NOTE/長谷川典夫著「現代都市の空間システム」・・・(5)
1.パス(経路)
それに沿って都市住民が都市の中を移動する経路であり、
移動は観察を伴うため、
結果的にそれは都市のイメージを支配する傾向がある。
2.エッジ(境界)
都市の内部の明確な物理的断絶を表す線的な要素。
(例)
・崖、海岸線、湖岸線、河岸線などの自然的特徴
・鉄道、高速道路など人工的特徴
3.ディストリクト(区域)その都市の多くの住民によって知られている部分であり、
たいていそこを指す地名がある。
(例)
・ロンドンのソーホー
・パリのモンマルトル
・ニューヨークのハーレム
4.ノード(結節点)
都市の中で、結節点や焦点となっている地点で多くは道路の交差点。
都市広場としてはっきりとした物理的要素を備えることもある。
(例)
・ピカデリーサーカス
・タイオムズスクエアー
・赤の広場
・エトワール公園など、、、
(資料写真/宮城県塩釜市にて震災前に本ブログ管理者撮影)
5.ランドマーク(目印)
これは見ることはできるが、通常はそこに入ったり、通り抜けたりできないという点でノードとは異なっている。
ランドマークの本来の意味は航海者にとっての目標ということであるが
今日的には都市の中で訪問者にとっての目標という意味である。
(例)
・目立った建物
・わかりやすい目標など、、、
(資料写真/東京都豊島区にて本ブログ管理者撮影)
★
【p.136】
ケヴィン・リンチ「都市のイメージ」
都市の物理的構造が視覚化されるときには5つの要素が働く・・・
(ボストン市のイメージをイメージマップとして図式化)
↓
「都市の認知地図(構造化)」
【書誌情報】
長谷川典夫「現代都市の空間システム」1992年、大明堂
*
本ブログ内関連記事
都市の規模と配置の原理(5つの基礎概念)
クリスタラー「中心地理論(都市の立地と発展)」
:
(1)中心地
周辺地域に対して中心的な活動を行っている集落。
近隣の狭い範囲の周辺地域の中心となっている低次な中心地から、
非常に広い範囲の地域や
低次な中心地に対して中心地活動を行っている高次な中心地まで存在。
:
(2)中心性
集落が中心的な役割を果たす度合い。
中心地はその地点内の人口数に比較すると余剰の活動(クリスタラーは、活動全体の大きさを「意味」と呼んだ)を行っており、周辺地域内における活動不足を補っている。
余剰の活動分(「意味の過剰分」)=中心性
低次な中心地の中心性は弱く、高次な中心地の中心性は強い。
:
(3)中心財
中心地から周辺地域へ供給されるサービスや商品。
低次な中心地でも供給されるサービスや商品を低次な中心財、
高次な中心地のみで供給されるものを高次な中心財と呼ぶ。
:
(4)補完地域
中心地から中心財が供給される区域。
中心地以外の区域では、中心地活動が十分でないので、中心地から中心財の供給を受けなければならない。
:
(5)財の到達距離
中心地で中心剤を購入する為に周辺地域の住民が中心地まで出向く距離
中心財にはその種類によって特有な到達距離がある。
低次な中心財の到達距離は小さく、高次な中心財の到達距離は大きい。
また、財の到達距離には、上限と下限がある。
:
(資料写真/東京都豊島区にて本ブログ管理者撮影)
低次な中心地の事例
この商店街では入手できない高次中心財は、池袋まで行って購入…
(資料写真/東京都板橋区にて本ブログ管理者撮影)