患者Mさんは、1か月前に高層ビル屋上に行かれた時に急に気分が悪くなり、吐き気が生じたそうです。実際に嘔吐はしていませんが、しかし吐き気はビルの1階に降りてからも数時間も続いて、その日の夜更けまで吐き気が続き気分が悪かったそうです。数日後にまた同じ高層ビルに昇られた時にも吐き気が生じたそうです。その時もその日の夜更けまで長く吐き気は続いたそうです。さらにその10日後に台風が通過した時にも同様の吐き気が生じ、台風が通過して天気が回復しても吐き気が2日間も続いているので、今回の来院となりました。
・初回来院時も、2日前(台風通過時)からの吐き気が続いている状態で来院されました。
・食欲は1か月前に吐き気が生じてから低下気味だそうです。食後の膨満感は無いそうです。
・常備薬の服用やサプリ等の飲食習慣は無いそうです。
・喫煙習慣は無く、アルコールは機会飲酒だそうです。
・ゲップ、呑酸、胸やけ等は無いそうです。
・めまい-立ちくらみや耳鳴り、難聴は無いそうです。
・十数年前から後頚部のコリが慢性的にあるそうです。
・排便は2日に一度のペースで、普通の便だそうです。この1－2年、胃痛-腹痛などの既往はないそうです。
・月経周期は27日で月経期間は4-5日だそうです。
・生理痛は以前にはありましたが、数年前に受けた生理痛の治療とその後の妊娠-出産により、今はほとんど無いそうです。
・待合室から診察室まで、真っ直ぐに歩いて来られました。ロンベルクサインは陰性でした。
・顔面は少し浮腫んでいましたが、下肢のむくみはありませんでした。少し、顔色(血色)が悪く感じました。服装-身なりや化粧上の違和感も無く、表情筋の異常もありませんでした。
・眼球の触診検査で、左右とも硬度がやや増していました。視野や眼球の位置-運動に異常はありませんでした。
・脈拍は72/分で、左右橈骨動脈の左右差はありませんでした。
・手指の不随意運動や巧緻運動障害はありませんでした。また、手足の神経学検査で異常はありませんでした。
・右内頸静脈の拍動位置に異常はありませんでした。手背静脈や外頸静脈の怒張もありませんでした。
・胸部聴診上、異常な呼吸音・心音・血管雑音はありませんでした。
・胸部打診上、異常はありませんでした。
・腹部聴診上、特段の所見はありませんでした。
・腹部触診上、右の下腹部から右側腹部にかけて軽度の緊張と圧痛がありました。筋性防御や反動痛はありませんでした。
・嗄声や咳・痰・嚥下障害・労作時呼吸困難、胸痛などもありませんでした。咽頭の腫脹-発赤や甲状腺の腫脹あるいは頚部リンパ節腫脹もありませんでした。
・社会生活上の問題発生も特になく、記憶力の減退もありませんでした。
・約1年前に血液検査をしていますが、今まで血糖値・脂質値などの異常を指摘されたことは無いそうです。血圧はやや低めだそうです。
⑴ 頭蓋内圧亢進状態(?)を減弱させる
・静脈還流促進テクニック
・頭蓋仙骨療法
・初診治療直後、「(吐き気が治療開始前より)40%くらいまで軽くなっています。眼が明るく見える様になっています」とMさんは仰っていました。眼球圧迫検査で、治療前よりやや硬度が柔らかくなっていました。
・1か月半後の2診目来院時、「あれから吐き気はなく、体調もいいです」と仰っていました。
・吐き気(悪心)が生じる機序は、大きく分けて下記の六つです。
❶ 内臓からの刺激、あるいは腹膜からの刺激
急性胃炎や胃潰瘍などの消化管疾患、肝・胆・膵疾患、腹膜炎、心疾患などによる刺激が迷走神経を介して嘔吐中枢を刺激する
❷ 内耳からの刺激
内耳炎やメニエール病、あるいは乗り物酔い(動揺病)などにより、内耳から嘔吐中枢へ刺激される
➌ CTZ(☚化学受容器引き金帯)の刺激
薬物、尿毒症、妊娠中毒症、アルコール中毒、毒素(☚食中毒など)、低酸素状態などにより第4脳室にある化学受容器引き金帯(☚CTZ)が刺激され、そこから嘔吐中枢に刺激が伝わる
❹ 消化管の狭窄-通過障害
食道癌、幽門狭窄、腸閉塞、大腸癌、慢性便秘などにより消化管の通過が障害されると、嘔吐中枢が刺激される
❺ 嘔吐中枢の直接刺激
脳腫瘍、脳圧亢進、筋緊張性頭痛などにより嘔吐中枢が直接刺激される
❻ 精神的影響
神経症、ヒステリー、精神的緊張や不快な物を見た時の影響、恐怖、疼痛、抑うつ状態などが嘔吐中枢を刺激する
・そこで
⑴ 頭蓋内圧亢進状態(?)を減弱させる
・静脈還流促進テクニック
・頭蓋仙骨療法
の治療方針で臨んだところ著効を得ることができました。治療後1か月半を経て継続して安定しているので、先述の「❺についても脳腫瘍や多発性硬化症などの可能性」についても、その可能性はほぼ無いのでは、と考えます。
・ただ、もしMさんの症状が不安定で再発するのであれば、改めて診たうえで別の治療方針を立てて治療に臨むか、あるいは専門医へ紹介する手続きをするのか、「微妙な判断が必要である」と考えられる症例だと思います。
------------------------------------------------------------------------------------------
上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それではお大事にしてください。
● 治療のお問い合わせは下記まで
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
付属治療室
●診療時間 【予約制】
・午前診…10時～13時
・午後診…15時～18時
●診療日
・月曜日～金曜日
(水曜日=午前診のみ)
・第2土曜日、第4土曜日=午前診のみ
●休診日
・第1土曜日、第3土曜日、日曜日、祝日
●治療費
・初 診 7,500円
・2回目以降 5,000円
●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F
地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話 06-6180-6880
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
● 本学院-入学のお問い合わせは下記まで
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2年制整体学校
次の二つのコースからどちらかを選んで入学して頂けます。
1 本科2年課程 (一般の方が入学するコース)
2 プロコース (鍼灸師、理学療法士などのプロの方が入学かるコース)
●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F
地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話 06-6180-6880
●メールでのご相談、資料請求、体験入学…受付中
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
患者さんが通院される主な地域
大阪市、淀川区、東淀川区、西淀川区、大淀区、福島区、中央区、北区、旭区、都島区、此花区、大正区、東成区、城東区、住吉区、住之江区、平野区、守口市、門真市、寝屋川市、交野市、枚方市、東大阪市、大東市、八尾市、四条畷市、藤井寺市、柏原市、吹田市、豊中市、摂津市、茨木市、高槻市、箕面市、池田市、川西市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市、堺市、岸和田市、和泉市、泉佐野市、奈良市、生駒市、京都市、亀岡市,向日市、長岡京市、松山市、岐阜市、広島市、横浜市、東京都、和歌山市、名古屋市、北海道-札幌市、鹿児島市、島根県