こちらの記事で紹介したK子さんのお話です。
↓
私が嫁いだ家の人達がどれだけ常識がなく、どれだけ頭がおかしいか・・・
といった事はもう十分理解して頂けたのではないかと思いますが、
K子さんが嫁いだ家の舅姑もなかなかの人達でした。
私はK子さんの舅姑の言動を実際に見聞きしていたので
「私も大変だけどK子さんも相当苦労してるはず」と思ってはいたんです。
でもある年の冬・・・
事件は起こりました。
K子さんの姑から私に突然電話が。
「ウチのK子そちらにお邪魔していませんか？
」
「いいえ、いませんけど。何かあったんですか？」
「K子が家を飛び出して行ってしまったんです
上着も着ないで裸足のままで」
「は！？だって今真冬ですよ！？
しかも裸足ってどういうことですか！？」
「お父さんとちょっとケンカになっちゃって」
後でK子さんに聞いて分かったことですが
つまり、こういうことでした。
3人目の子供を妊娠中で、臨月だったK子さん。
わんぱく盛りの幼児2人を面倒みていて
しかもお腹が大きいとあっては大変でないわけがありません。
ところがそんなK子さんに対し、
いつものように意味不明なインネンをつけてきた舅。
もう疲れ切って心身共にヘトヘトだったK子さんは
返事もせず黙っていたといいます。
すると突然・・・・
何だその顔は！！
ふてくされた顔しやがって！！
嫁の分際でふざけるな！！
そう叫ぶと、いきなりK子さんに殴りかかってきたとのこと。
頭を思い切り殴られて身の危険を感じたK子さん、
舅を両手で思い切り押したところ、舅がよろけて尻もちをついたので
その隙に家を飛び出したんだそうです。
だから上着を着る余裕も、靴を履く余裕もなかったというわけです。
K子さんの姑に
「とにかく今からK子さんのことを探しに行きます。
もし見つかったら連絡しますので」と伝えて電話を切り、すぐ外へ。
ひどい・・・・
こんな今にも雪が降りそうな真冬に上着も着ないで靴も履かないで
家を飛び出さないといけないような事をするなんて・・・
しかも臨月なのにひどすぎる・・・
こんなのあんまりだ・・・
K子さんを必死に探しながら私の胸は
言いようのない怒りで今にも爆発してしまいそうでした。
K子ちゃん、一体どこに行ったの？
気持ちは十分わかるけど、お腹の赤ちゃんに何かあったらどうするつもり？
お願いだから早く帰ってきて。
祈るような気持ちでK子さんを探し回っていると、
前方の道を横切るK子さんの姿を発見！！
「K子ちゃ～ん！！」と大声で叫ぶと、立ち止まってこちら振り向いたK子さん。
その顔は真っ青で、目は鬼のように吊り上がっていました。
そんなK子さんに必死で駆け寄り
「K子ちゃん！心配したのよ！」と言ったその時、
「K子！」
と叫びながら近づいてくる舅の姿が。
「ああ、こんな野蛮なジジイでもさすがに心配して探し回っていたのか」
と思った次の瞬間・・・！！
「この野郎！！」
K子さんに向かって手を振り上げた舅。
それを見た時、私の中で何かがブチッ！とキレる音が。
K子さんを殴ろうと振り下ろしてきたその腕を掴むと
「やめなさい！この大バカ者！」
と言って舅の顔面に思い切りパンチを入れ
「お嫁さんに暴力を振るうってどういうつもりなの！？
しかもK子さんのお腹には赤ちゃんがいるのに！！
アナタは最低の人間よっ！！」
ぶっ倒れている舅に向かって吐き捨てるように言ってやりました。
「お、お父さん！
」と言いながら慌てて駆け寄ってきた姑に
「今この人K子さんのことを殴ろうとしたんですよ！？」
「申し訳ないですけど、今あなた達の家に帰すわけにいきません！」
「K子さんのご主人が帰ってくるまでウチでお預かりしますので！」
そう言い残し、K子さんを連れて私の家に帰ったのでした。
全身が氷のように冷たくなっていたK子さんの体を温めるために
暖房の温度を上げて、体に毛布を巻いて足湯をさせ
ホットミルクを飲ませてあげました。
そしてその3時間後、
事情を知って慌てて仕事を早退しウチに迎えに来たK子さんの夫。
私が見聞きしたことを全て話すとK子さんの夫は
「そんなことが・・・」と呆然とし、
「こんなにご迷惑をおかけしてしまってすいませんでした。
今日のことは両親にちゃんと言っておきますので」というので
「ちゃんと言ってくださいね。もしまた同じような事があったらその時は警察に通報しますから」と脅かしておきました。
「警察沙汰になどなったら国家公務員として致命的」ということを見越しての脅し文句です。
こんな腰抜け男じゃ、ここまで言わないと両親に説教なんかできるはずないんですから。
結局この数年後、まず私が先にこの町からいなくなり
その後、K子さんも離婚してしまうことになったわけですが
私やK子さんがした苦労というのは
普通の人が当たり前のようにする苦労ではなかったので
これはもうどうしようもなかった事だと思っています。
それにしても、こうやって昔のことを思い出しながら書いていたら
「私って自分のことより人のことの方がパワーが炸裂するんだな～」
ということに改めて気づきました
自分の方がよっぽど酷い暴力を振るわれていたのにね（苦笑）
良く言えば「お人よし」
悪く言えば「お節介」・・・っていうとこでしょうか。
でも世の中こういう人も必要ではないかと
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