【帚木347-3】「あて」「「あてはかなり」
ごきげんよう、あいです
古文の勉強がんばってますかー?
お昼休みの合間に読んでネ♪('-^*)☆
【今回の古文単語】
■【主人】…ここでは紀伊守邸主人、紀伊守のこと
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【子ども】…子どもたち
※【―ども】…複数を示す接尾語
■【をかしげなり】…かわいらしい、愛らしい
■【て】…単純接続の接続助詞
■【あり】…ある、いる(ラ変動詞)
■【童(わらは)】…子ども
■【なる】…断定の助動詞「なり」の連体形
■【殿上(てんじょう)】…ここでは童殿上のこと
■【ほど】…時、頃
■【に】…時を示す格助詞
■【御覧じ馴る】…見慣れなさる
■【御覧ず】…ご覧になる(「見る」の尊敬)
※【馴る(なる)】…慣れる(ラ行下二段動詞)
■【たる】…存続の助動詞「たり」の連体形
■【も】…列挙の係助詞
■【伊予介(いよのすけ)】…紀伊守の父
■【あまた】…たくさん
■【に】…場所の格助詞
■【いと】…とても
■【けはひ】…雰囲気、ようす
■【あてはかなり】…上品だ、気品がある
■【ばかり】…程度の副助詞
■【なる】…断定の助動詞「なり」の連体形
今日は、「あてはかなり」についてです☆
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単語帳に、必ず登場する重要古語が、
今回にも関連します、「あて」です。
ヽ(゚□゚ )
【あてなり(貴なり)】
(ナリ活用形容動詞)
①高貴だ、身分が高い、家柄が高い
②上品だ、優美だ
今回出て来た「あてはかなり」が、「あて(貴)」の関連語だということは、
変換力の記事でもお話しした国語力 です。
このブログを毎日読んで、しっかり身につけてくださいねっ♪
(*^_^*)
さて。
古文の世界は、身分制社会なので、
今回のような身分を示す古語がけっこう出てきます。
しかも、
「身分が高い」ということは、
上品で、優美で、好ましいプラスイメージがあり、
「身分が低い」ということは、
下品で、粗悪で、マイナスイメージとなります。
なので、古文目線を磨くためにも、
「身分ワード」は、頭に入れておいてほしいです。
(o^-')b
【身分の高低を表す古語一覧】
《 高貴・上品・優美な古語 》
■【あてなり(貴なり)】
■【やむごとなし】
■【いうなり(優なり)】
■【けたかし(気高し)】
■【えんなり(艶なり)】
《 身分が低い・いやしい古語 》
■【あやし【卑し)】
■【いやし(賤し)】
■【げらふ(下臈)】
■【げす(下衆)】
■【しづ(賤)】
他にもいろいろありますが、
とりあえず「身分ワード」として覚えておくものだけ^^
以前、桐壺の巻で、「やむごとなし 」が出て来ましたが、
「あてなり」は、「やむごとなし」ほどは高い身分を表さず、
皇族や権力者には用いないのが通例です。
また、「あてなり」が親しみやすい感じをもつのに対し、
「けたかし」は、近寄りがたいイメージの古語です。
こういうニュアンスも、古文を読んでいくうちに、
感じ取ってもらうと、さらに読みが深まりますねぇ♪
('-^*)☆
ところで、今回のような「あて」の関連語としては、
■【あてはかなり」
■【あてやかなり】
■【あてびと(貴人)】=高貴な人
■【あてぶ(貴ぶ)】=上品ぶる
などがありますが、
「あてはかなり」「あてやかなり」は、
人柄や容姿についての上品さを表し、
身分や家柄を表すことはありません。
たしかに、ここでは、
中流階級の紀伊守または伊予介の子供のことなので、
「高貴な、身分が高い」の訳は、おかしいですよね!
(;゚;∀;゚;)
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木347(原文)
主人の子ども、をかしげにてあり。童なる、殿上のほどに御覧じ馴れたるもあり。伊予介の子もあり。あまたある中に、いとけはひあてはかにて、十二、三ばかりなるもあり。
● 本日の古語~過去記事リンク~
■あまた
■いと
■ばかり
■も
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今日もご訪問ありがとうございました☆
お役に立ちましたでしょうか?(o^-')b