名古屋名物「ミッキー・バス」を『基幹』とした市街地再整備を妄想する・・・1(過去記事更新)
名古屋の「基幹バス(中央走行方式)」イメージ図
■(参考)名古屋「基幹バス」徳川園新出来→引山/本ブログ管理者撮影動画
■(参考)名古屋「基幹バス」松坂屋前→市役所/本ブログ管理者撮影動画
名古屋市の「基幹バス」(本ブログ管理者撮影)
さて、
2006年6月末日、小田急線地下化跡に予定されている都市計画道路に伴う街の将来ビジョンに関わる問題で揺れている世田谷区下北沢地区で行われたシンポジウムを聴きに行った。
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シンポジウムに先立った基調講演において、
「アメリカ大都市の死と生」という、都市計画・建築系の人だったら誰でも知ってるJ・ジェイコブスの「生きている街-4大条件」・・・
①(道が)短い、狭い、曲がりくねっている
②古い建物を残す(新しいアイデアは新しい建物からは生まれない)
③ゾーニング(建築物の用途純化)をしない
④人口密度はなるべく高く
・・・を引用した、日本を代表する経済学者・宇沢先生(東大)は、
欧州都市との比較から、「生きた街」には以下の4点が必要だと聴衆に説いた。
①鉄道中心の街
②駅前(駅から徒歩圏)には一般車を乗り入れない
(自転車OR徒歩でのアクセスが基本)である街
③建物(軒高制限)は3階建て程度の多様な設計者による建築物が並ぶ街
・・・と、ここまでは良いのだが、最後に
④路面電車のある街
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最近、日本でもLRT(高速路面電車)論が活発である。
それ自体は、私も、これといった異議はないが、
LRT推進論者がよく口にする
☆「LRT導入」=「街(商店街)の活性化」
・・・っていう図式については、ちょっと疑問???☆
日本で路面電車が有る街・・・(豊橋、函館など)
これら地方都市の中心商店街は、何故、寂れたのか?
っていうような野暮な質問は今更しないけど、
★たとえば、東急が世田谷線に新型電車を入れたのが原因で、
沿線の上町や世田谷、松蔭神社あたりの商店街が従来以上の賑わい(売上)を見せた・・・
って言う話は聴いたことがない。★
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まぁ。。。
通常の鉄道建設にせよ、商店街の街並み景観改善整備にせよ、
地域内の商業施設における「テナントミックス」「アイテムミックス」
すなわち、土地建物の利用用途計画を、並行事業として
まったく考慮しない計画は(あくまでも地域『経済』の活性化…という点では)、
思うような効果が上がらない状態に陥る同じ結果になるだろうけどね・・・・・
■(本ブログ内関連記事)福島県会津若松市・郡山市の交通社会実験
だいたい、公的補助が薄い(建設費用を行政が全面負担しない)状況では日本で新規路線としてのLRTの成功は絶望視・・・
っていう記事が(岡山電気軌道社長のコメント入りで)日経トレンデイ2006年6月号に既に出ている。
日本でLRT成功例とされる岡山、広島、高岡、富山、和歌山、東京世田谷・・・
いずれも既存施設を再利用している(新規工事は僅かである)ので設備投資が少額で済む所ばかりである。
で、あれば、現在「既存設備」を持ってなく、新規で全線(長距離)起こすようなところは、
建設費が10~30億円/1㎞も掛かる(それでも地下鉄の1/10)LRTではなくて、
3億円/1㎞程度の建設費で新設出来る名古屋市の「基幹バス(路面電車風の路線バス=写真)」で
(最初はコレで「費用対効果」を様子見しても)良いのでは?
コレで客が溢れてきたら、TOYOTAが研究している自動連接バス(←愛知万博で使用)、
さらにはガイドウェイバスやLRTへと、「段階的な発展」があっても良い。
お前ら「俺(たち)が支払った税金使っている」ってことを忘れるなよ!(怒)
(まぁ・・・闇雲に地下鉄掘るよりはマシだが、、、)
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こんな議論もせずに、
「はじめにLRTありき(欧州の真似を汁!)」では、
「はじめに都市計画道路・高容積率の建築ありき」で話を持ち込む世田谷区の役人と脳みそのレベルが同じなのでは?
日本の都市構造の特徴は、欧州に比較して
グロス
(この場合は郊外も含めた都市圏全体)人口密度は高いが、
ネット
(この場合は、都市内部インナー部分)人口密度は(城壁が無い分だけ)低く広域拡散しているというのは
誰でも知っている有名な話。
(だから、欧州の100%「コピペ版」は、無理なんだっつーの!!)
だったら、都市郊外末端部から路線バスで郊外ターミナルまで来て「乗り換え」を強いられるLRTよりも、
そのまま「端末路線バス」が都心部まで直通できる「基幹バス」方式の方が良いのでは?
実は、私の実家の前を走る仙台市営バスの「四郎丸・東四郎丸線」
☆以前は仙台市中心部へ直通していたのだが、昭和62年の地下鉄開業で、
現行の郊外ターミナル「乗り換え」方式となり、乗換えを億劫に思う高齢者だけではなく、
割増運賃を支払わされる一般通勤・通学・買い物客の不評を買った。
そもそも、地下鉄に接続する端末路線バスの運行回数は60分間隔が基本で、複雑に枝系統が入り組んでいる為、
「上り便(出社時)」は地下鉄の高頻度運転と無渋滞に助けられるが、
「下り便(帰宅時)」は、郊外ターミナル乗換駅で長時間の「待ちあわせ」が発生して、直通バスよりも余計に時間が掛かってしまう。。。☆
(この状況は、地下鉄開業から約20年経過した現在でも全く改善されていない)
★こっちは、空想でもなんでもなく、俺がウン十年と実際に現地で暮らした「生活実感」から言ってるだっちゅーの★
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☆だから、
人口は当時よりも増えているのに、バスの運行本数(利用者)はダイヤ改正の度に減る一方である。☆
(営業係数245の、超・赤字路線に転落してしまっている)
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どうせ乗り換えるのだったら、
遠くの地下鉄駅よりも、最寄JR駅の方が良い?
・・・ということで、2007年4月1日よりJR南仙台駅駅(東口)乗り入れ開始
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ところで、
渋谷の南平台
(国道246)みたいに10m級大型路線バスが何台も列を成して
酷い場合は
10台数珠繋ぎ「ダンゴ状態」で繋がって来るところなら理解できるが、
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こんなところこそ、他の業務車両の邪魔になる場合もある・・・。
↓
なので、
「ハチ公バス」みたいな小型バス以外はLRTに替える意義があるように思える。
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また、
仙台で言えばかつての四郎丸線みたいに運行頻度が低く延長10㎞を越えるような長距離路線は快速運転化して残すとか
(話は飛ぶが、仙台-山形とか福岡-佐賀などの中距離高速バスが人気の秘訣もここにある・・・運行本数が極少であるローカル電車で寄り道・乗り換えする煩わしさ、、、から解放された便利な都心直通交通機関として・・・・・・・・
鉄道ならば、在来線電車が新幹線に乗り入れる「山形・秋田ミニ新幹線」を、『ナニガナンデモLRT論』の連中は、どう考えるのか!?)
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それ以外の都市内中量(延長5~10km以下の短距離区間)はLRTに替える意義があるように思える。
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本ブログ管理者は
ナンシーのトラムのような運行方式を推奨。。。
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世間一般のLRT論者は、LRT⇒既存鉄道の乗り入れの話しかしないが、
僕は、むしろ、
自宅玄関前の末端バス路線⇒直接LRT軌道乗り入れ
の方にも、もっと目を向けるべきだと思うね。
LRT軌道を「路線バス優先レーン」として、
名古屋「ゆとりーとライン」OR「基幹バス」方式で共用するとか、、、、、
それが、本当の・・・・・お年寄りからハンディキャップを背負った方々まで
誰でも乗れて、日常生活に密着した
「ユニバーサルデザイン&バリアフリーな市街電車」っていうものだろ!
「市外」へ向けて発着する快速系軌道との直通ばかり考えている奴等の
脳ミソの中身が、俺にはまったく理解できないね。。。
(末端バス路線における日常生活「実態」を無視した机上の空論だ!)
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(ところで・・・・・)
渋谷に話を戻せば・・・
手前の池尻あたりで副ターミナル作って止めて道玄坂をLRT専用レーンで下り、
宇田川町・NHK方面を「8の字状に循環」しながら宮益坂を登るとか・・・、、
☆
日本の多くの地方都市のように、
全長10m車1両が、やっと単独で走る程度の需要
しか無いのだったら、
市民の血税から高額資金を注ぎ込んで
新規に電車は走らせる意味あるのか?
せめて(昼間人口・夜間人口のいずれかが)200人/ha程度の人口密度が沿線に
連続して無いと、、、
民間企業としては運賃収入だけで経営が成り立つかどうか、これまた疑問である。
(ちなみに、広島・長崎・岡山は黒字経営→世界的に見ても稀な事例)
↓
★
つまり、新設LRT(路面電車)成功の条件として、
線状・高密度の都市構造への変革が前提となる
(ベースになる人口密度の高さが前提)・・・
っていうこと。
街(商店街)の活性化についても
本来であれば、同じことが言えそうだ。。。
↑
*人口密度比較
出典:平成12年国勢調査データ(人口総数)、および平成13年に事業所企業統計調査(全従業者数)に基づく地域メッシュ統計地図【(1k㎡)デジタルメッシュマップ】
<都心部上位3傑(グロス従業者密度)>
盛岡(最大DID人口23.1万・密度5976)
/①26313―②17846―③9802
長崎(最大DID人口28.8万・密度8451)
/①27698―②18363―③13198
広島(最大DID人口86.8万・密度7589)
/①47468―②41876―③38784
岡山(最大DID人口33.2万・密度5601)
/①26872―②26616―③13503
<基幹公共交通端末部比較(グロス人口密度)>
長崎市赤迫地区(JR西浦上駅付近=路面電車北端部)・・・9976
長崎県庁東南部(路面電車南東端)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10946
盛岡市緑が丘(松園ゾーンバス「基幹バス」沿線)・・・・・・・・・5160
盛岡市松園北県営住宅を中心とする地域・・・・・・・・・・・・・・・4730
↓
とにかく、
建設コストが超・激安!(それなりに効果有り)の「基幹バス」さえも
「出来ない(やる気無い)」のに、LRTなんか夢の話でしょっ
(とりあえず、最初は既存の路線バスを改良して様子見てから線路敷いても遅くは無いはずだ)
それでは、「無理」は禁物・・・っていうことで、、、
★「駆け込み乗車」は、大変危険ですから、やめましょう♪★
↓↓関連資料・・・・
↑
おれ野市「交通審議会」原案
↑
★人口減少時代における郊外の公共交通案
■盛岡松園ゾーンバス (を参考にして描いた)概略図です。。。
↓
本ブログ内にて展開中の
架空「おれ野」市(都市マス)では、
■架空「おれ野市」について・・・・・(本ブログ内該当記事参照)