NOTE/長谷川典夫著「現代都市の空間システム」・・・(7)
交通原則による中心地体系
交通原則が強く作用して中心地体系が形成される場合には
比較的に重要な中心地は直線的な交通路によって連携され、
しかもその路線上でたがいに同一の間隔をとることになるであろう・・・
:
K=4の体系(交通原則による中心地体系)
ある階層の中心地:1つ上の階層の中心地=4:1
*
例(JR東日本の首都圏支社配置)
横浜支社、八王子支社、大宮支社、千葉支社 : 東京支社
(高崎支社、水戸支社)
【書誌情報】
長谷川典夫「現代都市の空間システム」1992年、大明堂
*
本ブログ内関連記事
【p.202】
行政原則による中心地体系
行政原則とは、地域社会の形態として、
中心に最も高次な中心地(行政上の首都)が位置し、
その辺縁部になるにしたがい、
低次な中心地が位置するパターンが普遍的・・・・・
:
K=7の体系(行政原則による中心地体系)
ある階層の中心地:1つ上の階層の中心地=7:1
*
例(諸国の行政区域)
オーストラリア…7連邦
コスタリア…7州
日本…8地方(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州)
×47都道府県
【p.203】
クリスタラ-による南ドイツの中心地体系
中心性の指標・・・電話台数
電話=さまざまな分野の中心地活動を支える道具
(中心性の総合的指標として相応しい?)
:
Zz=Tz-Ez×(Tg/Eg)
↑
Zz:中心地点の中心性
Tz:中心地点の電話台数
Ez:中心地点の住民数
Tg:地域全体の電話台数
Eg:地域全体の住民数
【p.203】
わが国の都市階層(4階層)
:
1、国家的中心都市・・・東京、大阪
国家行政機関や大企業本社が集積し
国全体の中心として機能している都市
:
2、広域(地方ブロック)中心都市・・・札幌、仙台、広島、福岡
国家行政機関や大企業の
地方ブロック管轄の支所が集積し
地方ブロック中心としての役割を持つ都市
:
3、県庁所在地級都市(県域全体の中心都市)
県行政機関や大学が置かれ
県の行政・文化の中心であるとともに
金融・商業機能が集積し
県全体の中心として発展している都市
:
4、県内副次中心都市・・・(宮城の例だと)石巻、大崎、気仙沼など
県域を数個に分割した地域を勢力圏とし
商業が発達し周辺地域の住民の
日常生活の中心となっている都市
:
*
準国家的中心都市・・・名古屋
国家的中心都市と広域中心都市の中間的位置づけ
*
準広域中心都市・・・岡山、熊本、高松、松山、金沢、新潟など
広域中心都市と県庁所在地級都市の中間的存在
*
工業都市・・・日立、豊田、川崎、鹿嶋、北九州など
階層性では捉えられない存在
存立基盤=工業活動
行政・商業・サービス業や文化的・社会的な面の活動は
都市内に居住する人々に対する活動
(Non-basic活動)が主で
中心地としての役割が弱いと一般的には言われている…
*
大都市圏衛星都市・・・(宮城の例だと)名取、多賀城、利府、富谷など
いわゆるベッドタウンが多く
行政・商業・サービス業や文化的・社会的な面の
活動の多くを大都市圏中心都市に依存
都市が供給する中心財・サービスに階層性が存在するから、、、
(資料写真:仙台市青葉区一番町/本ブログ管理者2010年5月撮影)
都市機能を支える組織が大規模で全国的・広域的広がりを有するため
このような大組織が円滑に機能するために
本社-支社・支店-営業所-出張所という階層構造をなすこと多い
↓
そして、
どのレベルの事務所がどの都市に集積するのかによって
(資料写真:東北地方全体を統括する支社・支店が数多く立地している仙台市青葉区中央/本ブログ管理者2010年5月と、2007年1月撮影)
(資料写真:あくまでも山梨県内だけを統括する支店・営業所の立地が多い甲府市丸の内/本ブログ管理者2006年1月撮影)
(資料写真:広大な福島県の中でも、西側だけを管轄する支店・営業所が立地する会津若松市中央/本ブログ管理者2007年9月撮影)
【p.204】
都市群システム
相互に影響し合う範囲にある都市群を「1つのシステム」として把握
:
1、国家的・地方的都市群システム
(国家行政機関や大企業などの)
全国的・広域的な組織網によって支えられている
:
人口移動(居住地移動)・物質の移動ともに
郵便・電話・テレックスなどによる情報の流通、
流行・発明などの経済的・文化的刺激の伝播等による結び付きが主体
:
2、日常生活圏的都市システム
中心都市と都市圏から構成され、
通勤・買物などの住民の日常生活的行動による結び付きが主体