Little Big Horn

先住民の大部隊がリトル・ビッグ・ホーンに集結している。その状況を知らないカスター将軍の部隊が同地に向かおうとしている。
その状況を知らせるためにドンリン大尉はリンカーン砦を出発した。だが数々の困難が襲い掛かる。


製作年:1951,監督:Charles Marquis Warren,脚本:Charles Marquis Warren,Harold Shumate


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

フィリップ・ドンリン大尉(ロイド・ブリッジス)
セリー・ドンリン(マリー・ウィンザー)
ジョン・ヘイウッド中尉(ジョン・アイアランド)

◆ 補足

マリー・ウィンザー出演だが、登場場面は少ない。

「リトルビッグホーン/Little Big Hornの戦い」は1876年6月25日、モンタナで発生した実際の戦い。先住民側の呼称は「グリージーグラス/Greasy Grass川の戦い」。カスター将軍も実在の人物。
 


■ あらすじ

◆ ドンリン大尉の妻は浮気

1876年、騎兵隊のフィリップ・ドンリン大尉はモンタナ準州のエイブラハム・リンカーン砦に勤務していた。「準州/Territory」は州に昇格する前の地域。

妻のセリーはジョン・ヘイウッド中尉と浮気しており、キスしているところを夫に見られても平然としている。

セリーはヘイウッドに「除隊して二人で暮らしましょう」とせっついている。

◆ リトル・ビッグ・ホーン

現在はいわゆる「グレート・スー戦争」の最中である。スー族を中心とした先住民の多人数の部隊がリトル・ビッグ・ホーンに集結している。

イエローストーン砦にいるカスター将軍は、この状況を知らずに数百人の部隊でリトル・ビッグ・ホーンに向かおうとしている。

もし先住民の部隊と衝突すれば、まったく勝ち目はない。

ドンリンの任務は、この状況を将軍に知らせることである。

ドンリンは配下の部隊を率いて出発した。

◆ 命令の変更

だがドンリンの部隊にリンカーン砦に戻るように命令の変更がなされた。

それを伝えるためにジョン・ヘイウッドの部隊がいくことになる。

ヘイウッドはセリーが希望している除隊ではなく、転勤の申請をし、それをセリーに伝えて、ドンリンの部隊を追いかけた。

◆ ドンリンは命令を無視

ヘイウッドはドンリンに追いついた。だがドンリンは「将軍に事態を知らせることが重要」と命令を無視した。

しかたなくヘイウッドも同行する。ドンリンの方が上官なので、ドンリンが指揮を執る。

◆ ドンリンは強行軍をさせる

ドンリンは「急がないと間に合わない」という理由で、部下に強行軍をさせる。

僅かな睡眠時間を除いて夜中も行軍する。

ヘイウッドとは、セリーとのことも含めていがみ合う。殴り合いさえする。

兵士たちは、強行軍に不満を述べる。

◆ 先住民の攻撃が続く

その間にも先住民の攻撃が続く。犠牲者が出るが、先を急ぐとの理由で埋葬もさせない。動けなくなったケガ人を放置していく。

ある場所で幌馬車隊が襲撃されて全員が死亡していた。その犠牲者の中には隊員の婚約者がいたのだが、婚約者に泣いて抱き着いている隊員を急かした。

このような状況で、部隊の中には不満が溜まっていく。ヘイウッドは、その不満を代弁して嫌味を言う。

それでもドンリンは、強行軍を進める。

◆ ドンリンは死亡した

リトル・ビッグ・ホーンの近くまで来た。ここからカスター将軍に知らせに行けば、将軍の部隊は助かる。

だが先住民の総攻撃を受けて、ついにドンリンも負傷した。

自分の命はないと判断したドンリンはヘイウッドに指揮権を譲って、後のことを頼んで息絶えた。

非情な指揮官ではあったが、隊員たちはドンリンに敬礼した。

ヘイウッドはわずか数人となってしまった隊員を率いて出発した。

だがまた先住民の襲撃を受けた。激しい銃撃戦が展開され、騎兵隊は全滅し、カスター将軍には情報は伝えられなかった。

◆ 補足

本作では示されないが、その後、カスター将軍の部隊は、先住民部隊に包囲殲滅される。

カスター将軍の伝説は「アメリカ軍が体制を整える時間を稼ぐために、リトル・ビッグ・ホーンで敢えて不利な状況で決戦を挑んだ」というもの。これは将軍の妻エリザベスが作った偽説であると言われている。
 


■ 出演作

◆ ジョン・アイアランド
(1946)荒野の決闘/My Darling Clementine
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1948)赤い河/Red River
(1949)ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/The Walking Hills
(1950)誇りを汚すな/THE RETURN OF JESSE JAMES
(1948)脱獄の掟/RAW DEAL
(1946)目覚めと夢/Wake Up and Dream
(1951)復讐の谷/VENGEANCE VALLEY
(1958)暗黒街の女:マフィアと弁護士とダンサー/Party Girl
(1949)地獄への挑戦:ジェシー・ジェームズを撃った男/I SHOT JESSE JAMES
(1949)ギャングに追いかけられた男/Mr. Soft Touch

マリー・ウィンザー
(1948)悪の力/苦い報酬/Force of Evil
(1956)現金に体を張れ/The Killing
(1952)その女を殺せ/THE NARROW MARGIN
(1949)地獄の銃火/Hell Fire
(1953)月のキャットウーマン/Cat-Women of the Moonton
(1956)女囚大脱走/SWAMP WOMEN
(1952)マンモスの逆襲/The Jungle
(1952)アウトローの女・女強盗団の酒場/Outlaw Women
(1950)贋札造りのリル/Dakota Lil
(1963)火星からの侵略/The Day Mars Invaded Earth
(1955)女性美術商殺人事件/No man's woman
(1957)リゾート連続殺人事件/The Girl In Black Stockings
(1955)二挺拳銃の女/Two-Gun Lady
(1954)ハワイ犯罪地図/Hell's Half Acre
(1950)フレンチー:殺された父親の仇/FRENCHIE
(1950)石油採掘権と遺言書と殺人事件/Double Deal
(1949)バシュフル盆地のブロンド美人/The Beautiful Blonde from Bashful Bend
(1953)眠らない町/City That Never Sleeps