■ Outlaw Women
酒場パラダイスは、実は女強盗団の拠点である。リーダーは経営者のメイ。
また酒場で得られた有用な情報をフランク一味に流す。その情報を元にフランク一味も強盗をして、上がりの一部がパラダイスに流される。
ある時メイはフランクに偽情報を流した。それをきっかけに二つのグループは対立関係となる。


製作年:1952、監督:Sam Newfield、Ron Ormond:脚本:Orville H. Hampton


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)
◇ パラダイス関連
 アイアン・メイ・マックロード(マリー・ウィンザー) 経営者
 ドラ(マリア・ハート) 用心棒
 ベス・ララビー(カーラ・バレンダ)
 エレン・ララビー(ジャクリーン・フォンテイン) ダンサー、ベスの姉
 ダンサー(コニー・セゾン)
 ダンサー(ポーラ・ヒル)
 ダンサー(ダイアン・フォーティア)
 ダンサー(アンジェラ・スティーヴンス)
 ダンサー(ヘイゼル・ニールセン)
 バーニー(ビリー・ハウス) パラダイスのバーテン
 四人組楽団(-)

 ボブ・リッジウェイ(アラン・ニクソン) 医師
 ウッディ・キャラウェイ(リチャード・ローバー) メイの知人
 ロジャー・ディクソン判事(ライル・タルボット)
◇ フランク・スレイター関連
 フランク・スレイター(リチャード・アヴォンデ)
 サム・バス(レオナルド・ペン)
 ジョン・リンゴ(ライリー・ヒル)
 手下たち

サム・バスとジョン・リンゴはフランクの手下ではないがフランクに協力する。
 


■ あらすじ

◆ 概要

本作は普通の映画とは違って、登場人物が、ほぼ全員が悪人である。全体的にはコメディっぽい展開で、わりとスイスイとストーリーが進む。

◇ パラダイス

メイは酒場「パラダイス」の経営者。パラダイスでは10人くらいの女性がダンスを披露している。ダンスをしないのはメイ、ドラ、ベス。

その一方でメイも含めて彼女たちは実は強盗などを働く悪人である。ただし強盗を働く場面は、ベスとエレンが一回ずつだけ。

メイのグループの下に強盗を働く数人の男性グループがいる。

◇ フランクグループ

ウッディはメイの知り合い。こちらは特に悪人ではない。金をもっていてメイに事業を誘いかけている。

フランクは強盗一味を率いている。フランクももともとメイとは知り合いで、またメイに言い寄っている。もちろんメイは相手にしない。

酒場なのでメイにはいろいろな情報が入ってくる。それをフランクに流している。フランクはそれを元に仕事をする。成果の一部はメイに流される。

だがフランクのグループとメイのグループは、何かと対立している。

◇ 銃撃戦

最後には両グループが道路を挟んで壮絶な銃撃戦となる。きっかけはメイがフランクに偽情報を渡したから。

パラダイスのダンサーたちは、ダンス衣装のままで拳銃やライフルを撃ちまくる。ウッディとボブが味方する。

フランク側にはサムとリンゴが味方する。全体的にはパラダイス側有利の展開。

銃撃戦の最中にメイとウッディはキスする。ベスとボブもキスする。何やってんねん。

フランク側は、銃撃戦の最後で、一部メンバーが横からパラダイスの二階に潜入して、金庫を爆破して金を盗って逃げようとする。

しかし金を持っているメンバーが銃撃されて金は盗られないで済んだ。

◇ ラスト

メイは引退してウッディと一緒になる。ベスもボブと一緒になる。四人は当地を立ち去る。パラダイスがどうなるかは知らないが。

◆ アイアン・メイ・マックロード

だいたいはオフィスで事務処理ばかりしている感じ。途中で新入社員女性が数人入ってきて訓示をする。一応ダンサーとして入ってきているのだが、裏の仕事(本来の仕事?)の話もする。彼女たちは顔を見合わせる。

マリー・ウィンザーは身長が177cmあって、わりと荒っぽい役をしているが、その役目は本作ではドラが引き受けている。

(1949)地獄の銃火/Hell Fire」では、列車強盗で懸賞金がついており、またトラブった夫を射殺している。

◆ ボブ・リッジウェイ医師

パラダイスがあるところとは別の町にいるときに、銃撃戦が発生してケガをした人を治療する。この中の一人にベスがいる。

駅馬車で移動している時に、山の中で襲撃される。犯人はベスと手下男性。

金を盗られて、御者と他の乗客は釈放されるが、ボブはパラダイスがある町に連行される。ベスは小柄なので、どちらが連行しているのかよく分からないが。

理由は1.医師であること、2.ベスがボブを好きになったため。

その後はパラダイスの中でブラブラしている。もちろん負傷者の手当てもする。

◆ ベス

ダンスはしておらず、いつもスボン姿でガンベルトをしている。いやいやボブの前ではドレスを着たりする。

酒場の中で銃撃戦があって右肩を撃たれる。ベスは争いとは無関係で流れ弾が当たった。居合わせたボブに治療してもらう。ただし肩に絆創膏を張るだけ。既述。

その後ボブなどが乗った馬車を襲撃する。既述。

メイに指示されてフランクの居場所を探しに行く。アジトにはフランクはいなかったが、サム・バスを含めて三人がいた。

ベスは簡単に捕らえられる。二人が出かけてサム・バスと二人になり、サム・バスに襲われる。

なんとかビンで頭を殴って逃げ出す。馬は奪われているので、ケガをした状態で歩いて戻る。

注、ベスにフランクの居場所を探させるのは、メイの判断ミスと言っても良い。複数で行かせるか、もっと屈強なメンバーを行かせるべき。

◆ エレン

ステージでダンスを披露している時に、ベスとボブが入ってくる。エレンはボブを見ながらダンスをする。

エレンはボブの前で咳をする。実は仮病。ボブは胸に聴診器を当てて診察し「どこも悪くない」と言う。すると「実は頭も痛いの、診てちょうだい」と言う。こちらも「悪くない」との診断。

ベスがボブを好きなのは知っているので「あなたは可愛い妹だけど、この問題は別よ」と宣言。その後ベスとボブのことで殴り合いをする。

エレンが強盗の場面。馬車が荒野を走っている。別の馬車が止まっていた。故障しているようで、一人が車輪を見ている。停止して近づくと、立ち上がって拳銃を突き付けた。これがエレン。

銃撃戦でフランク側が二階の金庫爆破の時に部屋に、阻止しようとして飛び込んで撃たれる。だが無事。

◆ ドラ

パラダイスの用心棒ないし警備係。ベスと同じくスカートは穿かない。

何かトラブルが発生すると男性であっても実力で制圧する。ベスとエレンが喧嘩した時も二人を引き離して制圧。

ベスがケガをして戻って来た時は、軽々と抱え上げて二階に駆け上がり、ボブに手当てをしてもらう。

パラダイスに入る時は拳銃は預けるルールになっている。サム・バスが来てルールに従わない。ドラはサム・バスを投げ飛ばす。

投げられて一回転したサム・バスは拳銃を抜こうとするが、すでにガンベルトは取り上げられていた。注、ドラとベスだけはガンベルトをしている。

当時は黄燐マッチが使われていて壁などで擦っても着火する。ドラはタバコを吸う時、自分の歯でマッチを擦って着火する。他にタバコを吸うのはメイのみ。

最後にメイが立ち去るときに「店はどうするんだよ」と呟く。

◆ バーニー

パラダイスの外で、パラダイスの悪行を大声で批判していた。しかしエレンに脅されて、その後は大人しくパラダイスのバーテンを努める。
 


■ 出演作

マリー・ウィンザー
(1948)悪の力/苦い報酬/Force of Evil
(1956)現金に体を張れ/The Killing
(1952)その女を殺せ/THE NARROW MARGIN
(1949)地獄の銃火/Hell Fire
(1953)月のキャットウーマン/Cat-Women of the Moon
(1956)女囚大脱走/SWAMP WOMEN
(1952)マンモスの逆襲/The Jungle
(1952)アウトローの女・女強盗団の酒場/Outlaw Women