北アルプス 白馬三山
ブログ上の 3冊目の本ができた。「旅に出て」の 2冊目に当たる。これまでに掲載したエッセイから33篇を選び、小さなタイトルで分けてそれぞれに簡単な説明をつけた。「どれを読んでみようか」というときに役に立てばと思う。
近々 「旅に出て」 の 3冊目も出すつもりだが、こうしてこれまでの文章を整理していると、まだ文章になっていないいくつもの心に残る旅のあれこれがしみじみと思い出される。
コロナ再流行の兆しがみられ、またまた不自由な生活となり、新しい旅がしにくい世の中になるのは何とも悲しいことだ。コロナとの戦いには一日も早い勝利を、人間たちの戦争・争い・対立は一日も早い解決を願うばかりだ。
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旅の芭蕉
旅立ち…深川の芭蕉庵を旅立った芭蕉が最初の宿場千住に着いて
石の美術館と遊行柳…「奥の細道」の途中芦野宿(栃木県)の遊行柳に立ち寄る
旅に病みて…大坂で病み、弟子たちに囲まれて亡くなった芭蕉は、死後も琵琶湖畔まで旅をした
戦争と平和
戦争から平和へ…戦争中は軍人の銅像のあった三宅坂に今は3人の裸婦像が立つ
未来を信じ…立命館大学(京都市)にある本郷新制作の “わだつみ像” をめぐって
安曇野ちひろ美術館…「世界中のこどもみんなに平和としあわせを」と願っていたちひろの美術館
シャルトルにて…ドイツの占領から解放されたシャルトルでの有名なキャパの写真をめぐって
石川啄木
釧路の石川啄木…釧路で職を得た啄木の、当地での生活と東京へ行く決意をめぐって
東京の石川啄木…金田一の友情と援助に助けられた啄木の苦悩に満ちた東京での日々
永井荷風
偏奇館のことなど…東京の下町を愛した荷風が戦災にあうまで住んだ山手の洋館のことなど
ある坂道の不思議…荷風も歩いた偏奇館に通じる細い坂道の不思議と発見
會津八一
わたつみの…八栗寺(香川県)の銅鐘銘文と歌に生涯最後の努力を注いだ八一のこと
むさしのの…八一の 3回忌に建てられた法融寺(東京都)の歌碑と八一ゆかりの人たちのこと
落合の芸術家たち
落合の画家たち…落合にアトリエを構えた佐伯祐三や中村彜のこと、八一と彜をめぐって
落合の文士たち…落合に住んで活動した林芙美子や尾崎一雄ら文学者のことなど
小田原にて
透谷と小田原…小田原出身の北村透谷の移転を重ねた記念碑や墓地のことなど
な だ れ…スイスの山で遭難、帰国後小田原で高山植物の研究をしていた辻村伊助を襲った悲劇
パリを訪ねて
悲しい愛の物語…ロマン・ロランの小説とロダンの彫刻における純愛と悲劇の物語をめぐって
パンテオン…多くの偉人たちが眠るパンテオンを訪ね、屋根からパリの町を眺める
一遍上人
鎮魂の遊行…承久の乱に敗れて遠く陸奥(岩手県)に眠る祖父通信の墳墓に参る一遍
熊野にて…熊野本宮で神(化身)の導きで信仰を確立した一遍のこと
四天王寺…聖徳太子ゆかりの四天王寺に参り、念仏札を配り始めた一遍
備前福岡の市…一遍を追いかけてきた吉備津宮の神官らとの福岡の市での緊迫の場面
旅に出て
くじら墓…山口県の青海島で出会ったくじら墓と金子みすゞの詩をめぐって
陽関に立つ…中国の漢代に西の涯、西域への入口とされた陽関と小さな村を訪ねる
各駅停車の旅
厳寒の伊那路…南アルプスと天竜川に沿うJR飯田線(辰野―豊橋)の全線に乗る
三江線に乗る…廃線の決定を聞き初めてで最後のJR三江線(三次―江津)の旅に出る
山を楽しむ
笹尾根を歩く…東京都・神奈川県・山梨県境の長い尾根を4回に分けて老友と歩く
私の尾瀬物語…初めての秋の尾瀬と、残雪の会津駒ケ岳に登った時のこと
私の尾瀬物語 2…尾瀬に咲く花と尾瀬の自然を守るために尽した人たちのこと
酒を楽しむ
奇跡の盃…酒を愛してやまなかった牧水愛用の盃が火葬後に骨と一緒に現れた話
消えた酒蔵…灘の酒蔵白鹿を訪ねた直後に阪神淡路大震災で崩壊した酒蔵のことなど
一人旅一人酒…旅と酒を愛した吉村昭や池内紀のことなど