胃下垂と腰痛・下腹部痛(骨盤痛)、残便感の整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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胃下垂(機能性胃腸症=ディスペプシア)
腰痛・下腹部痛(骨盤痛)、残便感の整体治療
10診目でほぼ完治した症例の解説です。
患者Sさん=62才-女性-主婦/自営業の症例
 
 
 
 
 
 
① Sさんの病歴・・・
患者Sさんは35才の時に胃下垂と診断されたそうです。その時の画像検査では胃が臍の下数センチまで下がっていたそうです。さらにその数年後には恥骨の直上にまで下がっていたそうです。多少の胃もたれ感はあってもほぼ健常な状態であったので特段の治療もすることなく放置していて、食通であることもあり、かなり「お腹いっぱい」になるまで食べるような食生活を送ってこられました。食後は臍より下の下腹部が膨らむそうです。ところが1~2年ほど前から胃もたれなど少しずつ体調が悪化し、去年からは食べる量を減らしていたそうです。しかしその減量効果もなく、半年ほど前から腰痛と下腹部痛が生じるようになり、次第に悪化傾向だったそうです。
 
 
 
 
② Sさんの診察
・腰痛と下腹部痛は起床時(臥位状態)に強く出るそうです。その部位は恥骨から臍下にかけてと、仙骨周辺だそうです。
・病院では有効な治療法がなく、近くの接骨院で治療されていましたが全く効果が無かったので、ご自身で色々な治療法を試されていたそうです(例=漢方、サプリメント、体操、ツボ治療など)。その経験上、どれも効果は無く、一番効果的だったのは「朝ぶろ」だったそうです。
・排便は毎日1回あるそうですがスッキリ排便出来ることは稀で、スッキリ排便出来た時は腰痛・腹痛が両方とも解消するそうです。しかし全部排便出来ずに残便感がある時は腰痛・腹痛も解消しないそうです。そのせいもあって、下剤(☚漢方薬)を30年以上も服用していたそうです。下剤を服用すると1日に3回ほど排便があり、残便感も解消し、腹痛や腰痛も無くなるそうです。但し、漢方薬は1年ほど前から、出来るだけ服用しないようにしているそうです。
・便の性状は普通で、血便や筋状便(リボン状便)も無いそうです。
・初潮は遅く、閉経も早かったそうです。
・生理痛はほとんど無かったそうです。また、その他の婦人科的愁訴・疾患も特になかったそうです。子宮下垂も無いそうです。
・32才の時に出産されていますが、安産で時間も短かったそうです。
・排尿障害や排尿痛あるいは不正出血は無いそうです。
・左右の下腿の冷え性があるそうです。
・下腿の神経学検査で異常はありませんでした。
・Sさんの出生時に左鼠径部(恥骨側)に軽度の鼠経ヘルニアがあったそうですが、その時の担当医師より「手術などの治療をする必要もなく、放置していても大丈夫です」と言われていたそうです。ただ、成人後も時折左鼠径部に軽い疼痛が生じることがあるそうです。
・血圧は具体的な数字は覚えておられませんでしたが、正常範囲(やや低い方)だそうです。
・血液検査でも特段の異常を指摘されたことは無かったそうです。
・腹部聴診上、血管雑音はありませんでした。グル音はやや弱めに聴取出来ました。
・腹部打診上、盲腸部~下腹部~S字結腸部は濁音でしたが、恥骨直上から臍部~左季肋部にかけては鼓音でした。
・腹部触診上、腫瘤感はありませんでしたが、盲腸部~下腹部~S字結腸部にかけて極めて著明な粘土様の抵抗感がありました。また、十二指腸空腸曲や直腸部、S字結腸部(下腸間膜静脈部位)など数か所に著明な緊張と圧痛があり、特に左下行結腸はやや緊張して触れることができ、同部の押圧で押圧部位からS字結腸~左鼠径部(恥骨側とASIS側)、さらに大腿前面に放散痛が誘発出来ました。さらに回盲部の押圧でも左季肋部にかけて放散痛が誘発出来ました。肝脾腫はありませんでした。左右の恥骨結節直上にも著名な緊張と圧痛がありました。
 
 
 
➂ 治療目標と整体治療
   ⑴ 腸間膜根、上・下腸間膜動静脈、腹腔動脈の循環を回復しうっ血を解放する
   ⑵ 胃~腸の平滑筋の疲労を回復し筋ポンプ機能を回復する
   ⑶ 前・後迷走神経幹-胃神経叢の伝導を回復し胃のトーヌスを回復する
   ⑷ 上記⑴-⑶により自力排便により残留便の排出を促し残便感を回復する
   ⑸ 左鼠径部の癒着(?)を解放する

・平滑筋テクニック
・十二指腸空腸曲解放テクニック
・腸間膜根解放テクニック
・迷走神経幹/胃神経叢解放テクニック
・腸骨はがしテクニック
・直腸解放テクニック
 
 
 
 
 
④ 経過と結果・・・
・初診治療後、
「胃が数センチ上がっている感じがします」と仰っていました。

・2回目来維持、
「(起床時の)腹痛と腰痛が3割ほどましです」と仰っていました。治療後には「胃が恥骨の7~8cmくらい上まで上がっている感じです」と仰っていました。

・3回目来院時、
「(起床時の)腹痛と腰痛の位置が6~7cmくらい上に上がっていました。」と仰っていました。治療後には「胃が臍の下3~4センチくらいまで上がっている感じです」と仰っていました。また、腹部打診でも胃大彎が臍下くらいまで上昇している打診音が確認できました。

・4回目来院時、
「(起床時の)腹痛と腰痛の位置が臍の下くらいと(左右の)側腹部に移動していました。痛みは軽くなっていて5~6/10くらいです。」と仰っていました。また「下剤を飲まなくても便が出るようになり、残便感も感じませんでした。こんなこと何十年ぶりです!!」と仰っていました。治療後には「胃が臍くらいまで上がっている感じです」と仰っていました。

・5回目来院時、
「(前回の治療後)大量に便が出てから腹痛や腰痛は大分ましになりました(30年以上服用していた下剤を服用せずとも排便出来ているそうです)。胃も臍のすぐ下にある感じです」と仰っていました。視診上、腹部の膨満状態も臍より上が若干膨らんでいて、臍より下がへこんでいるように見えました。打診上も、胃の大彎が臍の高さレベルまで上昇している打診音が確認できました。

・6診目来院時、
打診-触診上での胃の下端は臍の高さで安定していました。また、「(排便は)全く調子よく出ています」と仰っていました。

・8診目来院時、
打診-触診での胃の下端は臍の上3-4cm上方にありました。Sさんは「ごはんを食べた後、お腹の膨らみが上の方にあります、こんなとは記憶にありません」と仰っていました。また、排便の調子も良く、起床時の腰痛や腹痛もほとんど感じないそうです。

・10診目来院時、
「(三日前の起床時に)一瞬だけお腹が張った感じがありましたが、すぐに取れました。それ以外、ここのところずっと調子が良く、残便感も無くスムーズに(便が)出ています。(胃の位置も)ずっと臍より上にあって、食後もお腹の膨らみが上の方にあるので、胃下垂も調子いいです」と仰っていました。この様に、胃下垂の改善についての確認は専門医での精査が必要ですが、整体院レベルでの臨床所見では上記の様にほぼ完治に近いと思われたので、本件についての治療を一応終了する事にしました。
 
 
 
⑤  今回の症例の概説、、、
◆ 胃下垂以外の原因も…骨盤内うっ血症候群の可能性 ?!
・今回の「腰痛・腹痛」の主因は、Sさん自身は「胃下垂が原因では」と思っておられましたが、確かに胃下垂も原因の一つだと思いますが、直接的には胃より大腸が関係している可能性が高いと推測できます。それは排便で解消し、残便感があると痛みが残存する事からも予想されます。

・ただ、大腸-残便だけでは腰痛・腹痛を生じさせるとは考えにくく、一番可能性が高そうな原因は「骨盤内うっ血症候群」的な機序が関係しているのでは、と考えます。その意味で、胃が恥骨直上まで下垂している事実は骨盤臓器を圧迫し、特に静脈が絞扼されると骨盤内臓にうっ血が生じやすくなるので、その意味で胃下垂も原因の一つであろう、と思われます。
 
 
 
◆ 残留便(宿便)の蓄積や永年の漢方薬服用も原因か ?!
・また、下腹部の粘土様抵抗感は”残留便(宿便)の蓄積➡骨盤内圧増加”を想像させ、それも骨盤内のうっ血の一因になっているかもしれません。

・さらにSさんは30年以上に及び漢方薬を服用されていることから、胃腸の平滑筋機能も減弱していることが予想され、それも「消化管平滑筋の筋ポンプ機能減弱」につながるので、消化管内に静脈血がうっ血する要因になりますし、ひょっとしたらその漢方薬内には腸間膜静脈硬化症を生じるような成分が含まれている可能性も高い事から、それも骨盤内うっ血に原因するかもしれません。

・以上の推測から上記「治療目標と整体治療」に掲げた施術をしたところ、初診翌日には骨盤痛が3割減、4診目治療後には痛む部位が骨盤下部から側腹部~臍付近にまで上方移動し、さらに6診目にはほぼ腰痛・腹痛は改善したので、上記仮説は概ね妥当であったのでは、と思います。
 
 
 
◆ 胃下垂原因は自律神経失調か ?!
・次に胃下垂についてですが、胃下垂も色々な原因(あるいはそれら原因の複合)で生じますので、同じ胃下垂患者さんであっても治療方法を変えたり、あるいは治癒期間に差が生じます。ですから数回でほぼ完治の症例から、中には3か月かかってもあまり改善しない難治性もあります。

・今回のSさんについては、その中でも比較的早期に治癒した症例であったと思います。整体治療前には恥骨直上まで下がっていた胃(大彎部)が2回目来院時には数センチほど上昇し、3回目来院時には臍下3-4センチまで、その次には臍部まで、と胃がトントン拍子に上昇していたからです。

・ちなみに今回のケースで、実際に施術していて一番反応があった整体テクニックは
   ⑶ 前・後迷走神経幹~胃神経叢の伝導を回復し胃のトーヌスを回復する
目的で用いた
  
・迷走神経幹/胃神経叢解放テクニック
だったのでは、と思います。
 
 
 
◆ 迷走神経幹/胃神経叢解放テクニックで胃下垂が改善 !!
・それは同テクニックの施術中、患者Sさんはずっと「グ~グ~」と鼻息をして眠りに落ちておられたからです。今回のケースに限らず、どのような症状・疾患の患者さんについても言えることですが、その部位への施術が「ビンゴ」的に的中している場合、そのほとんどのケースで患者さんが今回のSさんの様にスヤスヤと眠られるからです、。、なぜか?は分かりませんが。

・ですから今回のSさんの胃下垂の主因は、「何らかの理由により迷走神経幹➡胃神経叢➡胃の伝導が減弱して胃のトーヌス低下が生じたからでは…」と思われます。
 
 
 
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