【若紫32-3】古文単語「そこら」☆
こんにちは。このブログは
源氏物語イラスト訳「古文単語」のカテゴリです。
古文単語には、
1.とにかく丸暗記して覚える
2.漢字やイメージで覚える
3.文脈判断で決める
などの覚え方があります。
今回は古文特有のイメージ古語です♪
【今回の源氏物語】
「…そこらはるかに、いかめしう占めて造れるさま、さは言へど、国の司にてし置きけることなれば、残りの齢ゆたかに経べき心構へも、二なくしたりけり。
――――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――――
■【そこら】…そんなにも。それほどひどく
■【はるかに】…ナリ活用形容詞「はるかなり」連用形
※【はるかなり】…ずっと遠くだ。遠くまで続く様子
■【いかめしう】…シク活用形容詞「いかめし」連用形ウ音便
※【いかめし】…盛大である。立派である。おごそかである
■【占め】…マ行下二段動詞「占む」連用形
※【占(し)む】…居住地として占有する。敷地とする
■【て】…単純接続の接続助詞
■【造(つく)れ】…ラ行四段動詞「造る」已然形
■【る】…完了の助動詞「り」連体形
■【さま】…様子
■【さは言へど】…そうは言っても
■【国の司(くにのつかさ)】…国司。国守。地方官
■【にて】…資格の格助詞
■【し置き】…カ行四段動詞「し置く」連用形
※【し置く】…しておく
■【たる】…完了の助動詞「たり」連体形
■【なれ】…断定の助動詞「なり」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【残りの齢】…残りの人生。余生
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【齢(よはひ)】…年齢。人生
■【豊かに】…ナリ活用形容動詞「豊かなり」連用形
■【経(ふ)】…ハ行下二段動詞「経」終止形
■【べき】…可能の助動詞「べし」連体形
■【心構(こころがま)へ】…心の準備。心づもり
■【も】…強意の係助詞
■【二なく】…ク活用形容詞「二なし」連用形
※【二なし】…またとない。二つとない
■【し】…サ変動詞「す」連用形
■【たり】…完了の助動詞「たり」連用形
■【けり】…過去の助動詞「けり」終止形
◇ 今回は「し」にも注意しましょ♪
―――――――――――――――
☆ 本日の古文単語「そこら」 ☆
―――――――――――――――
「…そこらはるかに、いかめしう占めて造れるさま、さは言へど、国の司にてし置きけることなれば、残りの齢ゆたかに経べき心構へも、二なくしたりけり。
問)次の傍線部の解釈として最も適当なものを1つ選べ。
1.はるか遠くまで、恐ろしいくらい敷地を増やしているようす。
2.多くの宅地を占有する形で、家を造ってあるようす。
3.そこら中一面に、盛大に道いっぱい家を建てているようす。
4.ずっと遠くまで、豪勢に敷地を占有して家を建ててあるようす。
5.はるかかなたに、おごそかな家をたくさん建ててあるようす。
次年度から始まる大学入試共通テストでは
古文に関しても、思考力・判断力に重点が置かれます。
【新学習指導要領及び高大接続における古典のポイント】
・複眼的問題文の読み比べ
・複数の問題文の抽象化・要約
・客観的根拠・論理的視点による理解
今回のような丸暗記すべき古文特有の単語も
時代や文脈によっては、意味も変わってきます。
そこら・ここら=たくさん
で覚えてる受験生も多いと思いますが
「そこ」に接尾語「ら」のついたもの。
「ら」は、数量・程度を示す接尾語です。
ならば…
【そこら】
【副詞】
①数量の多い様子。そんなにたくさん。それほど多く
②程度のはなはだしい様子。そんなにも。それほどひどく
*Weblio古語辞典より
今回の「そこら」は、
「はるかに(はるかなり)」にかかっていくので
数量というよりも
程度のはなはだしい様子をさします。
【答え】…4
「…そこらはるかに、いかめしう占めて造れるさま、さは言へど、国の司にてし置きけることなれば、残りの齢ゆたかに経べき心構へも、二なくしたりけり。
● 過去記事リンク
■そこら
■いかめし
■ふ(経)
■も
ーーーーーーーーーーー