皆さま、おばんです！
花巻駅と釜石駅を結ぶ全長約90キロの釜石線。
かつては古い木造駅舎が点在していた路線でしたが、
一昨年の春に宮守駅が改築、ついに
小山田駅と土沢駅と小佐野駅のわずか３駅だけになってしまいました。
今回はその中から小佐野（こさの）駅の訪問記をいっちゃいます。
さーて、この駅舎を見て何か変だと感じた方はなかなか鋭いですよ！
通常、駅の出入り口は駅舎の側面に設けられるモノですけど、
小佐野駅は妻面に出入口がありますの。
これには大きな理由がありまして、
現在は駅前を拡幅された国道283号線が横切りますが、
昭和40年まではここを、釜石市内の鉱石輸送を担ってた
富士製鐵専用線が延びていたからなのですよ。
駅の正面に線路があったため、
それを避けるために出入口を妻面に設けていたのですね。
こちらは昭和23年に撮影された航空写真。
当時は国鉄釜石線の全通前で
専用線は前身である釜石鉱山鉄道の時代でした。
写真に、駅前を横切る線路が写っているのがわかりますかね？
当時の釜石鉱山鉄道は旅客営業も行っており、
国鉄釜石線の小佐野駅の東隣には
釜石鉱山鉄道の小佐野駅もあったようです。
モータリゼーションの進行により国道は拡幅されることになり、
専用線は昭和40年に廃止されてしまいましたが、
小佐野駅は今も、鉱山鉄道があった当時のままの姿でいたのですよ。
駅舎の右手側にでっかな上屋がありますけど、
これは、釜石線の利用者が鉱山鉄道の踏切待ちをするために
設けられたモノのはず。
そんなことから、小佐野駅は市街地で唯一、
鉱山鉄道の面影が残るスポットだと思うのですが…他にもあるのかな？
古い駅舎ですけど、
中はグレー系を基調にしたシックな装いに改装されてました。
みどりの窓口も元気いっぱいに営業中！
駅舎を抜けてホームに入ります。
その前に…
釜石線特有のエスペラント表記の駅名標、
小佐野駅にももちろんありましたよ。
小佐野駅は[Verda Vento(ヴェルダ・ヴェント：緑の風)]らしい。
「みどりの窓口」ならクスッとくるのですが、なぜ緑の風？
構内踏切を渡ってホームにイン。
小佐野駅は列車の行き違いが可能な島式ホーム１面２線構造でした。
さてさて、ここから先はごく一部のお仲間さんにしか共感してもらえない、
オタクなつぶやきの始まりです。
以前、ブログで釜石線・岩手二日町駅の訪問記を挙げた際に、
ハエタタキ（虫をひっぱたくアレではなく、駅間の通信で用いる
架空裸線路支持柱のことです）の碍子で出来た花壇のことを書きましたが、
小佐野駅にもあったのですよ。しかも山のように！
これですよコレ。形は似てますけど徳利ではありません。
しかもコレ、製造年をよ～く見ると…
1938年！？今から83年前のヤツ？
こっちは衝撃の1927年製っすよ！
ここでひとつの疑問が。
小佐野駅を含む、国鉄釜石線が開業したのは昭和25年ですので、
この碍子は付近の国鉄線で使われていたモノではないはずです。
だとすると、釜石鉱山鉄道～富士製鐵専用線で使われていたモノなのか？
そうだとしたら、とても貴重な代物だと思うのですが…。
そんな碍子が、小佐野駅のホームには山のようにありますの。
小佐野駅の駅長さん、こんな貴重なモノを転がしていて大丈夫です？
そんなことで、今回も
時間があっという間に過ぎ去ってしまった小佐野駅の訪問記した。
世の中には、いろんな趣味を持つ方がいらっしゃいますけど、
碍子専門の方もきっといらっしゃるのでしょうね。
碍子は駅便のようなメジャーな趣味ではないと思いますが…
えっ、駅便もメジャーじゃない？
↑（花巻駅方面）
宮守駅（平成26年11月30日） ・新駅舎（平成29年３月14日）
小佐野駅（平成27年３月３日）
↓（釜石駅方面）
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