~お盆のきゅうり・なす~
お盆は13日から16日、地方によって違いがあります。
先祖の霊が家に帰ってくるといわれ、
13日には道中が暗くないように「迎え火」を焚き、
早く帰ってこられるように串などで足をつけて
早馬に見立てたきゅうりを供えます。
16日に先祖が帰るときは「送り火」を焚き、
ゆっくりと引き留めたい気持ちを込めて、
歩みののろい牛に見立てたなすを供えます。
これはその昔、神々の乗り物として供えられたきゅうり馬、
なす牛が、しだいにお盆の乗り物へと
引き継がれたからといわれています。
地域によっては「お迎えは馬で、お送りは牛で」とするところや、
「ご先祖さまは馬の背に乗って、荷物は牛の背にのせて」
とするところもあります。いずれにしても、
当時最高の乗り物であった牛と馬に乗せて送り迎えしようという、
ご先祖さまへの敬意が込められているんですね。
また、お盆は昔から、商家などの奉公人や嫁いだ女性が
実家に帰ることができる数少ない休日で、
家族や親族が集まって亡き祖先をしのびながら食事をし、
憩う貴重な時間でもありました。
現在でもお盆休みに家族や親戚で集まり、
過ごす方が多いのはその名残でしょう。