急性膵炎?! みぞおちから左季肋部の腹痛と左肩の激痛の整体治療  | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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急性膵炎?!

みぞおちから左季肋部の腹痛と左肩の激痛の整体治療

2診目で、ほぼ完治した症例の解説です。 
患者Yさん=58才-男性/自営業の症例

 

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① Yさんの病歴・・・
患者Yさんが最初の異変に気付いたのは就寝中でした。その異変とは夜中に腹部の膨満感で3-4回目が覚め、その度に放屁した事だそうです。その時は痛みなども無く「たいした事は無い」と思っていたそうです。しかし、起床時には腹部膨満感だけでなく左肩にかなりの痛みがあったそうです。「そのうち痛みが引くだろう」と、その状態のまま出勤したそうですが、職場に到着するころには腹部膨満感が腹痛-背中痛に進行し、左肩痛も「激痛」に近い状態まだ悪化していたそうです。午前中とお昼のクライアントとの対応は何とかできたそうですが、夕方以降の予定をキャンセルして帰宅する頃には肩痛だけでなく腹痛-背中痛も激痛状態だったそうです。今回の「のたうち回る様な痛み-激痛」は今までに経験がない事だそうです。また、今までに特記するほどの疾患歴もありません。

 

 

 

② Yさんの診察
・左肩痛の範囲は広く、左肩峰から上部僧帽筋を中心に前面は左胸部全般に、後面は左肩甲骨周辺に、さらに左上腕前面にかけての部位だそうです。痛みで動かしづらいですが、可動域制限はありませんでした。
・腹痛の部位はみぞおちから左季肋部にかけてで、右季肋部は痛まないそうです。背中痛はL1から左横方向に長いライン状だそうです。臍部から骨盤-下肢にかけては何の異変も無いそうです。
・前夜の夕食で特段の変化は無かったそうです。喫煙歴はありませんが飲酒は週に三回-日本酒二合程度だそうです。しかし現実には例年に比べ今年は飲酒量が2-3割程度増えていたそうです。
・上記の肩痛・腹痛・背中痛は持続性の安静時痛で、痛みが軽減する姿勢等は無く、何か物でえぐられる様な痛みだそうです。痛みは少しずつ進行しているそうです(来院時は限界寸前だったそうです)。
・血圧は上が130-140mmHgの範囲だそうです(下は不明。高血圧の治療は受けていません。最近血液検査等は受けていません。)。脈は80/分でした。
・体温は平熱の36.0°だったそうです。
・便秘や下痢(便意)、悪心・嘔吐はありません。血便や吐血もありません。
・ゲップ、胸やけ、呑酸もありません。
・食欲は激痛の為にないそうですが、健康飲料水は普通通りに飲水することができ、それによる痛みの増悪や軽減、あるいはその他の症状の発現は無いそうです。
・尿は普段通りに排尿があり、量や色等に変化はありません。排尿痛もありません。排便は朝の出勤前に少量出たそうです。
・めまい、冷汗、頭痛、呼吸困難などはありません。顔色も蒼白やチアノーゼはありませんでした。怒張三徴や下肢の浮腫はありませんでした。
・胸腹部の聴診上、呼吸音、心音の異常、あるいは大動脈の血管雑音はありませんでした。グル音は弱音ですが全般的に聴取出来ました。亢進部分はありませんでした。ハム音もありませんでした。
・腹部打診上、全般的に濁音と鼓音がありました。トラウベ三角は鼓音で肝脾腫はありませんでした。また、肝叩打痛、腎叩打痛、脾叩打痛、膵叩打痛もありませんでした。

・腹部触診上、まず筋性防御や反とう痛は無く、踵落とし試験や項部硬直(髄膜刺激徴候)も陰性でした。腹部触診検査では、まずS字結腸付近に緊張と圧痛がありました。ただ、ランツ点や回盲部~腸間膜根を含む、その他の大腸-小腸部位に緊張・圧痛・腫瘤感はありませんでした。肝臓下縁は鋭・弾性軟で平滑でした。胆嚢-胆管の腫脹-圧痛もありませんでした。上腹部に腫瘤感はありませんでしたが、左右肋骨弓中央部下縁の深部で腫瘤感があり、同部への刺激で主訴が誘発できました。特に左肋骨弓下縁の深部に著明な腫脹(弾性軟・平滑・ピーナッツ大)と圧痛がありました。
・左上肢のしびれ感は無く、感覚異常もありませんでした。痛みの為に手や腕が使用しにくいですが、筋力低下や巧緻運動障害もありませんでした。
・病的反射は陰性で、頸椎の可動域制限、あるいはジャクソンテストなどでの症状の誘発・増悪はありませんでした。

 

 

 

③ 治療目標と整体治療
    
⑴ 膵静脈~脾静脈~門脈の血流回復
・左肋骨弓下縁深部に著明な腫脹(弾性軟・平滑・ピーナッツ大)付近の平滑筋テクニック

 

 

 

 

④ 経過と結果・・・
・初診施術中、
診察時に触診できた「左肋骨弓下縁深部に著明な腫脹(弾性軟・平滑・ピーナッツ大)」が消退していき、同部の圧痛も軽減していきました。ただこの段階で、肩や腹部の痛みの軽減はありませんでした。さらに治療を継続していると、左肋骨弓下縁の深部から右肋骨弓下縁の深部にかけて「横長に細いひも状の索状物感(☚えんぴつ様)」をYさんは数分間ほど感じたそうです。


・施術終了直後は痛みに変化はなく、激痛が続いていました。しかしその数分後にYさんが帰宅の準備等をしている段階で肩と腹部・背中の痛みが次第に軽減していき、半分程度にまで減じていったそうです。


・二日後の二診目来院時、「(初診治療後)家に着くころには腹痛(背中痛)や肩痛はほぼゼロ近くまで解消していました。」と、Yさんは仰っていました。(☚ここまで早期に回復することは良い方での想定外でした)
二診目も初診と同様の整体治療を施術して終了としましたが、その時「実は、10年以上前から上腹部(今回の主訴部位)にずっと違和感を感じていたんですよ」と、報告を受けました。しかし「今はその違和感も無くなっています」と仰っていました。

 

 

 

⑤  今回の症例の概説、、、
・今回のYさんの腹痛の原因は不明です。当然、主訴-病歴から生命に関係する病態の可能性もある為、慎重な診察が必要で、状況によっては専門医への紹介を判断しなければならない症例であったと思います。その点を視野に入れ、改めて原因を考えると、上記診察から少なくとも動脈瘤や心筋梗塞などの可能性は低い、考えました。


・さらに緊急性を要する病態として、胃潰瘍の穿孔や急性膵炎、腸閉塞、急性腹症などの可能性もありますが、それらの可能性は診察所見から低いと考えました。結局、Yさんの病態は非常に急性膵炎に近い病態と思いました(☚左肩痛は膵炎の関連痛として有名)。ただ不思議なのは、痛みが上腹部の中央から左半分しか無い事でした。言い換えれば、右半分は痛みが無いという事です。ですから、もし膵炎であれば膵臓全体の炎症等ではなく、左半分の膵炎(?)という事になります。


・そこで膵臓の左半分と関連ある組織-臓器を考えた結果、その原因部位は「膵静脈-脾静脈」にかけての部位で、同部位で何らかの理由で静脈閉塞が生じ、膵臓の左半分が浮腫性の炎症を生じたからでは、と推定しました。なぜなら膵臓の左半分(☚みぞおち~左季肋部痛部位)は膵静脈から脾静脈系の静脈還流部位だからです。

 

 


・ちなみにこの「膵静脈-脾静脈」の部位は、Yさんが施術中に感じた「左肋骨弓下縁深部から右肋骨弓下縁深部にかけて横長に細いひも状の索状物感(☚えんぴつ様)」の部位と同じ部位です。おそらくこの索状物感は、閉塞されていた同血管の血流が施術により再開した時の「血流の感触」であったのでは、それをえんぴつ様の索状物感、と感じたのではと推定します。そして、この血流再開により,膵臓の浮腫が軽減していったのでは、と推定します。

 

・また膵臓の右半分は「上腸間膜静脈系の静脈還流」の支配部位で、「膵静脈-脾静脈」支配とは異なる流域なので、Yさんに右季肋部の痛みが生じていなかったと考えられ、これも前出の仮説を支持しているのでは、と考えました。


・患者Yさんは「最近酒量が増加している」との事でしたので、そのアルコールによる膵炎の可能性も捨てきれません。しかしアルコール性であれば普通膵臓全体が炎症で痛むでしょうから、Yさんの様に「左半分だけの痛み」ではなく、右側も含む上腹部痛を起こすと思われます。


・ですから、とりあえず上記仮説部位に「左肋骨弓下縁深部に著明な腫脹(弾性軟・平滑・ピーナッツ大)」があったので、その腫脹が膵静脈~脾静脈の血流を阻害しているのでは、それが膵臓を浮腫性に腫脹させているのでは、と推定し、またその腫脹が平滑筋テクニックで解消できそうな感触(☚平滑筋の緊張の可能性)だったので、同部へ施術しました。

 


・上記仮説の是非はともかく、膵臓が浮腫んでいるのであれば、当該臓器の静脈還流を回復-促進してあげれば、その浮腫はある程度解消し腹痛等も軽減するのでは、と考えた事も、施術を決断した理由の一つでした。

 

・最初に記したように本件の原因は不明ですし、また生命に関係する可能性もあるので、患者Yさんの病態を常にモニターしながら、そして少しでも悪化傾向が出たら専門医へ紹介する姿勢で治療に臨んだことは、言うまでもありません。同時に、症状が解消したとしても隠れた病態が有るかも知れませんので、念のため禁酒と、早めに専門医での精査を勧めて、とりあえずの治療終了としました。

 

・繰り返しになりますが、本件の原因は不明ですし、また生命に関係する可能性もあるので、患者Yさんの病態を常にモニターしながら、そして少しでも悪化傾向が出たら専門医へ紹介する姿勢で治療に臨んだことは、言うまでもありません。同時に、症状が解消したとしても隠れた病態が有るかも知れないので、Yさんには念のため禁酒と、早めに専門医での精査を勧めて治療終了とした。当院は慢性患者が大半だが、緊張する急性患者の患者例もたまにあります。

 

・Yさんの三つの愁訴「「左肩痛・腹痛・背中痛」の原因は、本当には分かりません。しかし当院は「膵静脈~脾静脈による膵臓の左半分の腫脹」が原因とにらみ、少し危険でしたが、これは「整体治療が適応する」と考え、施術しました。ただ当院が原因とにらんだ「膵静脈~脾静脈による膵臓の左半分の腫脹」は、Yさんが治療終了後に仰った「実は、10年以上前から上腹部(今回の主訴部位)にずっと違和感を感じていたんですよ」と同じ部位です。そして治療が終了するとYさんは、その部位が「スッキリしました」と仰っていたのも、事実です。やはり何か関係がありそうです。

 

・今回のYさの症例の様に、原因不明の腹痛(FD)に、意外と静脈うっ血が関連している症例は多いのでは、と感じます。動脈うっ血は急性に進行-悪化し、早急な治療が必要ですが、静脈のそれは比較的緩慢だからだす。「動脈うっ血は危険だが、静脈うっ血性の症例は緩慢に経過するので安全」とは言いません。しかし静脈性は緩慢な経過である事が普通だから、いわゆるFD患者の様に、整体などに来院されるケースは、動脈性よりは多いのでは、と思います。

 

・静脈性は緩慢な経過である事が普通だから、FD患者の様に、整体などに来院するケースは、動脈性よりは多い、、、その意味で、今後もFD患者等に対しては、(動脈性に注意しつつ)静脈性の原因-治療を研究していきたい、そう思います。

 

 

 

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