■ Angel in Exile
チャーリーは出獄し相棒のアーミーと隠してあった砂金をとりだした。しかし仲間であったマックとカールに見つかって等分することになった。
さらに鉱山の登記官のヒギンズも加わって、砂金をあたかも、隠し場所で採掘されたかのように細工した。
チャーリーは土地の娘のラケルと恋仲になった。その地は、貧しく、さらに衛生状態がよくないのでチフスが発生した。
チャーリーは砂金を土地の人々のために使うことを考える。


製作年:1948、監督:Allan Dwan、Philip Ford、脚本:Charles Larson


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 チャーリー・デイキン(ジョン・キャロル)
 アーミー・クーンズ(アート・スミス)
 エスタビン・チャベス医師(トーマス・ゴメス)
 ラケル・チャベス(アデル・マラ) チャベス医師の娘
 イシドロ・アルヴァレズ(アルフォンソ・ベドヤ) 元鉱夫
 保安官(グラント・ウィザース)
 J.H.ヒギンズ(ハウランド・チェンバレン) 登記官
 マックス・ジョージオ(バートン・マクレーン)
 カール・スピッツ(ポール・フィックス)
 


■ あらすじ

◆ チャーリーは出所した

1939年。カリフォルニア。チャーリー・デイキンは出所した。相棒のアーミー・クーンズが車で迎えに来ていた。

二人は車に乗っていくが、後ろからつけられている。マックス・ジョージオとカール・スピッツ。

元は仲間であったが、チャーリーとアーミーは二人から分け前を横取りをした。

アーミーは「ブツは安全な場所にある」という。ブツとは100万ドル相当の砂金。

チャーリーは拳銃にメモを入れて隠した。

◆ マックスとカールに捕まる

二人の車は追跡してきた車に捕まり拳銃を突き付けられた。ある家に連れ込まれた。

ブツがある場所を追求される。拳銃に弾を一発だけ入れる、いわゆるロシアンルーレットで脅されて、ついに「コネチカット州にある」と白状した。

マックスは「コネチカットに行くぞ」と言うが、チャーリーが持っていた拳銃からメモが発見された。「モンタナ州のクレーマー牧場」。

マックスとカールはメモの情報を信用して車を走らせたが、それに疑問を持った。方向を変えてチャーリーとアーミーを追跡した。

◆ 公有地管理局で登記する

チャーリーたちはアリゾナ州の公有地管理局に行った。デュランゴ鉱山の採掘権を申請した。

登記官のヒギンズは「この鉱山はもう廃鉱になっており、金はでない」と忠告する。

二人は、そのことは承知の上なので落ち着いた態度。そのような態度にヒギンズは疑問を持つ。ともあれ登記は終了した。

マックスたちはチャーリーたちの車を追跡していたが、山道に入ったので、彼らの車では追跡できず、戻ってヒギンズと話した。

マックス「我々から大事なものを盗んだ」ヒギンズ「妙だなと思いました」と展開し、ヒギンズは「やっぱり」と言う顔をした。

◆ デュランゴ鉱山に到着した

チャーリーたちは目的地に到着した。デュランゴ鉱山。ボロボロの小屋。そして坑道がある。

荷物を下ろしてさっそく坑道に入ろうとする。しかし中に人がいるようである。

中から女性とロバが現れた。女性の名前はラケル。「ポコが中に迷い込んだの」と言う。ロバの名前らしい。ラケルの父親も来た。チャベス医師。

二人とも友好的な雰囲気である。しかし採掘をすると言うとチャベスは驚いたようだが「作業員が必要なら、サンガブリエルにくればいい」と言った。岩山地帯の上に町があるとのこと。

◆ ヒギンズが来た

二人は坑道の中に入って隠されていた砂金を点検した。布袋に分けて入れられている。

外にでるとヒギンズがきた。探りを入れている雰囲気である。「きた理由を知りたいでしょ」。

チャーリーとヒギンズが話す。後ろでアーミーが拳銃を持っている。ヒギンズは専門家であって、よく事情を知っている。

単に砂金を取り出しても疑われる。ここで採掘したと見せかける方がよい。それを政府に買い取ってもらう。私ならば可能。

このように提案した。そして「分け前は半分」と要求した。渋ると「犯人として引き渡せば10万ドルの賞金」が入ると脅した。

さらにアドヴァイス。ここで採掘したことにするには、砂金をすりつぶして、他の不純物を混ぜる必要がある。なので数人を雇う必要がある。作業用の容器も必要。

帰っていくヒギンズをマックスたちが見ている。

◆ チャーリーはサンガブリエルに行く

チャーリーがチャベスを訪ねた。少女を治療している。ラケルがチャーリーを招き入れた。

訪問したのは、鉱山での作業者を手配するため。ラケルの案内でイシドロという人物に会いに行く。元は鉱夫とのこと。

イシドロは「あそこにはもう金はない」と言う。話が回りくどいが、協力してくれることになった。

用事が終わってラケルと散歩した。二人とも楽しそうである。ここでラケルはサンガブリエルの現状を話した。

まず貧乏な人ばかり、水が清潔ではなく病気の元になる、新しい井戸を掘る金がない。

それからラケルは「青いドレスの女性」の話をする。「敬虔なスペイン女性の霊」で300年前のドニャ・マリア・コロネル。ここでは有名な霊だそうである。

その女性に頼むと願いが叶うとのこと。ラケルは「父親の病院を人々に役立つものにしたい」と言った後、「私自身は恋ができるようにお願いする」。

◆ 作業が行われる

デュランゴ鉱山に戻ってくると、マックスとカールがいてアーミーが捕らえられていた。殴り合いになるが結局脅されて、利益を山分けすることになる。

チャベスやイシドロやさらに集めた作業者が訪ねてきた。小屋の中でアーミーが拳銃を突き付けられているので、チャーリーは二人を「共同経営者」と紹介した。チャベスは疑っている様子である。

後ほどヒギンズも含めて利益は五等分ということになった。

毎日作業者が来て、作業が進められた。

補足。元は袋に入った砂金であって、これを鉱山から採取されたものと偽るので、採取された状態にするには、別途作業が必要だと思われる。この作業をどうしたのかは不明。

この間にマックスがラケルに言い寄って、チャーリーが殴り倒す事件なども発生する。

ともあれすべての作業が終了した。

ヒギンズは役所の用事があって町に行く。マックスとヒギンズは「二人がいなくなれば、三等分でいい」という話をする。ヒギンズは出発した。

◆ 町ではチフスが流行っている

チャーリーはサンガブリエルに行った。ラケルを訪ねていくとチャベスは診療に行っていた。そして「チフスが流行っている」。

作業終了なのでラケルは「もう終わりなのね、連れて行って」と言う。それに対してチャーリーは怒る。理由は「自分が実は犯罪者であって、ラケルを騙しているから」である。ラケルは納得できない様子。

そこで「マリアが危篤」との知らせが入った。

チャベスは「残念ながら、見込みはない」ようなことを言う。そして以前にラケルから聞いたことではあるが「問題は貧しいこと、水がない、病院設備がない、教育もない、不衛生、栄養失調」と並べる。

◆ しかしチフスが治った

さらに「イシドロが重症」との知らせが入る。知らせてきた少女が「デイキンさんも来て」と言う。

補足。画面では表示されないが、イシドロはチャーリーが例の「青いドレスの女性」を見たと思っている。

イシドロの頼みに応じて、チャーリーは、その女性を見た時の状況を話す。注、実は勝手に想像したもの。

後光が刺していた、嵐の後の夕日のようだった、目は星のように輝いていた、などなど。

しばらく話して、そのままにしているとチャベスは「峠は越えた」と話した。

その話は住民の間に広がった。チャーリーは出かけて行って話す。さらにチフスから恢復する人が出てくる。

また応援医師が訪ねてくる。チャベスとともに予防接種をする。

チフス禍は去った。

◆ 保安官を呼んでもらう

チャベスは「君には感謝してもしきれない」と言う。しかしチャーリーは後ろめたい気持ちがある。

チャーリーはチャベスに「頼みがある。三十分後に保安官を呼んでくれ」と言う。チャベスは「彼らは怪しい奴だと思っていた」と答える。

「私(チャーリー)を通報すると。報奨金が出る。それをサンガブリエルに贈る。井戸を掘って、診療所を立てろ」。

チャベスは「これを使え」と言って拳銃を渡した。

◆ マックスは倒れてチャーリーは逮捕された

チャーリーは鉱山に戻った。ヒギンズも戻ってきた。ヒギンズはすぐに分け前を要求した。

分け前を貰って出ていくが、マックスに後ろから撃たれた。

それを見てアーミーは、溜めていた金をばらまいて逃げ出した。車まで走って、隠してある拳銃を取り出した。

マックスと撃ちあいになり、アーミーは倒れた。

チャーリーが来た。マックスは拳銃を向けたが弾切れ。二人は殴りあった。マックスが勝つかに思えたが、倒れていたアーミーがマックスを撃った。

保安官とチャベスが来た。チャベスは「私が貸した拳銃は使われていない」と証言した。

チャーリーは「山小屋に10万ドルある。私の通報の報奨金は先生に渡してくれ」と保安官に頼んだ。

ラケルが馬で来た。抱き着く。「すべてが変わった」「何も変わらないわ」「俺は泥棒だ」「愛は止められない」。

保安官は「君を逮捕しなきゃならん」と言ってチャーリーを連行した。
 


■ 出演作

◆ アート・スミス
(1950)孤独な場所で/In a Lonely Place
(1947)真昼の暴動 Brute Force
(1948)忘れじの面影/Letter from an Unknown Woman
(1947)桃色の馬に乗れ/Ride the Pink Horse

◆ トーマス・ゴメス
(1944)幻の女/Phantom Lady
(1948)征服への道/Captain from Casile
(1948)キー・ラーゴ/Key Largo
(1948)悪の力/苦い報酬/Force of Evil
(1947)桃色の馬に乗れ/Ride the Pink Horse
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1948)アリゾナの嵐/Angel in Exile

◆ アルフォンソ・ベドヤ
(1952)征服者/California Conquest
(1950)海賊ブラッドの逆襲/FORTUNES OF CAPTAIN BLOOD
(1949)テキサス決死隊/Streets of Laredo

◆ バートン・マクレーン
(1937)暗黒街の弾痕/You Only Live Once
(1941)ジキル博士とハイド氏/Dr. Jekyll and Mr. Hyde
◆ ポール・フィックス
(1944)拳銃の町/Tall in the Saddle