私には『どうしても許せない言葉』というものがいくつかありますが、
この言葉を言う人に関しては「お前ちょっとこっち来い」です。
妊娠・出産は病気じゃない
つわりは病気じゃない
つわりで苦しんでいる人や、難産で苦しんでいる人に対し
この言葉を何の疑問も持たず平然と言える人って絶対に以下の5通りの人だと思うんです。
①男性
②つわりが軽かった(もしくはなかった)女性
③出産が軽かった(楽だった）女性
④つわりも出産も軽かった女性
➄妊娠出産経験のない女性
でも言わせてくださいね。
お前らにそういう口きく権利一切ないから
妊娠悪阻や難産が「病気じゃない」というなら、病気の方がホント全然マシです。
大袈裟な話ではなく「地獄を見る」ってああいうことだと思っています。
第一子(長女)を妊娠した直後から出産するギリギリまで
私は重症の悪阻に苦しめられました。
それは今まで経験したことがない吐き気で、
食べ物も飲み物も受け付けない日が毎日毎日続いたんです。
その上、頭痛・めまい・耳鳴りも酷く、体がふらふらして立っていることさえできず
タオルで口を押えて、ただただ横になっているしかありませんでした。
経験のない方はちょっと想像してみてください。
二日酔いや乗り物酔いって半日だけでも辛いじゃないですか。
でも、もしその二日酔いと乗り物酔いが合体したような吐き気が
何週間も何ヶ月間も、毎日毎日、１日中続くとしたらどうしますか？
アナタだったら耐えられますか？
泣かずにいられますか？
気が変にならずにいられますか？
答えは絶対に『NO』のはずです。
でも、そんな私の様子を見た、姑・舅・夫は
私の体を気遣うこともなく、こんな言葉を吐き捨てました。
全くだらしがない！
妊娠出産は病気じゃないし
つわりだって病気じゃないのに
家事もしないで毎日毎日ゴロゴロしやがって！
この役立たずめ！
あー、本当にウチは貧乏くじを引いた！
つわりで病院に行ったなんていう事が近所に知られたらみっともないから病院には行くな！
そして、とにかく「食べろ食べろ」と食べることを強要するんです。
「吐いたって少しは栄養が残るんだから無理してでも食べろ」と攻め立てられました。
当時私はまだ２４歳と若く、妊娠出産に対する知識がほとんどなかったこともあって
「確かに食べなかったらお腹の赤ちゃんが死んでしまう」と思い、
「少しでも食べられそうな物を食べよう」と頑張ってみたのですが
頑張って食べても、食べたそばから全部を吐いてしまいます。
それでも「食べろ食べろ」と強要されて「仕方なく無理に食べては吐く」を繰り返した結果、
私は１日中吐いて吐いて、水さえ飲めない状態になったんです。
私は１日中吐いて吐いて、水さえ飲めない状態になったんです。
胃に何も入っていないのに吐くというのは想像を絶する苦しさを伴いました。
胃の中に吐く物が何も入っていないのに吐き続けたところ胃液を吐くようになり
その胃液さえ吐き切ってしまった時、遂には胃の粘膜まで吐き出してしまい私の胃はパックリと切れました。
大量の血を吐いた私は意識を失い、トイレの中で倒れました。
救急車で病院に運ばれた時、私の目はもうほとんど見えておらず、
「耳は聞こえない、口もきけない」という状態で、
連絡を受けて飛んできた私の母が必死に私の名を呼んだそうですが、全く何も覚えていません。
後で母に聞いたところによると、取りあえずすぐに血液検査をしたそうで、
結果が出るまでの間、母は主治医と話をしていたらしいんですが、そこへ検査結果を持った若い医師が登場。
でも何やら様子がおかしく、真っ青な顔をしていて
「あの・・・先生・・・これ・・・・」と、震える手で主治医に検査結果を渡したところ、
それに目を通した主治医が「ん？何だこれは？」と顔をしかめてこう言ったそうです。
こんな数値で人が生きていられるわけがないだろう！
これが本当だったらもうとっくに死んでるよ？
もう一度すぐに検査し直して！
すると、若い医師が泣きそうな顔をして
違うんです先生！
こんなはずないと思ってもう一度検査し直した結果がコレなんですっ！
それを聞いた瞬間、立ち上がって叫ぶ主治医。
おい！は、早くっ！
集中治療室っ！
急いでっっっ！！
こうやって私と娘の命はギリギリのところで救われたのでした。
今こうやって明るく元気なアラカンやっている自分と、30過ぎてまだ食べ盛りやってる娘スゲー（笑）
