源氏物語イラスト訳【若紫32-1】そこらはるかに
「…そこらはるかに、いかめしう占めて造れるさま、さは言へど、国の司にてし置きけることなれば、残りの齢ゆたかに経べき心構へも、二なくしたりけり。
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【源氏物語イラスト訳】
「…そこらはるかに、いかめしう占めて造れるさま、
訳)「…ずっと遠くまで、豪勢に敷地を占有して造っている様子は、
さは言へど、国の司にてし置きけることなれば、
訳)そうは言うものの、国司としてしておいたことであるので、
残りの齢ゆたかに経べき心構へも、二なくしたりけり。
訳)残りの人生を豊かに過ごすことのできる心の準備も、またとなくしていたとか。
【古文】
「…そこらはるかに、いかめしう占めて造れるさま、さは言へど、国の司にてし置きけることなれば、残りの齢ゆたかに経べき心構へも、二なくしたりけり。
【訳】
「…ずっと遠くまで、豪勢に敷地を占有して造っている様子は、そうは言うものの、国司としてしておいたことであるので、残りの人生を豊かに過ごすことのできる心の準備も、またとなくしていたとか。
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■【そこら】
■【はるかに】
※【はるかなり】
■【いかめしう】
※【いかめし】
■【占め】
※【占(し)む】
■【て】
■【造(つく)れ】
■【る】
■【さま】
■【さは言へど】
■【国の司(くにのつかさ)】
■【にて】
■【し置き】
■【たる】
■【なれ】
■【ば】
■【残り】
■【の】
■【齢(よはひ)】
■【豊かに】
■【経(ふ)】
■【べき】
■【心構(こころがま)へ】
■【も】
■【二なく】
※【二なし】
■【し】
■【たり】
■【けり】
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「けり」が会話文中で出てきたときは
基本的に、気づきの詠嘆と捉える場合が多いですが
この場合は、間接的な見聞のことなので
単なる過去で捉えるほうがいいと思います。
マニュアル通りでなく
こういう古文解釈の経験を繰り返してこそ
身につくものもあるのですね;
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