■ Las Vegas Shakedown
ラスヴェガスのカジノに三組の夫婦と数学教師が来る。彼らはカジノに来て、仲直りをしたり、また人生が変わったりする。
それとは別に刑務所から出所したギャングがカジノ経営者に逆恨みして復讐に来る。


製作年:1955、監督:Sidney Salkow、脚本:Steve Fisher


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)
 ジョー・バーンズ(テニス・オキーフ) カジノ経営者
 ジュリア・L・リー(コリーン・グレイ) 数学教師

 アル・シラーゴ(トーマス・ゴメス) 悪党
 手下(ロバート・アームストロング)
 手下(?)

 アーネスト・ラフ(Charles Winninger) 銀行役員
 メアリー・ラフ(Elizabeth Patterson) 妻
 ホイーラー・レイド(James Millican)
 ドロシー・レイド(Dorothy Patrick)
 ミルトン・ドーリー(Frank Hanley)
 メイベル・ドーリー(Mary Beth Hughes)

◆ 解説・補足

本作はカジノを舞台にした五つのストーリーが展開する。ギャングの襲撃、数学教師と三組の夫婦。

ギャングの襲撃が一見メインストーリーのようでもあるが、実はそうではないのだろう。

他のストーリーは大袈裟に言えば、カジノを訪れた人物の人生が変わる物語である。

■ あらすじ

上記のように五つのストーリーが含まれており、それらがサンドイッチで展開するので分かりにくい。それぞれを分離して説明する。

◆ 夫婦のどちらかがカジノで負ける

これに該当するのは二組の夫婦。私には夫婦が入れ替わっているだけで、同じストーリーに思える。

◇ ホイーラー・レイド&ドロシー・レイド

レイド夫妻は二人一緒にカジノに来る。夫が賭けをする。負けているので、妻が心配そうに声をかける。

夫は「心配ない」と応答する。しかしやっぱり負ける。ドロシーは「子供のことはどうするの?」

ついにホイーラーは「一緒にやり直そう。また頑張るよ」と言う。

二人は抱き合ってカジノから立ち去った。

◇ ミルトン・ドーリー&メイベル・ドーリー

ドーリーは夫妻は妻メイベルの方がカジノに来る。メイベルはずっと負け続ける。

負けが3000ドルとなって、経営者のジョー・バーンズに泣きつく。正規のルールで勝負したものなので、当然相手にされない。

「夫にどのように説明するか?」と泣いている。

夫のミルトンがカジノに来る。状況を掴む。二人はホテルの部屋でヤケ酒。

メイベルが不正をして勝った。当然見つかる。オフィスに連れていかれる。

ここでメイベルがミルトンに謝って二人は仲直り。ジョーにお礼を言って立ち去る。



二夫婦とも負けた金をどうするのかは、我々が知ったことではないが、ともかく夫婦は仲直りをした。

◆ アーネスト・ラフ&メアリー・ラフ

アーネストは銀行の役員である。二人でラスヴェガスに来た。夫婦仲は良さそうな感じ。

二人ともヴェガスは初めてである。そして賭け事をするのも初めて。

アーネストが賭けるのをメアリーがそばで見ている。アーネストは勝ち続けた。

結局15000ドルの勝ち。

ジョー・バーンズのオフィスに行った。「運が良かった」というとジョーは「システムを逆転させた」と褒める。

そしてアーネストは「金は要らない」と言う。メアリーは不思議な顔をするが、すぐに納得する。

三人は話して「先住民のミッションスクールに寄付しよう」と言うことになる。ジョーはさっそく部下に指示をした。

二人は「これから・グランドキャニオンにいく」と立ち去った。

◆ 数学教師

数学教師のジュリア・L・リーはラスヴェガスに来た。ギャンブルに関する本を書くためである。予めジョー・バーンズと会う約束を取り付けている。

ジュリアは強いメガネをかけていて、いかにも性格が固いという雰囲気である。服もタイトスカートのスーツ。

カジノのホテルに来た。予め頼んであった水着が届いた。露出が多いので気になるが、仕方ないのでそれを着ることにした。

その水着でプールにいるとジョーが来た。ジョーに褒められて恥ずかしそうである。

夜はレストランで会った。今までマジメに過ごしてきたのだが、カジノを見て戸惑っているようである。

カジノの近くにあるジョーの屋敷に行った。ジョーとは個人的なことも話した。

ジョーはジュリアを気に入ったようでキスをしようとする。おくてのジュリアはたじろいだ。

それ以降はホテルではなく、ジョーの屋敷に住み着いた。服装もヒラヒラしたドレスを着た。

◆ ギャング

アル・シラーゴは刑務所を出た。かつてジョーとトラブったことがある。

警官が来てシラーゴが出所したことをジョーに「注意するように」と知らせた。

当のシラーゴは手下二人とカジノに近いアジトにいる。

手下二人をカジノのオフィスに差し向けた。拳銃を向けるが、スキを見てジョーは拳銃を叩き落した。

格闘になったが二人が相手なので殴られて気を失った。

その時にいたジュリアが知らせて警察が来た。手下は逃げ出した。

警察はシラーゴ一味を手配した。シラーゴ一味は逃げ出して、別の建物の中に隠れた。

シラーゴは威張っているが、手下の信頼は得ていないようである。

「車を持ってこい」と言ったところで、自分たちだけに危険なことをさせるので口論が発生した。

三人が車で逃げていくが、検問があったので、シラーゴは後席の下に隠れた。

行き止まりとなり車を捨てて逃げ出した。サイレンが聞こえてきた。一人が撃たれて倒れた。

もう一人の手下が助けようとするが、シラーゴは「ほおっておけ」と逃げ出した。

二人は鉄道の貨物ヤードに逃げてきた。シラーゴは貨車の中に隠れた。もう一人も撃たれた。

ジョーも自分に関係したことなので拳銃を持ってシラーゴを探しに来た。

シラーゴは貨車を抜け出して倉庫の上に上った。ジョーが追いかけた。

シラーゴは拳銃の弾を撃ち尽くした。ジョーが追い詰めたが、シラーゴは警官に射殺された。

駆けつけたジュリアはジョーに抱き着いた。
 


■ 出演作

◆ デニス・オキーフ
(1948)脱獄の掟/RAW DEAL
(1947)Tメン/T-Men
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1950)ローラー・コースターの女/Woman On The Run
(1947)退職した女/Dishonored Lady
(1957)ドラゴン砦の決戦/Dragoon Wells Massacre
(1955)ラスベガス事件/Las Vegas Shakedown


◆ トーマス・ゴメス
(1944)幻の女/Phantom Lady
(1947)征服への道/Captain from Casile
(1948)キー・ラーゴ/Key Largo
(1948)悪の力/苦い報酬/Force of Evil
(1947)桃色の馬に乗れ/Ride the Pink Horse
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1948)アリゾナの嵐/Angel in Exile
(1948)迷路/カスバ
(1955)ラスベガス事件/Las Vegas Shakedown

コリーン・グレイ
(1945)ステート・フェア/State Fair
(1947)悪魔の往く町/Nightmare alley
(1947)死の接吻/Kiss of Death
(1953)アリバイなき男/Kansas City Confidential
(1948)赤い河/Red River
(1956)現金に体を張れ/The Killing
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(1951)アパッチの太鼓/Apache Drums
(1950)大病院殺人事件/The Sleeping City
(1957)生血を吸う男/ヴァンパイアー/The Vampire
(1958)地獄の五時間/俺に近づくな/Hell's Five Hours
(1960)ヒル女の恐怖/The Leech Woman
(1961)幻の惑星/The Phantom Planet
(1955)讃美歌と拳銃/THE TWINKLE IN GOD'S EYE
(1953)南部魂は消えず、立ち向かう男/THE VANQUISHED
(1955)ラスベガス事件/Las Vegas Shakedown