【帚木464-3】古文単語「さしこむ」☆
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…日本語にはあるが受験生世代はほとんど使わない語。
…ですが、今回の古語は、
現代のビミョーに違う意味の古語☆
ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
「隠れたらむ所に、なほ率て行け」
とのたまへど、
「いとむつかしげにさし籠められて、人あまたはべるめれば、かしこげに」
と聞こゆ。いとほしと思へり。
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今回出てきた古文単語
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■【隠(かく)る】…隠れる(ラ行下二段)
■【たら】…存続の助動詞「たり」の未然形
■【む】…婉曲の助動詞「む」の連体形
■【所(ところ)】…場所
■【に】…場所の格助詞
■【なほ】…それでもやはり
■【率(ゐ)る】…引き連れる(ワ行上一段)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【行け】…カ行四段動詞「行く」の命令形
■【と】…引用の格助詞
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【ど】…逆接の接続助詞
■【いと】…とても
■【むつかしげに】…ナリ活用形容動詞「むつかしげなり」の連用形
※【むつかしげなり】…むさ苦しい。感じがよくない
■【さし籠(こ)む】…中に閉じ込める(マ行下二段)
■【られ】…受身の助動詞「らる」の連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【人(ひと)】…ここでは、女房の意
■【あまた】…たくさん
■【はべる】…ラ変動詞「はべり」の連体形
※【はべり】…「控ふ」の謙譲(小君⇒空蝉)
■【めれ】…推定の助動詞「めり」の已然形
■【ば】…順接の接続助詞
■【かしこげに】…ナリ活用形容動詞「かしこげなり」の連用形
※【かしこげなり】…恐れ多い
■【と】…引用の格助詞
■【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲(作者⇒光源氏)
■【いとほし】…気の毒だ。かわいそうだ
■【と】…引用の格助詞
■【思ふ】…思う(ハ行四段)
■【り】…存続の助動詞「り」の終止形
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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本日の古語 「さしこむ」☆
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【自動詞:マ行四段活用】
①込み合う
②(光んどが)入りこんでくる
③(胸などが)激しく痛む
【他動詞:マ行四段活用】
①(狭い所に)押し込む。押し入れる
②入れ知恵する。わきから口出しする
さしこむ(鎖し籠む)
【他動詞:マ行下二段活用】
…中に押し込める
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
「さしこむ」というと、
「差し込む」という漢字が思い浮かびますよねー!
( ゚Д゚)クワッ
たしかに、古語辞典でも、
まず「差し込む」が載っています。
でも…
「いとむつかしげにさし籠められて…
今回の場合は、
「さし籠め」という漢字はともかくとして、
「られ」という受身の助動詞が下接していることから、
「さしこむ」がマ行下二段活用の他動詞だと判断できます。
∑(゚Д゚)
つまり…
下接の「らる」は、四段・ナ変・ラ変以外の未然形に接続します。
「さしこめ―られ」
↑
「られ(らる)」という受身の助動詞が、
「め(e段)」に接続しています。
なので…
未然形がe段である
ということ!
ヘ(゚∀゚*)ノ
ならば…
「さしこむ」は、
マ行下二段活用の未然形なんですねー!
( ゚д゚)
【自動詞:マ行四段活用】
①込み合う
②(光んどが)入りこんでくる
③(胸などが)激しく痛む
【他動詞:マ行四段活用】
①(狭い所に)押し込む。押し入れる
②入れ知恵する。わきから口出しする
さしこむ(鎖し籠む)
【他動詞:マ行下二段活用】
…中に押し込める
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
「隠れたらむ所に、なほ率て行け」
とのたまへど、
「いとむつかしげにさし籠められて、人あまたはべるめれば、かしこげに」
と聞こゆ。いとほしと思へり。
● 過去記事リンク
■なほ
■のたまふ
■いと
■あまた
■はべり
■めり
■いとほし
■思ふ
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最後まで読んでくれてありがとぉ~☆
お役に立てれば何よりですっ!(o^-')b