、、その様に思いました。
 
 
 
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