NOTE/長谷川典夫著「現代都市の空間システム」・・・(6)
最低次の中心地…イメージ写真
最低次の中心地…イメージ写真
(埼玉県朝霞市朝志ヶ丘にて本ブログ管理者撮影)
【書誌情報】
長谷川典夫「現代都市の空間システム」1992年、大明堂
*
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【p.199】
最低次の中心地の配置
(仮定)
・非常に広大な平野
・人間の居住や活動を妨げる自然的障害は無い
・人口分布やその他の経済的諸条件は一定な空間
・ここに居住する人々は生活に必須のサービスや商品を中心地において利用・購入
↓
以上の条件のもとで
これらの中心財を分散的に居住する人々に供給する中心地は
どのような配置で発達するか?
(価格が安く頻繁に購入・利用する最も身近な中心財)
:
1.到達距離の上限
該当中心財を購入するために周辺地域の住民が出かけても良いと思う距離
:
2.到達距離の下限
該当中心財を供給する中心施設が成立するのに必要十分な需要
↓
1>2(上限>下限)である必要がある
=クリスタラーの中心地理論では…4km
(六角形の場合において各中心地の補完地域の面積がより広く、そのため中心地を支える人口・需要が大きいので、財の到達距離4kmの条件下では最大の需要を得ることができる…↓下図参照)
*
購買・利用頻度が少ない中心財ほど、移動に伴う費用が商品価格に比べて小さいため、住民は長い距離を移動することを厭わない→到達距離の上限は、より大きい!
*
購買・利用頻度が少ない中心財ほど、低次の中心地における補完地域では、その中心施設を維持するための需要が少なすぎる→到達距離の下限は、より大きい!
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ヴァルター・クリスタラー
(Walter Christaller, 1893年4月21日 - 1969年3月9日)は、
ドイツの地理学者・都市学者。
都市の機能性について論じた中心地理論を提唱。
↑
長谷川典夫「現代都市の空間システム」1992年、大明堂
(pp..200-201より引用)
【p.200】
供給の原則による中心地体系
クリスタラーは、
全部で7グループの中心財(7階層からなる中心地体系)を想定。
:
中心地の体系は、各々の中心地の補完地域が正六角形をなし、それが重層的に配置される形式になる。
そして、各階層に属する中心地では、中心財の種類の数に階層間で大きな格差があり、供給される中心財の種類も異なる。
↓
高次な中心地ほど中心財の種類が多く、到達距離の長い高次な中心財が含まれ、機能の分担が図られている。
*
ある階層の中心地:ひとつ上の階層の中心地
=3:1
*
√3は一辺の長さが1である正六角形の対辺同士の距離に等しい
↓
階層と中心地の数(クリスタラーのモデル)
:
1.M型(最低次)
・中心地の数(486)、補完地域数(729)
・地域の半径km(4)
・地域の面積k㎡(44)、供給される財の種類数(40)
・中心地点典型的人口数(1000)
・補完地域の典型的人口数(3500)
:
2.A型
・中心地の数(162)、補完地域数(243)
・地域の半径km(6.9=4×√3)
・地域の面積k㎡(133)、供給される財の種類数(90)
・中心地点典型的人口数(2000)
・補完地域の典型的人口数(11000)
:
3.K型
・中心地の数(54)、補完地域数(81)
・地域の半径km(12=6.9×√3)
・地域の面積k㎡(400)、供給される財の種類数(180)
・中心地点典型的人口数(4000)
・補完地域の典型的人口数(35000)
:
4.B型
・中心地の数(18)、補完地域数(27)
・地域の半径km(20.7=12×√3)
・地域の面積k㎡(1200)、供給される財の種類数(330)
・中心地点典型的人口数(10000)
・補完地域の典型的人口数(100000)
:
5.G型
・中心地の数(6)、補完地域数(9)
・地域の半径km(36=20.7×√3)
・地域の面積k㎡(3600)、供給される財の種類数(600)
・中心地点典型的人口数(30000)
・補完地域の典型的人口数(350000)
:
6.P型
・中心地の数(2)、補完地域数(3)
・地域の半径km(62.1=36×√3)
・地域の面積k㎡(10800)、供給される財の種類数(1000)
・中心地点典型的人口数(100000)
・補完地域の典型的人口数(1000000)
:
7.L型
・中心地の数(1)、補完地域数(1)
・地域の半径km(108=62.1×√3)
・地域の面積k㎡(32400)、供給される財の種類数(2000)
・中心地点典型的人口数(500000)
・補完地域の典型的人口数(3500000)