ますます「軽食カフェ化」する表参道・門前町…成田(上町・右側)編※過去更新版
成田空港がある千葉県成田市の拠点、JR成田駅からは4方向に線路が延びていますが、そのいずれもが「成田線」という路線名であることを皆さんはご存知でしょうか?
成田線の「本線」に相当するのは、佐倉駅を経由して千葉・東京方面と、佐原駅を経由して銚子駅へ通じる2方向ですが・・・
この他に、我孫子駅を経由して常磐線に通じる支線と、成田空港駅へ通じる支線があります。
今回も、あと1か月足らずで新年「初詣」のシーズンになることを踏まえて、成田の表参道(門前町)を再訪してみました。
銀行も「店蔵」風
成田駅前から約800m続く表参道。
江戸時代から門前町として栄え、今でも当時の名残をとどめています。
参道沿いには150店以上の飲食店や土産店がズラリ!
ただ、本当に古い建物はごく一部だけなのですが・・・
今から25年以上前から歩道設置の為に2mのセットバックと、沿線の「門前町らしさ」にこだわる建物修景が進められています。
上の写真の千葉興業銀行も、御覧の通り「店蔵」風に外観が改装されていますね。
中心人物のお店
成田・表参道/「徳利」「下田康生堂」付近①(千葉県成田市上町)
*2008.6.10本ブログ管理者撮影
古くから八目うなぎで有名な「下田康生堂」の当主、下田祥三氏は、
当時、「上町街づくり協議会」の会長職を務めていました。
現在、「ぱん茶屋」という、創作パンを主体としたベーカリーカフェになっているお店です。
※千葉県成田市上町551
元々の主力業態であった「鰻」を使ったパンもあるそうですよ!
*
本ブログ内関連過去記事
↓
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「バスサービス街路」編①
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「バスサービス街路」編②
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「バスサービス街路」編③
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「バスサービス街路」編④
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「バスサービス街路」編⑤
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「表参道(花崎町・左側)」編
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「表参道(花崎町・右側)」編
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「表参道(上町・左側)」編
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「表参道(上町・右側)」編
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「表参道(仲町・左側)」編
■NRT成田の街を散歩する☆彡・・・「表参道(仲町・右側)」編
14年前の状況
成田・表参道/「徳利」「下田康生堂」付近(千葉県成田市上町)
*2008.6.10本ブログ管理者撮影
当時「上町街づくり協議会」の会長(下田氏)によると、
同協議会の当初目的は、電柱地中化による修景ではなかったのだとか、、、
『
話は30年前にさかのぼる。
大学を卒業して地元に帰った会長さん、
商店会の会合に出てみると、顔ぶれは60~70代の旦那衆ばかり。
何か新しいことを提案しても「このままでヨカッペヨー!!」と一蹴されてしまう。
』
そんな時、商店会の世代交代の時がやってきた。
(これまでの70歳代の会長から一挙に40歳代に・・・)
↓
そこで意気込みは爆発。
(これまでの勉強会での蓄積が実現へ・・・)
狭すぎる参道をなんとかしなければ
セットバックして歩道を造り
電線類を地下に埋めて幅員を広げる計画をして皆に合意を求めた。
↓
:
『
商店会といっても5人、10人の集まりではない。
延々1キロに及ぶ参道である。
2メートルのセットバックを市役所が買い取るまでの道のりは長かったという。
予算の捻出を渋る役人は、
それほどまでに実現したいのなら市会議員に立候補しなさいとまで言われる。
そんな時、力になるのは同士である。
隣で衣類の店をでしている、「徳利やさん」は幼稚園からの同級生、
大学こそ違うが成田に帰って親の商売を継ぎ、隣同士。
当然意気は合った。
古いものは残そう。それに磨きをかけて・・・と励ましあった。
』
↑
出典:(リンク切れ)□我孫子の景観を育てる会『景観あびこ』第21号 2007.1.20
※2022年現在、下田康生堂に向かって右隣にあった「徳利や」さんは更地になっています
通りを歩く外国人観光客
成田・表参道/「徳利」「下田康生堂」付近③(千葉県成田市上町)
*2008.6.10本ブログ管理者撮影
やはり、
外国人観光客を意識?した多国籍(または和風ダイニング系)飲食と、
日本人の家族連れ(または若い女性のグループ、もしくはカップル?)
参拝観光客目当てなのか?・・・
『歩き食べ』または『お土産』になりそうなスイーツ系と地場(農)産品
例…<成田ゆめ牧場直売店>への業種転換
+
あとは、他の和風町家を活かした街づくり先行地域同様に、
アート工芸<ガラス工芸など>への転換が見られます。。。。。。
*本ブログ内参考資料
↓
■「歩き食べ」に関する記事(本ブログ流「街歩記」の『ツボ』)
■大正ロマンの街づくり(福島県会津若松市七日町編「まとめ」記事)
★ゼンリン住宅地図(1997⇒2007年)でみる「上町・右」沿道店舗の変遷
↓
<上町:成田方向へ向かって右側沿道、但し店名は成田山側が上>
伽羅(きゃら) ⇒ 伽羅(きゃら)
二軒屋本店 ⇒ 成田ゆめ牧場
(市営第2駐車場) ⇒ (市営第2駐車場)
柳屋本店茶処庵 ⇒ 柳屋本店茶処庵
とらやスポーツ ⇒ とらやスポーツ
シャンポール米屋 ⇒ (米屋総本店の駐車場)
スッポン堂 ⇒ インド料理ニューワルドクック
日野屋本店 ⇒ 日野屋本店
ひの屋化粧品店 ⇒ ひの屋化粧品店
はせがわ呉服店 ⇒ 五番幹ビル
①イタリアンテラス・アルポル
②OLD JACK FLYERS
③Sanga
⇒ 順華
⇒ ガラス細工工房しのん
⇒ (憩いの広場)
木原陶器店 ⇒ Dragon Magic
若梅商店 ⇒ 若梅商店
長谷川 ⇒ (長谷川邸)
/囲碁将棋サロン ⇒
不動 ⇒ 不動
下田康生堂 ⇒ 下田康生堂
徳利衣料店 ⇒ 徳利衣料店
河合玩具ビル ⇒ 河合玩具ビル
①河合玩具 ⇒ ①河合玩具
①(河合邸) ⇒ ①メディアゲイトインターネットサービス
②カワイ音楽教室 ⇒ ②河合楽器製作所成田店
/③カワイ音楽教室
③千葉県医療事務学院 ⇒ ③千葉県医療事務学院
③東京墨成書道会 ⇒ ③東京墨成書道会
/③きつけ組紐教室久保田
紅竜門 ⇒ 共観人椀しんしん
成田信用金庫本店 ⇒ 成田信用金庫本店
川村ふとん店 ⇒ 川村ふとん店
桜屋本店 ⇒ 桜屋本店
パチンコウオトラ ⇒ 石ころ館
スーパー堺屋 ⇒ スーパー堺屋
加賀屋 ⇒ 加賀屋
野口製茶工場 ⇒ 野口製茶工場
彩亭 ⇒ 野島商店
藤屋酒店 ⇒
*ミニストップ成田参道店 ⇒
/㈱藤屋 ⇒
*スーパードラックエービン ⇒ スーパードラックエービン
*ひかたや第2支店 ⇒ ひかたや第2支店
*靴のアキナガ ⇒ 月の刻
↑
<注1>
ミニストップ~靴のアキナガ間(上記*印)は、
本来の登記上における地番は「花崎町」ですが、、、
編集の都合上、「上町・右編」にて紹介いたしました。ご了承願います。
↑
<注2>
空欄箇所は、空き店舗または空地を示します。
ミニストップは、2022年時点でセブンイレブンになっていました。
通りに面した看板は、景観条例等で法的規制がある著名観光地のように「黒・茶」系になっていましたが・・・
但し、成田「表参道」の場合は、主屋の建物は普通のセブンイレブンで見られるトリコロールカラーでした。
「房の駅」進出
上総地方を中心に千葉県各地に、私設「道の駅」風のお土産屋さんを展開する「房の駅」。
市原市の株式会社 やます が運営しています。
午後4時半を過ぎると店じまいするお店が多い成田・表参道の中で、7時ラストオーダーの軽食コーナーがあるのは有難い!
※物販は8時まで
自社開発の魅力的なお土産品の種類の多さも含めて、さすが「房の駅」!
進む「カフェ化」
手前がお土産物コーナーで、奥が綺麗なお庭もあるイートイン。
元々、このお店は2007年時点で「スーパー堺屋」という食品販売店だった建物です。
15年前でも既に観光客向けの軽食・カフェ業態への転換が目立っていましたが、令和の世になった今でも、ますます表参道沿線の「軽食・カフェ化」が進行しているようです。
税込330円の「こんにゃくそうめん」とお茶セットを頂きました。
夏季の場合は、温かい抹茶の他に、冷たい麦茶も選択できるようです。
微かな甘みと、中華風のタレが効いて、後味サッパリの良い「おやつ」になりました♪
試食で、巷で話題・売切必至の味付けメンマ「竹取物語」が、1口分付いて来ました♪
千葉県内の放置された竹林を整備するために伐採したタケノコを使っているのだそうですよ。
ちゃんと、郷土の環境と、自らの商売を結び付けているなんて、凄くないですか!
マジで、「房の駅」の商品開発能力と、そのボリューム、スピード感は千葉県ナンバーワンだと思います。
近隣にある地酒屋さんも、甘酒をイチオシしてテイクアウトでカフェメニューを提供しています。
※千葉県成田市上町540(蔵元直売店『長命泉』・㈱藤屋)
道路向かい側には、蔵元と酒販店が提携しているを事を示す看板がありました。
地元企業同士で手を組んで、お互い一枚岩で地域を盛り上げているのですね。
気になった点
成田市において、観光客受けする「歩き食べ」メニューを提供する勝ち組の1つとみられていた「成田ゆめ牧場」の直営店ですが・・・
類似コンセプトのお店が増えて競合が激しくなったことと、感染症を意識して観光客(特に外国人)が減少した事が響いているのでしょうか?
表参道に3店舗あった「ゆめ牧場」直営店のうち、成田駅に近い1店が閉店してしまいました。
残った2店も、平日は午後4時、休日でも5時で店を閉めてしまうので要注意。
ただ、閉店時刻の早さは、この街「全体的」な傾向ではありますが・・・
※なので、7時まで店内飲食可能な「房の駅」のような、千葉県内では名の知れた地場の土産物店チェーンにおけるレベルの高さが目立つ訳です。
建物だけでなく自販機も海鼠壁風に修景していて、街全体で「観光客ウェルカム」なのか?と一瞬、思いたくなりますが・・・
成田駅に近いマンション併設の店舗では、「たむろ禁止!」といった貼り紙もあり、この街で商売をせずに他所へ通勤する住民からは、あまり歓迎されていないように思えます。
いかがでしたでしょうか?
門前町や城下町・宿場町など、中心市街地を単なる歴史的な観光地化するだけでなく、「まちなか居住」も同時並行して増やさないと、衰退に歯止めが掛からないというのが持論ですが・・・
「賑やかな街」と「穏やかな住まい」を両立できるような、建築上の工夫は無いのでしょうか?
たとえば、防音性のある建築材料とか?、窓面の配置・形状とか?・・・
それとも、建物マネジメント(夜警管理)の問題でしょうか?・・・
とりあえず皆さん、東京の都心以外では、深夜の時間帯は特に「お静かに」お願いしますね♪