元夫の正体を見てしまった私に元姑が言ったこと『元夫と元舅姑が私に仕掛けたワナ⑦』

初めての方はこちらからご覧になると話の内容が分かりやすいかと思います。
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人の本性や『裏の顔』というものを見抜く特殊な能力を備えていた親友のN子。

そんなN子に元夫のことをコテンパンに言われた私は
言葉に出来ないほどのショックを受けながらも心の中ではこう思っていたのでした。

N子の凄さは誰よりも私が一番よく分かってる。
今までN子の言ったことに間違いはなかった。

でも今回だけは違う。
〇〇君(元夫)がそんな人のはずがない。
そんなこと絶対にあるわけない。

〇〇君の疑いを晴らすためにも
結婚して幸せな姿をN子に見せてあげなきゃ！

ところが、この２ヶ月後

デート中に起きたあるアクシデントによって
夫は悪魔のような本性を私に一瞬見せてしまったのです。

いつものように元夫の高級外車でデート中だった私たち。

元夫はハンドルを握りながら夢中になって色々な話をしていました。

とにかく、知り合ってから式までの間があまりに短かったため
元夫から「自分はこういう環境で育ってこういう風に生きてきた」という話や
「今までにこんな出来事があった」という話を聞けることは私にとって有難い事だったのですが
この日は元夫があまりに話に夢中になっていて(ちょっと運転が危なっかしいかも・・・)と思っていたんです。

繁華街に入ると、とたんに車が混雑してきてノロノロ運転に。

そして某百貨店の角を曲がって真っ直ぐ進んでいた時、
信号のない横断歩道を一人の老人男性が渡ってきました。

その老人は小雨が降る中、傘をさしうつむいた状態で
左右をよく見ずいきなり渡ってきたのです。

そして話に夢中になっていた夫も前方をきちんと確認していなかったため
老人が横断歩道を渡ってきていることに気づいていませんでした。

危ないっっ！！

私の叫び声で反射的にブレーキを踏んだ元夫。

人通りや車が多くノロノロ運転だった事もあり
ギリギリのところでその老人と接触することは避けられたのでした。

ところが、急ブレーキに驚いて顔をあげた老人は

自分の体ギリギリで止まっている元夫の車を見るや否や
自分がさしていたカサを閉じ、その傘で車のボンネットを叩いたんです。

すると、そのとたん見る見るうちに表情が変わっていく元夫。

般若のような顔をして車から飛び出したかと思ったら

コノヤローッ！

と怒鳴りながらその老人の胸ぐらを掴み
今にも殴り掛かるような仕草を見せたのでした。

え！？

これが〇〇君！？

ウソでしょ！？・・・・

車の中で呆然としている私に気づいた元夫はまたまた表情が急変。

いつもの穏やかな表情でニコニコと笑いながら

ごめんごめん！
びっくりさせちゃったね。
ちょっとこの人と一緒に近くの交番に行ってくるから
車の中で少し待っててくれる？

そう言うと、
「テメエ！こんな事してただで済むと思うなよー！」とわめきたてる老人を引きずりながら人ごみの中に消えていったのでした。

待つこと約20分。

戻ってきた元夫は先ほどとは打って変わって上機嫌でこんな事を話し出しました。

いや～、もう参ったよあの爺さん。
昼間っから酒飲んで酔っ払ってて警察官もあきれ顔だった(笑)
俺が免許証と名刺だしたら「あ、〇〇家の方なんですね」って（笑）
「気をつけてお帰りください」ってすぐに話が済んじゃったよ(笑)

そしてそれを聞いた私はこう思いました。

笑いとばしちゃうんだ？

自分だって悪かったくせに。

相手がガラの悪い酔っ払いの老人だったのをいい事に

名刺出して自分の家の権力を誇示して

「自分は何も悪くない」っていうことにしちゃったのね。

まさかこんな人だったとは・・・・

これがこの人の本性なの？

でも私の口から実際に出たセリフはこう。

そうなんだ。
でも〇〇君も運転には気をつけてね。

事故になったら大変でしょ？

目の前で事故になりそうな瞬間を見たせいか
何だか気分が悪くなってしまったみたい。
もう今日はこのまま送っていってもらえる？

家に帰った私は眠ることが出来ず、その日あった事を一晩中考えていました。

「あの時の〇〇君は絶対におかしい。尋常ではなかった」
「もしかしたら本当にN子が言った通りなのかもしれない」

という気持ちと
「そんなわけない。そんなこと有り得ない」
「大事な車をいきなり傘で叩かれたら誰だって頭に血が上るのが当然」

「男の人なんて大体そんなもんなんだろうし」

という気持ちが交差し、悶々とした一夜を過ごした私。

すると翌日、なぜか元姑から突然電話が・・・

今朝、息子から聞きました。
もう少しで事故になるところだったんですってね。
それでアキさんが具合が悪くなってしまったと聞いたんですけど
お加減の方はいかがですか？

ご心配をおかけしてすみません。
でももう大丈夫です。
今はすっかり元気になりました。

ああ、良かった！
ワタクシもう本当に心配してましたのよ！
嫌な目に遭わせてしまってごめんなさいね～！
でも息子も全然元気がないの。
自分が一生懸命働いて貯めたお金でやっと買ったばかりの車に傷をつけられたショックと
ついカッとなって相手の方を怒鳴ってしまったショックでとても落ち込んでますの。
アキさんもさぞかし驚いたでしょう？

ええ、ちょっと驚きましたけど・・・

今までそんな事全くなかったのにワタクシも驚いてますのよ。
でもきっと仕事の方でも毎日プレッシャーと戦っていますので
きっと色々な不安やストレスが溜まっていたんだと思います。

あ、確か〇〇会社の代表取締役になられたんですよね？

ええ、そうですの。
あの若さでの就任でしょう？

そのせいで周りからとやかく言われてしまうんです。

でも「必ず認めて貰えるようにする」と言って毎日必死に頑張っておりますの。

ですからどうかアキさん、息子を支えてあげてください！

よろしくお願い致します！

そんな・・・もちろんです、お母様。

心配なさらないでください。