■ No man's woman
キャロリンは夫のハーローと別居して美術商をしている。離婚するつもりはない。
ハーローはルイーズと同居しているが、キャロリンが離婚に応じないので結婚できない。
そんな中でキャロリンが殺される事件が発生した。


製作年:1955、監督:Franklin Adreon、脚本:Don Martin、John K. Butler


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 キャロリン・エレンソン・グラント(マリー・ウィンザー) 美術商、夫とは別居
 ハーロー・グラント(ジョン・アーチャー) 夫、会社経営
 フィリップ・グラント(ダグラス・ウッド) ハーローの父
 ルイーズ・ネルソン(ナンシー・ゲイツ) ハーローの愛人、ハーローと同居

 ベティ・アレン(ジル・ジャーミン) キャロリンの秘書、ディックの恋人
 ウェイン・ヴィンセント(パトリック・ノウルズ) 美術評論家
 ディック・ソーヤー(リチャード・クレイン) ベティの恋人、釣り船の所有者
 ヴィージニア・ギリス(Fern Hall) ボートヤードで働いている女性

ジル・ジャーミンとマリー・ウィンザーは「(1956)女囚大脱走/SWAMP WOMEN」で共演。

■ あらすじ

◆ キャロリンは美術商

キャロリン・エレンソン・グラントは夫のハーローと別居した。結婚前からやっている美術商の仕事をしている。

オフィス兼住居の二階建ての建物。秘書としてベティ・アレンを雇っている。「Carolyn Grant Studio」で「素晴らしい絵画と彫刻」という看板がかかっている。

また美術評論家のウェイン・ヴィンセンが出入りをしている。

仕事はそれなりに順調である。

◆ ハーロー・グラント

夫のハーロー・グラントは、父親から譲り受けた会社を経営している。

キャロリンが去った屋敷には父親がいる。母親はもうすでに死亡している。

そしてもう一人が同居している。ルイーズ・ネルソン。言ってみればルイーズは愛人である。

キャロリンとの離婚が成立すれば結婚するつもり。父親も認めている。

だがしかし、キャロリンはハーローと離婚するつもりはない。かといってよりを戻すつもりはさらさらない。ハーローの財産目当てとも思われるが、キャロリンの意図は不明である。単なる嫌がらせとも考えられる。

ハーローもルイーズも困っている。

◆ トラブル

キャロリンの周りにトラブルが発生する。一つはヴィンセント。取引のことで意見が対立してヴィンセントに激しい言葉を投げつけた。ヴィンセントは怒って出て行った。

近くにボートヤードがある。ディック・ソーヤーが所有する船に乗って沖に出た。一日中船の上。キャロリンは常にニコニコ。

キャロリンにしてみれば若い男性とちょっと遊んでみたかったのかもしれない。ともかく、キャロリンなりに楽しんで戻って来た。

船を下りてディックにキスしようとして拒否された。キャロリンはディックを引っ叩いて立ち去った。

実はディックはベティの恋人である。ディックから話が行ったのかは不明だが、ベティは「仕事を辞めたい」と言い出した。

またルイーズがキャロリンを訪ねて来て離婚を要求するが拒否した。

ベティはアパートを訪ねて来たディックを追い返した。ディックがキャロリンと会っていたことを怒っている。

ハーローは酒場に入り浸っている。

◆ キャロリンが殺された

キャロリンはかなり自分勝手な人物ではあるが、しかしこの程度では、取り立てて悪人であるとは言えない。

夜、キャロリンは寝ていたが、物音がするので起きた。部屋から出て階段の上に来た。

下から拳銃で撃たれた。キャロリンは階段を転がり落ちた。その後にガラスを割れる音がした。

◆ 誰が犯人か?

警察の捜査が行われた。大袈裟に言えば、キャロリンに恨みを持ってい人物は何人かいる。

だがしかし、それぞれ検討して見れば、殺人を犯すほどの恨みではない。こんなことで殺されていれば、世の中は殺人事件だらけである。

あえて言えば、離婚を拒否されて結婚できないハーロー。あるいは相手のルイーズというところだろうか?

◆ 手がかり

警察の必死の捜査にも拘わらず犯人は不明である。と言いながら警察はあまり真剣に捜査してる風でもない。

使われた拳銃はオフィスのキャロリンのデスクの引き出しあったものである。

キャロリンが撃たれた後にガラスが割れる音がしているのだが、これは我々にしか分かっていない。しかしこれを考えると犯人は先にオフィスに侵入したはずである。

オフィスの入り口のカギ、ベティが持っているのは当然であるが、実はハーローもヴィンセントも持っている。なので、ルイーズやディックがカギを使えても不思議ではない。

◆ 意外な犯人

一番熱心に事件を調べ始めたのは、一番動機がありそうなハーローである。彼は、他の人々のアリバイを調べたり、町の人々に聞いて回った。

ハーローとルイーズがオフィスを調べていた。ルイーズが二階にいるときに、ハーローがガラスを割ると、音に驚いてルイーズが二階から飛び出してきた。それでハーローは窓ガラスが割れていたのは犯人の偽装であると判断する。

ベティはキャロリンが死んでしまったので、必然的に退職することになる。自分の私物を二階に上がって取りに行った。

その間にドアを開けて入ってきた人物がいる。ヴィンセントっ!ヴィンセントはキャロリンのデスクから書類を探している。

ベティが二階の部屋から出てきた。ヴィンセントを見た。ヴィンセントもベティを見た。ヴィンセントは拳銃を取り出して構えた。

ベティは部屋に飛び込んでカギをかけて電話をした。電話は一階のオフィスのものと共通で、ここから内容を聞くことができる。ヴィンセントは電話線を切断した。

そこにハーローが入ってきた。ハーローは拳銃を跳ね飛ばし、ヴィンセントと格闘した。

ここで今までサボっていたのではないかと思われていた刑事が飛び込んできた。ヴィンセントを逮捕した。

ハーローとルイーズは一緒になることができそうである。
 


■ 出演作

◆ ジル・ジャーミン
(1955)讃美歌と拳銃/THE TWINKLE IN GOD'S EYE
(1955)女性美術商殺人事件/No man's woman
(1956)女囚大脱走/SWAMP WOMEN
(1957)アパッチと騎兵隊/War Drums

マリー・ウィンザー
(1948)悪の力/苦い報酬/Force of Evil
(1956)現金に体を張れ/The Killing
(1952)その女を殺せ/THE NARROW MARGIN
(1949)地獄の銃火/Hell Fire
(1953)月のキャットウーマン/Cat-Women of the Moon
(1956)女囚大脱走/SWAMP WOMEN
(1952)マンモスの逆襲/The Jungle
(1952)アウトローの女・女強盗団の酒場/Outlaw Women
(1950)贋札造りのリル/Dakota Lil