下痢を東洋医学でみると その2 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


「下痢を東洋医学でみると その1」 の続きですが、その前に、waka さんの「慢性の下痢は男性に多い気がする」とのコメント、私も同じように感じます。なんでだろ?考えてみました。


確かに、過敏性腸症候群 では、下痢型は男性に多く、便秘型は女性多いようです。過敏性腸症候群でなくても、女性が便秘しやすい理由は、

① 黄体ホルモンに腸の蠕動運動を抑える働きがある

② 腹筋などの筋力が弱く、男性より排泄力が弱い

③ 食事の摂取量が少なく、腸の蠕動運動が弱くなりやすい

なんてあたりじゃないでしょうか?


で、男性に下痢が多いのは、男性が女性よりも

① 腸管が太い

② アルコールを飲むことが多い

③ 生活が不規則になりやすい

ってところかな?男性は便秘しにくい分、したとなるとけっこう頑固な痙攣性便秘になりやすいようです。野菜嫌いな肉食系男子がストレスを受けたときとかね。


さて、本題の東洋医学で下痢をみるとどうなるか?下痢(泄瀉)を起こしやすい病証 は何か?おとなの場合をみていくことにいたしましょう。


1 風寒 寒湿 による泄瀉

主症状: 水様便あるいは未消化便で悪臭がない。

随伴症状: 腹痛、おなかが鳴る、おなかがはる、食欲不振。風寒であれば悪寒・発熱・頭痛を伴う。

舌脈: 舌苔 白膩、 濡緩 風寒であれば、脈浮緊

ツボ: 中かん、天枢 、上巨虚、陰陵泉


2  暑湿 湿熱 による泄瀉

主症状: 腹痛がしてすぐに下痢をする。これを繰り返したり、すっきり排便できなかったりする。悪臭を伴う。

随伴症状: 肛門の灼熱感、口の渇き、尿量が少ない、からだが熱っぽい。

舌脈: 舌苔 黄膩、 濡数

ツボ: 中かん、天枢 、上巨虚、陰陵泉曲池合谷


3 傷食・食滞 による泄瀉

主症状: 腹痛がしてすぐに下痢をする。排便すると腹痛が治まる。泥状便または未消化便で、悪臭がする。

随伴症状: おなかのはり、食欲不振、食べ物が腐ったような酸っぱいにおいのゲップ、黄水があがる。

舌脈: 舌苔 黄厚膩、

ツボ: 中かん、天枢足三里公孫脾兪、胃兪大腸兪


4 脾虚 (脾胃虚弱)による泄瀉

主症状: 軟便または水様便で、未消化物を伴うこともある。なまもの・冷たいもの・あぶらっこいもの・消化しにくいものを食べると悪化する。排便回数が多い。

随伴症状: 食後の胃の膨満感、食欲不振、顔色がさえない、疲れやすい、からだに力が入らない。

舌脈: 舌苔 白、

ツボ: 中かん、天枢足三里脾兪、章門


5 腎陽虚 による泄瀉

主症状: 明け方に下痢をする

随伴症状: おなか・腰・手足の冷え、ひざや腰のだるさ

舌脈: 舌苔 白、 沈細

ツボ: 中かん、天枢足三里脾兪、章門命門関元


6 肝気犯脾 による泄瀉

主症状: 精神的な緊張によって腹痛・下痢がおこる。腹痛のあとに下痢をする。

随伴症状: 胸脇部の膨満感、ゲップやオナラが多い、食欲不振。

舌脈: 舌苔 淡紅、

ツボ: 中かん、天枢足三里太衝陽陵泉


15は、「子どもの下痢を東洋医学でみると その1  その2 」と同じなので、ツボ以外の養生法については、そちらを参照してくださいね。6については、「災害時の養生法 その4 肝の手当て」 をご参考に。


一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。


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