【夕顔285-3】古文単語「事なし」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔285-3】古文単語「事なし」

偏差値の高い国公二次の古文は、

どこも「現代語訳せよ」「分かりやすく説明せよ」

という問題ばかり。さあ、あなたはどする?

源氏物語イラスト訳 重要古語ラブラブ 

 

【古文単語の覚え方】

チェックボックス1.現代語から想像して覚える

チェックボックス2.漢字のイメージで覚える

チェックボックス3.ゴロを利用して丸覚えする

の3つのどれかで覚えます。

 

今回は、【現代語】でイメージしましょ♪

 

【今回の源氏物語】

さらに事なくしなせそのほど作法のたまへ

何かことことしくべきはべら

とて立ついと悲しく思さるれ

   サゲサゲ↓

今回のイラスト訳はこちら

 

 

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今回出てきた古文単語
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■【さらに】…なおいっそう

■【事なし】…何事もない。ぬかりない

■【しなせ】…サ行四段動詞「しなす」命令形

※【しなす】…する。作り上げる

■【と】…引用の格助詞

■【そのほどの作法】…葬儀の時の仕方

※【その】…その。夕顔の葬儀をさす

※【ほど】…

※【の】…連体修飾格の格助詞

※【作法】…仕方。やり方

■【のたまへ】…ハ行四段動詞「のたまふ」已然形

※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)

■【ど】…逆接確定条件の接続助詞

■【何か】…いやなに

■【ことことしく】…シク活用形容詞「ことことし」連用形

※【ことことし】…大げさだ

■【す】…サ変動詞「す」終止形

■【べき】…義務の助動詞「べし」連体形

■【に】…断定の助動詞「なり」連用形

■【も】…強意の係助詞

■【はべら】…ラ変動詞「はべり」未然形

※【はべり】…丁寧の補助動詞(惟光⇒光源氏)

■【ず】…打消の助動詞「ず」終止形

■【とて】…~と言って

※【と】…引用の格助詞

※【て】…単純接続の接続助詞

■【立つ】…席を立つ。出かける

■【が】…主格の格助詞

■【いと】…とても

■【悲しく】…シク活用形容詞「悲し」連用形

■【思さ】…サ行四段動詞「思す」未然形

※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)

■【るれ】…自発の助動詞「る」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

  アップ

今回は「るれ」にも注意しましょ♪

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

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☆ 本日の古文単語「事なし」 ☆

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さらに事なくしなせ」と、そのほどの作法のたまへど、

「何か、ことことしくすべきにもはべらず」

とて立つが、いと悲しく思さるれば、

 

問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。

 

1.なおいっそう大げさにするがよい

 

2.やはり不必要になってしまった

 

3.さらに抜かりなく執り行え

 

4.それでも準備万端にせよ

 

5.まったくたいした事はないよ

 

照れ  チュー  びっくり

 

 

国公二次の古文では、

重要古語の意味とか、文法とか、

そんな一部分の知識ではなく、

 

傍線部全体を、現代語訳したり、

内容を説明したりする問題ばかりです。

 

 

しかし、そういう問題でも、

 

一語一語品詞分解し、

単語や文法を確認しながら、

文脈と照らし合わせて解読する。

 

この、基本の古文解釈を守って解けば

何ら、怖いことはありません!

ウインク

 

 

さらに/事なく/しなせ

 

「さらに」は、「それでもやはり。なおいっそう」の意味の重要古語。

 

1.なおいっそう大げさにするがよい

 

2.やはり不必要になってしまった

 

3.さらに抜かりなく執り行え

 

4.それでも準備万端にせよ

 

5.まったく×たいした事はないよ

   矢印

選択肢5だけが消えて、

あとは文脈判断を待ちましょう。

(ノ゚ο゚)ノ

 

 

「しなせ」というのは、

「しなす(為成す)」という動詞の命令形。

 

「する。行う」と同等の意味と考えればよいでしょう。

人(・ω・*)ノ

 

 

1.なおいっそう大げさにするがよい

 

2.やはり不必要になってしまった(×)

 

3.さらに抜かりなく執り行え

 

4.それでも準備万端にせよ

   矢印

選択肢2以外は、保留にしといたほうがよさそうですね;;

滝汗滝汗滝汗

 

 

そして、今回の重要古語「事なし」です。

   下矢印  下矢印

【ことなし(事無し)】

【形容詞:ク活用】

①平穏無事である。何事もない

②心配なことがない

③取り立ててすることがない。たいした用事もない

④たやすい。容易だ

⑤非難すべき点がない。欠点がない

 

 ※Weblio古語辞典より

   

 

「事無しび」という古語があります。

 

何事もないようすをさします。

 

 

このような古語を、イメージとして頭に入れておくと、

今回の「事なく」というのも、さほど迷わないですみそうです。

ニコニコ

 

 

光源氏は、夕顔の後始末(葬儀)のことを、

「事なく」行え、と、惟光に頼みます。

 

 

惟光は、光源氏のこの発言に対し、

 

 

「ことことしくすべきにもあらず」

と返し、それを聞いた光源氏は、悲しくなる、という場面です。

 

 

…古文解釈では、

こういう、直後の文脈のつながりも、

判断材料に入れるべきですね。

(σ・∀・)σ

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】…

   

 

 

【夕顔(第6章)】の一気読みはこちら⇒

【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

さらに事なくしなせそのほど作法のたまへ

何かことことしくべきはべら

とて立ついと悲しく思さるれ


 

過去記事リンク

さらに

なす

と(格助詞)

の(格助詞)

ほど(程)

のたまふ

ど・ども(接続助詞)

なにか(何か)

ことことし(事事し)

す(サ変動詞)

べし①  べし②

に(識別)

なり(断定)

はべり

ず(助動詞)

とて

て(接続助詞)

が(格助詞)

いと

おぼさる(思さる)

おぼす(思す)

るれ(識別)

ば(接続助詞)

 

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