今日は久々のヒッチコック作品。残念ながらこの映画はレンタルでしか見たことがありませんが、ヒッチコック作品を存分に楽しめる一本だと思います


~「ヒッチコック特集」~第10弾!

 

ヒッチコックといえば「サイコ」「鳥」が有名ですが、イギリス時代を含めるとなんと50本以上も監督作品があります。今日の映画は、ヒッチコック作品の中ではアメリカ時代に撮られたもので、前年には「ハリーの災難」、また、同じ56年にはヘンリー・フォンダ主演の「間違えられた男」が公開されています

 

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「知りすぎていた男」

1956年/アメリカ(120分)

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ヒッチコック自身の「暗殺者の家」を自らリメイクしたサスペンス作品!

 

 監督

アルフレッド・ヒッチコック

 キャスト

ジェームズ・スチュワート/ベン・マッケンナ

ドリス・デイ/ジョー・マッケンナ

 

クリストファー・オルセン/ハンス・マッケンナ

バーナード・マイルズ/エドワード・ドレイトン

ブレンダ・デ・バンジー/ルーシー・ドレイン

ラルフ・トルーマン/ブキャナン警部

バーナード・ハーマン/指揮者

 

主演は、ヒッチコック作品の常連で「めまい」「ロープ」「裏窓」などに出演し、フランク・キャプラ監督の「スミス都へ行く」「素晴らしき哉、人生」、ほかにも「リバティ・バランスを射った男」など30年代から70年代に活躍したアメリカを代表する男優のジェームズ・スチュワート。共演には「夜を楽しく」「ミンクの手ざわり」のドリス・デイ。62年にマリリン・モンロー主演で撮影中、彼女の死によって未完に終わった「女房は生きていた」に、新たに主演として出演しています。また、本作の主題歌になっている「ケ・セラ・せラ」を歌っています

 

 

 

▲ジェームズ・スチュワート/ベン・マッケンナ

▲ドリス・デイ/ジョー・マッケンナ

▲ブレンダ・デ・バンジー/ルーシー・ドレイン

米国人のマッケンナ医師(ジェームズ・スチュワート)は、妻のジョー(ドリス・デイ)と息子のハンクを連れて、モロッコへ休暇旅行に出かけた。偶然バスの中でベルナールと名乗るフランス人青年と知り合った。しかし、翌日彼は何者かに刺し殺され謎めいたメッセージを託される。さらに息子のハンクは何者かに誘拐されてしまう。知らず知らずのうちに一家は、某国の首相暗殺計画に巻き込まれ、ベンとジョーの2人は息子の行方を追うのだが・・・

 

 

  お得意の巻き込まれ型サスペンス

 

ヒッチコックと言えば「サスペンスの神様」として多くのサスペンス作品を残していますが、中でも”巻き込まれ型サスペンス”としても有名です。今では、ドラマや映画などで珍しくはないのですが、遡れば同じヒッチコックの35年の名作「三十九夜」あたりに行きつくのではないでしょうか。本作もヒッチコック得意の”巻き込まれ型サスペンス”の中の一本で、ほかにも「北北西に進路を取れ」「間違えられた男」「フレンジー」などたくさんあります。邦画でも以前レビューした「ゴールデンスランバー」「メランコリック」など面白い作品がたくさんありますね。いずれにしても、その”巻き込まれ型サスペンス」というジャンルを定着させたヒッチコック作品の中の一本です。ちょっとした誤解や思い違いなどから主人公が思ってもいなかった方向へ導かれ、事件に巻き込まれていくので一時も目を離せないドキドキ感がります

 

 

 

 

  暗殺へのカウントダウン!

 

この映画を語る上で欠かせないのは、やはりロイヤル・アルバート・ホールを舞台にした暗殺計画ではないでしょうか

 

若干ネタバレになりますが、演奏会のさ中、シンバルが叩かれる瞬間に某国首相が狙撃される計画なのですが、この曲の最後に叩かれるシンバルまでの十数分間が暗殺へのカウントダウンとなります。正確には演奏が始まりシンバルを叩くまでの12分の演出が見事です。荘厳な演奏、オーケストラ、殺し屋の拳銃、狙われる首相のアップ、楽譜、見つめるジョーの視線、ベンがひとつひとつ開ける扉、この間は演奏が聞こえるだけでセリフが一切ありません!やがて曲の最後へ差し掛かりシンバル奏者が立ち上がり構えます・・・次々に変わるカットに文字通り手に汗握る緊張感に包まれます。実は、少し前の段階で殺し屋が、演奏をレコードで聴いてシンバルのタイミングを計っているシーンがありました。計画ではそのシンバルの叩く音と合わせて銃で撃つ(シンバルの音で銃声をカムフラージュする)というものでした。クライマックスに向けて高まる緊張感を見事なカメラとカットで表現しています。ちなみに、この時オーケストラを指揮していたのはバーナード・ハーマンで、ヒッチコック作品では「鳥」「北北西に進路を取れ」「めまい」などの音楽を手掛けた有名映画音楽家です。楽器の音でカムフラージュしてライフルで暗殺するという演出はその後いくつもの映画でも使われています。「ミッションインポッシブル・ローグネイション」でも似たシーンがありましたね

 


 

  ドリス・デイの「ケ・セラ・セラ」

 

この映画で忘れてはならないのが誘拐された子どもを追う母親役のドリス・デイが歌う「ケ・セラ・セラ」でしょう。この曲は多分多くの人が聴いたことがあると思いますが、意外にこの映画の主題歌であることを知らない人が多いようです。「ケ・セラ・セラ」は、多くの歌手にカバーされCMなどでもよく使われている曲で、日本でも56年の紅白歌合戦でペギー葉山さんが歌っています。「ケ・セラ・セラ」はスペイン語で「なるようになる」と訳されていますが、もともとは「人生は自分が切り開く」というようなポジティブな意味合いのようです。そう思うと窮地に立った彼女が歌ったことに意味があるように感じますね

 

劇中に彼女が歌うシーンは2回あります。1度目は序盤でジョー(ドリス・デイ)とハンクが仲良く歌うシーンがあり、2度目は終盤、誘拐されたハンクを追って大使館で歌います。大使館のどこかに捉えられているはずなのだが確かではない。歌手である彼女はピアノの弾き語りで歌い始め、やがてそれは涙声となり、それでもどこかに捉えられているであろう我が子に訴えるように歌い上げます。その歌声は大使館に響き渡り、ハンクが捕われている部屋まで届きます。命の危険が迫るハンクを可哀そうに思ったルーシー

「あの声はママだ!」

「それ本当?間違いない?」

「うん、絶対ママだよ」

「じゃあ、指笛で知らせなさい」

母親の歌声に合わせて子どもの指笛がかさなり、この大使館のどこかに居ることを悟ります。今までの緊張感からささやかな感動を生みます

 

 

 

ヒッチコックらしいハラハラドキドキの映画なのですが、随所にクスッと笑える場面も抜かりありません。前半、夫婦で行ったレストラン。そこは椅子ではなく背の低いフカフカのソファーで、高身長のベン(ジェームズ・スチュワート)はなかなか上手く座れない。彼だけが何度もひっくり返り、長い脚を持て余します。実際彼の身長は191センチでした。もうひとつは、イギリスにもどってきたジョー(ドリス・デイ)のところへ遊びに来た4人の仲間たち。誘拐事件のことは最後まで知らず能天気な会話が、緊張の中での安らぎのようでした

 

全て解決して、初めて仲間4人の前に息子ハンクを連れてドアを開けます。さんざん待たされ事件も知らない彼らは酔いどれてソファーにひっくり返っています

「お待たせ。この子がハンスよ!」

この映画では音楽がキーワードになっています。いつものヒッチコック作品より若干サスペンス色は弱いですが、今観ても楽しい一作です。是非どうぞ!

 

 

 

相変わらず映画三昧の日々を送っていますが、10年くらい前から映画の”初見と再見”の比率が逆転してきました。若い頃は当然ですが圧倒的に初見の映画が多かったですが、このごろは再見の方が若干多くなってきました。当然、年齢に比例して見てきた映画の数が違うこともありますが、2度目や3度目で新たな発見や面白さを感じることが多いこともあります。残念ながら記憶力が落ちてきたこともあるでしょうね。さらに、その映画を知っているという安心感もあります。ただ、好きな映画、名作はやはり何度見ても面白いです。今日の映画はそんな繰り返し見るお気に入りの一本です

 

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夜の大走査線

1967年/アメリカ(107分)

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対立しながらも殺人事件の捜査をともにすることになった白人の警察署長と黒人刑事の活躍を描く社会派サスペンスドラマ!

 

 監督

ノーマン・ジェイソン

 キャスト

シドニー・ポワチエ/ティッブス刑事

ロッド・スタイガー/ギレスビー署長

 

ウォーレン・オーツ/サム・ウッド巡査

リー・グラント/コルバート

ラリー・ゲイツ/エンディコット

ウイリアム・シャラート/市長

 

監督はマックイーンの「シンシナティ・キッド」「華麗なる賭け」のノーマン・ジェイソン。主演は「手錠のままの脱獄」「野のユリ」「招かれざる客」「ジャッカル」などのシドニー・ポワチエ。相手役の警察署長役には「波止場」「質屋」「夕陽のギャングたち」などの名優ロッド・スタイガー。さらに「ワイルドバンチ」「ガルシアの首」などサム・ペキンパー作品に多く出演していたウォーレン・オーツ。唯一の女性出演が「シャンプー」「さすらいの航海」のリー・グラント。あとで知ったのですが脇役として有名なスコット・ウィルソンのデビュー作でちょこっとだけ出てます

 

 

 

 

 

▲シドニー・ポワチエ/ティッブス刑事

▲ロッド・スタイガー/ギレスビー署長

▲ウォーレン・オーツ/サム・ウッド巡査(右)

▲リー・グラント/コルバート

警官サム(ウォーレン・オーツ)は深夜のパトロール中、町の実業家が殺害されているのを発見する。めったに殺人事件など起こらない田舎町で、気負ったサムは駅で列車を待っていた黒人をいきなり容疑者として逮捕した。ところがその黒人はバージル・ティッブス(シドニー・ポワチエ)というフィラデルフィア警察の殺人課の優秀な刑事で、休暇で母の所へ帰る途中だった。初めて殺人事件を扱うギレスピー署長(ロッド・スタイガー)はベテランのティッブスの協力を頼みたいと思ったが、人種偏見の強い土地柄の上、自身のプライドもあり素直に頭をさげることができなかった。しかし、彼の論理的な思考と刑事としての手腕に二人で捜査を続けるのだが、たびたび捜査方法をめぐり対立した上に、黒人に調べられるという屈辱に町民たちの怒りは頂点に達していたのだった・・・

この作品は1967年の第40回アカデミー賞において、「卒業」「俺たちに明日はない」「招かれざる客」などをおさえ作品賞を受賞し、さらにロッド・スタイガーが主演男優賞に輝いています

 

 

 

  原題は「In the Heat of the Night」

 

原題を直訳すると「夜の気だるい熱さの中で」と訳すのでしょうか。題名はそれでよかったと思いますね。邦題の「夜の大走査線」ではいささか仰々しいですね。それでも映画としては、クライムサスペンス作品として最高の一本と推す人も多いです

 

冒頭はレイ・チャールズの主題歌をバックに、闇の中を走る列車のロングショット!これだけで一気に画面に引き込まれます。そして「ミシシッピ州スパータへようこそ!」という看板とは裏腹に暗く悲し気な空気に包まれ、この映画が一筋縄ではいかない予見を感じさせます

 

 

  ことごとくぶつかり合う二人

 

暑く気だるい夜に起きた殺人事件を発端に、偶然故郷に帰る途中で降りた都会の敏腕刑事と、人種差別が色濃く残る田舎町の警察署長が、いがみ合いながらも事件を解決していく物語です。単純な物取りの犯行として処理しようとする署長に対し、地道に事実を積み上げ論理的に解決しようとする敏腕刑事は何度もぶつかり合います。なんといってもこの映画の見どころのひとつはシドニー・ポワチエとロッド・スタイガーです。見るからにエリート然とした端正な顔立ちのシドニー・ポワチエに対し、始終ガムを噛んで大声で喚き散らすロッド・スタイガーが実にいいです。近年では相容れない二人がコンビを組んで事件を解決するバディ映画、例えば「48時間」のニック・ノルディとエディ・マーフィ、「ラッシュ・アワー」のジャッキー・チェンとクリス・カッター、「リーサル・ウェポン」のメル・ギブソンとダニー・グローヴァー、「バッドボーイズ」のウィル・スミスとマーティン・ローレンスなどを思い浮かべますが、彼ら二人の場合バディという関係性でないところが面白い。事件の背景にもなっている人種差別というところが暗い影を落とします

 

映画のはじめに、サム・ウッド巡査(ウォーレン・オーツ)に、駅で列車を待っていただけなのに黒人ということで容疑者にされました。さらに同じ黒人から

「黒人が白人と同じ格好をしてる」

と驚かされるシーンもありました。今の映画と比較すると全体的には盛り上がりに乏しい映画ですが、骨太で見ごたえのある映画です。黒人に対する風当たりは想像以上だったに違いありません。実際に映画の撮影に際してもシドニー・ポワチエは南部での撮影に難色を示したと言われています

 

この映画は、アメリカの差別や暴力といった重いテーマを扱っていながら、人と人との関係を深くが静かに探る作品です。黒人が金を持っていれば泥棒に違いない、若者は無秩序で暴力的だ、というような偏見から間違った正義感が生まれなかなか正解にたどり着けない。そういう中で一人の黒人の敏腕刑事と反発しつつも認める警察署長の関係は、お互いの理解によって新たな価値観、正義を生んでいる気がしてなりません

 

 

 人種差別をテーマとした刑事ドラマ

 

刑事映画なのですが、昨今の拳銃をぶっ飛ばした痛快アクションではありません。サスペンス仕立てなのですがそれほど凝ったサスペンスではなく、全体的には時代性を考慮したとしても少し大味な印象です。同じような南部での人種差別をテーマとした映画でジーン・ハックマン、ウィレム・デフォーの「ミシシッピー・バーニング」と比べると、過激な差別描写は抑えめですが、そのぶんリアルな印象でした。例えば、ディップスとギレスビー署長が地元の有力者に捜査に行くとき、果てしなく続く綿花栽培で働く大勢の黒人を当たり前のように見ていたギレスビーがディップスに「お前さんには縁のない光景だろうな」というのを複雑な表情を浮かべていたのが印象的です。さらにその時訪ねた地元の有力者(たぶんギレスビー署長の同行がなければ、黒人のティッブス刑事には会うこともできなかった)からの平手打ちを即座に返したシーンも印象深いです。おそらく当時の南部の状況を考えるとかなり異常な出来事に違いありません。その日、市長がその顛末を聞いてギレスビー署長にこう言い放ちます

「君(署長)もずいぶん丸くなったな」

「何がです?」

「以前の署長なら、あの黒人が平手打ちを返した時点で射殺していたろう?」

物語の構図としては、都会の黒人刑事と田舎の警察署長が人種差別に抗いながら事件を解決していくのですが、シドニー・ポワチエの静かなスマートさが際立っています。この年シドニー・ポワチエは、黒人青年と白人女性の結婚をめぐる家族の葛藤を描いた「招かれざる客」、白人の高校に赴任してきた黒人教師を描く「いつも心に太陽を」、そして本作の3本に主演しています。いずれも全くタイプの違う作品ですが、人種差別を根底に描く意欲作でした。彼は人種の壁をぶち破った世界初の黒人映画スターです。いずれも話題になった映画でしたがシドニー・ポワチエはアカデミー賞ではノミネートすらされていませんでした

 

 

  二人の握手

 

この映画でギレスビー署長を演じたロッド・スタイガーはこの年話題になった「俺たちに明日はない」のウォーレン・ベイテイ、「卒業」のダスティン・ホウマン、「暴力脱獄」のポール・ニューマンらを抑えてアカデミー主演男優賞を獲っていますが納得です。終始相手を見下す態度をとりますが事件を解決したい気持ちは変わりません。途中でディップス(シドニー・ポワチエ)が、誤認逮捕を証明した時も、新たな証拠を発見した時もいっさい謝罪やお礼の言葉もありません。途中、ディップスが事件から手を引くことになった時も、駅のホームのベンチまでやってきて「俺に頭を下げさせるつもりなのか?」と言いつつ暗の協力を求めていました

 

この映画はの面白さは、アクションでも謎解きでもなく、ディップス(シドニー・ポワチエ)とギレスピー署長(ロッド・スタイガー)という正反対の二人の正しい対立構図にあります。ディップスは正しい警察官としての職務を全うしようとし、ギレスピー署長は町の秩序をまもろうとする。この秩序と感情のぶつかり合いがあるものの、根本はお互いを認め合っていたに違いありません。

 

事件はディップスの活躍で解決します。それでも面と向かって感謝するシーンはありません。ただ、帰るときになって彼のカバンを黙って駅まで運んであげます。これが最大限の彼流の感謝の印なのでしょう。謝罪も友情もすべて言葉の外にあります

「バジール!」

「元気でな・・・」

いがみ合っていた二人がお互いに見せる初めての笑顔でした。この映画では、事件としての謎解きはそんなに重要なことではありません。先に述べた人種差別問題などの偏見を、ふたりによって変化の兆しを見せつけられたように思います。原題のごとく「夜のけだるさの中で」人間同士が少し寄り添うことで変えられることを告げているようで深い物語でした

 

レイ・チャールズの主題歌が流れて冒頭と同じ赤褐色の列車が静かに去っていきます。骨太でイカした映画でした

 

是非どうぞ!

 

 

3月の恒例の「シネマDEクイズ」で、「泣ける映画(洋画)といえば?」の投票型クイズをやらせていただき、上位には「ニュー・シネマパラダイス」「タイタニック」などの有名ヒット作が並ぶ中、今回はボッチ投票だった作品、個人的に好きな作品を紹介します

 

☆☆映画なんでもベストて~ん☆☆

 

3月のクイズ企画では、泣ける映画は55作品投票されていますが、ほかにもたくさんあります。年代によって支持される作品は違うでしょうが、アクションやSFのように映像技術が左右するジャンルと違って比較的年代に左右されないジャンルではないでしょうか。家族愛、動物愛、不治の病、ラブストーリーなど、どんなに時代が変われど”泣ける映画”はあります

 

ベストて~んとは謳ってますが、10作にこだわらず順位づけをせず思いつくまま並べてみます   

 

 泣ける映画と言えば(洋画限定)

 

◆チャンプ/1979年 

親と子の絆を描いたボクシング映画。ジョン・ヴォイト、フェイ・ダナウェイら出演で名画座で初めて見た時は号泣した記憶があります。子どもが出る映画は反則ですよね。投票クイズではfranken68さんがブービーに挙げていました。多くの方が知らないと思いますが「クレイマー、クレイマー」と並んで子どもが主演級で出ていて泣ける映画の筆頭格です。是非見て欲しい作品です

 

◆慕情/1955年 

香港に住む女性医師とアメリカ人特派員の悲恋の物語。ジェニファー・ジョーンズとウイリアム・ホールデンが主役。主題歌「慕情」は多くの歌手にカバーされており、誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。投票クイズでは”きわみ”さんがブービーに推していましたが、ぼっち投票でした。本来ならたくさんの票を集めていてもおかしくない名作です。王道の恋愛映画、是非ご覧ください

 

◆「家(うち)に帰ろう」/2017年 

自分を救ってくれた命の恩人に再会するためにアルゼンチンからポーランドまでの旅に出た88歳の老人を描いたロードムービー。この映画は全く知らなかったのですが、先の投票で”寡黙な天然水”さんがブービーに推した映画です。先日、偶然レンタル出来る機会があったので借りてきて見ました。いやあ~泣きました(笑)。こういう知らなかった映画との出会いはうれしいですね

 

◆鉄道員/1956年 

ピエトロ・ジェルミ監督・主演のイタリアの名作。初老の鉄道機関士とその幼い息子の目を通して描いたヒューマン・ドラマ。イタリアの映画音楽作曲家のカルロ・ルスティケッリ

「鉄道員」は今でも親しまれている名曲です。先のクイズではぼっち投票でした。モノクロ作品でピエトロ・ジェルミ作品では「刑事」とならんで見ていただきたい作品です。映画、映画音楽共にトップクラスに名前が挙がる作品です。見たことがない人は是非どうぞ!

 

◆わたしは、ダニエル・ブレイク/2016年 

イギリスの名匠ケン・ローチ監督作品。仕事に就けない老齢の男性とシングルマザー家族の交流を軸に、社会から取りこぼされた人々が、非人間的かつ非効率的な国の制度によって人間としての尊厳を奪われ、押し潰される様を鋭く描いた作品です。以前レビューしています。「わたしは、ダニエル・ブレイク!人間だ。犬ではない~」という魂の叫びに大泣きしました。先の投票でワンダがブービーに推したのですが、残念ながらぼっち投票でした。地味な映画ですが是非見て欲しいです

 

 

◆シェルブールの雨傘/1964年 

カトリーヌ・ドヌーヴ主演のフランス・西ドイツ合作の恋愛映画。なんといってもミシェル・ルグランの曲は未だに映画音楽のベストに推す人も多い名曲です。愛し合っていた二人が離ればなれになり、数十年ぶりに再会するガソリンスタンドのラストシーンが何とも言えません。先の投票では、いつも投票クイズには参加していただく70代の映画ファンの女性(メーセージ投票)がNO2で投票してくださいました。結局はブービーはおろか、ぼっち投票だったのは驚きです。いつまでも語り継ぎたい映画の一本です

 

◆初恋のきた道/1999年 

チャン・イーモウ監督による中国の恋愛映画。貧しい寒村を舞台に、都会からやってきた教師と村の少女との純愛を描く作品でチャン・ツィイーの出世作。美しい画像と細やかな描写、チャン・ツィイーの瑞々しさでいっぺんにファンになりました。残念なことに先のクイズでは投票ゼロでした。個人的にはわたしが見た中国映画の中で間違いなくナンバーワンです。大好きな一本で泣けます!

 

 

◆街の灯/1931年 

チャップリンが監督・脚本・主演を務め、目の不自由な花売り娘に恋をした男の奮闘を、ユーモアとペーソスを織り交ぜながら描いた名作サイレント映画。感動的なラストシーンは何度見ても胸がつまります

 

◆コーダ・あいのうた/2021年

フランス映画「エール!」をハリウッドでリメイク。耳の不自由な家族を支える少女が、夢と現実の間で葛藤する姿を描くハートフル・コメディ。障害者と漁師という題材も重くならず1人の少女の瑞々しい成長物語として描いて好感が持てます。もちろん感動場面もありますが、ハートフルで多幸感の残る秀作です。投票では一票のみのぼっち投票でした

 

◆マイ・フレンド・フォーエバー/1995年 

HIVに感染した友と二人で、特効薬が見つかったという記事を頼りに旅する友情・ロードムービー。「依頼人」のブラッド・レンフロと「ジュラシックパーク」のジョセフ・マゼロの二人の少年役がいいです。特に、ブラッド・レンフロは、2008年に25歳という若さで亡くなっており、彼の新しい映画を観ることは出来ませんが、「マイ・フレンド・フォーエバー」の中で永遠に生き続けます。先の投票でワンダが挙げさせてもらいましたが、ぼっち投票でした

 

 

◆哀愁/1941年 

ヴィヴィアン・リーとロバート・テイラー主演の、戦争によって引き裂かれてしまう悲恋を描くメロドラマ!まさに超美人と超美男子の組み合わせで、ルッキズム批判の現代ではもうこのような映画は作れないかもしれないですね。モノクロですが、それがヴィヴィアン・リーの美しさと哀しみを際立たせているように思います。主演の二人がキャンドルライトの中でダンスをするシーンでつかわれたのが”別れのワルツ”(蛍の光)でした

 

◆ポネット/1996年 

4歳にして母親を失った幼女ポネットが、母の死を乗り越えていくまでの軌跡を描くフランスのヒューマンドラマ。主演のV・ティヴィソルは最年少(5歳)でヴェネチア国際映画祭主演女優賞を受賞しています。かなり昔、10本くらいまとめて借りてきたレンタルビデオの中の一本で、全く予備知識なく観たのですがびっくりするくらいの良作です。しかも号泣でした。機会があれば是非もう一度観たいです。「泣ける映画」の投票ではゼロでした

 

◆やさしい嘘と贈り物/2008年 

ひとりで寂しい日々を過ごす老紳士が、ある老婦人との出会いで、自分の過去に気付いていく姿を描く感動的なドラマ。

マーティン・ランドーとエバン・バースティンの名優二人が愛おしい。ネタバレ厳禁の映画ですから、初めて見る人は絶対にあらすじを読まないように!今回ワンダのブービー候補に挙げた作品でしたが、残念なことに投票はゼロでした。絶対に見るべき一本だと思います

 

 

◆きみに読む物語/2004年 

残念ながらこの映画は、先の投票では投票がありませんでした。個人的にはブービー候補に挙げた一本です。認知症を患っている老女と男、そして若き日の若い二人の2つの物語で構成されています。ライアン・ゴズリング、ジーナ・ローランズら豪華な俳優陣で見どころ満載です。単なる恋愛モノという事だけでなく人生観、そして老齢社会など織り込んだ作品です。以前レビューしています

 

 

◆最高の人生の見つけ方/2007年 

「スタンド・バイ・ミー」などのロブ・ライナー監督作品。余命宣告された2人の男が、死ぬ前にやり残したことを実現するために共に冒険に出るハートフル・ストーリー。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンのコンビが抜群にいいです。なんといってもラストが素晴らしい。2019年に吉永小百合&天海祐希でリメイクされています。先の投票では”よらひく”さんがぼっち投票でした。個人的には穴人気になると予想してました。是非どうぞ!

 

 

◆めぐり逢い/1957年 

「再会の約束は、半年後のエンパイア・ステートビル」。ケーリー・グラント&デボラ・カー主演の王道の恋愛映画。1993年にトム・ハンクスとメグ・ライアンの「めぐり逢えたら」でリメイクされました。エンパイア・ステートビルと聞くとこの映画を思い出します。結末が分かっていても涙する映画です。残念ながら先の投票では一票もありませんでしたが、忘れて欲しくない一本です

 

 

◆スモーク/1995年

いつかレギュラーでレビューをしようと思っていました。ハーヴェイ・カイテル主演映画。ブルックリンの煙草屋に集まる人々の日常を描いた心温まる物語。主演は大好きなハーヴェイ・カイテルで「テルマ&ルイーズ」「レザボア・ドッグス」と並んで彼のベストムービーではないでしょうか。なんと言ってもラストのクリスマス・ストーリーに魂を揺さぶられます。心が渇いたら何度でも味わいたくなる映画です。是非どうぞ!

 

◆汚れなき悪戯/1955年 

モノクロのスペイン映画。修道士たちの手によって育てられた少年の身に起きる奇蹟を描いた名作ドラマ。少年の無垢な演技に心打たれます。個人的にはこの年代では「禁じられた遊び」(52年)と共に印象深い一本です。主題歌「マルセリーノの唄」を聴いているだけで泣けてきます。投票では”パイン”さんのぼっち投票でした。「禁じられた遊び」はそれなりに投票があったので意外に少ない印象でした

 

◆ステラ/1990年 

未婚の母として誰にも頼ることなしに力強く生きてゆこうとする女性とその娘の20年間にわたる愛情に満ちた関係を描く。主演のステラ役には「ローズ」「殺したい女」のベット・ミドラー。なんといっても泣かせるのが、娘への無償の愛。
ベタなストーリーにも関わらず、そこの普遍的なものがあるから深い感動が生まれます。「夢のカリフォルニア」を聴きたくなります。今回の投票ではゼロでした。はっきり言ってこの映画は苦手です、ラストシーンを含めて何度も泣けます!

 

◆マディソン郡の橋/1995年 

アイオワ州の片田舎で出会った、平凡な主婦と中年のカメラマンの4日間の恋を描く。クリント・イーストウッドが監督・主演を務め、名女優メリル・ストリープを迎えて描きあげた大人のラブストーリー。「人生の全てを家族に捧げた。せめて残りの身は彼に捧げたい」という彼女の遺言が泣けます。今回の投票クイズではすっかり忘れていました。思い出していれば絶対投票したはずです。”point7077・娘”さんと”ことてん”さんがブービー的中した作品でした

 

 

◆道/1954年 

第29回アカデミー外国語賞を受賞したフェデリコ・フェリーニ監督の名作。粗野で力自慢の旅芸人と口減らしの為に芸人に売られる娘の旅を通して生きることの寂しさ、苦しさを描く。主演のアンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナの演技も桁違いに素晴らしく、加えてニーノ・ロータの音楽が涙を誘います。投票クイズはなんと”パイン”さんとメッセ③さんのブービー(2票)というのが驚きでした。一度は見るべき映画です。泣けます!

 

◆オーロラの彼方へ/2000年

今回の投票でmimiさん推したブービー「オーロラの彼方へ」を見て思い出しました。30年の時を越えた「声のタイムトラベル」で結ばれる親子の絆を描いた感動のファンタジー&サスペンス。若干大味ですが見終わってすがすがしくなる映画。ハッピーエンドなのがいいですね

 

 

◆ディープ・インパクト/1998年 

今年の1月下旬に拙ブログの「映画のちょっといいセリフ」のコーナーでレビューしたばかりです。レビューの中でも話しましたが、この映画とほぼ同時期に公開され、今回も4票集めた「アルマゲドン」の陰に隠れた印象です。個人的にはこちらの方が印象深く、レビューの中でも書いた台詞で号泣した映画です。ロバート・デュバル、ティア・レオーニ、イライジャ・ウッドのそれぞれの物語すべてが泣かせます。今回の投票ゼロはちょっと残念です

 

 

◆ある愛の詩/1970年 

「ラストコンサート」「ジョーイ」「クリスマス・ツリー」など、泣ける映画が多い70年代(不治の病など一時流行りのようにたくさん作られた)の中の真打ちと言うべき作品が、この「ある愛の詩」「ロミオとジュリエット」ではないでしょうか。アーサー・ヒラー監督、アリー・マッグロー&ライアン・オニール主演の究極のラブストーリー。今見ると単純な物語ですが、「愛とは決して後悔しないこと」というセリフと共に当時は爆発的なヒットを記録しました。なんと言っても、フランシス・レイの音楽によって70年代屈指の恋愛映画となりました

 

 

◆ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア/1997年

余命幾許もないと診断された2人の若者が、海を見るために病院を脱走したものの、さまざまなことに巻き込まれるドイツ産ロードムービー!ラストで二人が見た海は・・。コメディタッチですが芯の通った青春映画です。誰もが泣く映画というより、じんわりと沁みる映画です。先日の投票でブービー候補にした作品ですが、最終的には投票ゼロでした。クイズ形式ではなく単純な投票形式だともっと違った結果になっただろうと思います

 

◆二十日鼠と人間/1992年

ジョン・スタインベックの同名小説をゲイリー・シニーズが監督し映画化したヒューマン・ドラマ。1930年代の世界恐慌時代のアメリカを舞台に、転々と場所を変えながら農家で働く二人の若者の夢を描く。主演はまだそんなに有名じゃなかった頃の、ゲイリー・シニーズとジョン・マルコヴィッチ。見たことのある人は少ないと思いますが、少し重い内容でじんわり沁みてくる映画です。地味な映画ですから投票はありませんでした。90年代を代表する人間ドラマだと思います

 

◆きみのためなら千回でも/2007年

アフガニスタンを舞台にしたカーレド・ホッセイのベストセラー小説を映画化した作品。当時はまだ平和だった1978年アフガニスタンの首都カブールに住む少年二人が主人公。ソ連による侵攻前後からタリバン支配下のアフガンの様子や民族問題が描かれており興味深い映画です。数年前ブログ友にすすめられて見た映画で涙が止まりませんでした

 

◆僕のワンダフル・ライフ/2017年

犬のベイリーが何度も生まれ変わって元の飼い主の元へ帰るまでを、時代の変遷と共に描くラブストーリー。監督は「ギルバート・グレイブ」などのラッセ・ハルストレム。数ある犬映画の中でも特出して面白く、泣けます!今回の投票では”しょーやん”さんのぼっち投票でしたが、もっと支持されると思ってました

 

◆メリーゴーランド/1973年

子供より仕事という、仕事人間の父親と暮らす白血病の10歳の少年が、死期を前にして念願だったメリーゴーランドに乗せてもらって、父の胸の中で息絶えるというイタリア映画。こうして書いているだけで泣けて来ます。東京下町の名画座で見ています。同時上映は同じイタリアの号泣映画「天使の詩」だった記憶があります

 

◆縞模様のパジャマの少年/2008年

観終わった瞬間は衝撃の方が上回り、涙も出ないがしばらくしてその結末にじわじわと胸を締め付けられる映画。ナチス将校の息子とユダヤ人強制収容所の男の子が主人公。戦争映画という枠を超え、友情ドラマとして感動が蘇ります。地味な映画なので知らない人も多いとは思いますが是非ご覧ください。ただし、かなり衝撃的な内容を含んでいます

 

 

何だかんだと思い出しているだけで30作品になりました。ただし、まだまだあります!文字数制限などの関係で以下は映画題名だけですが、泣けた映画ばかりです。中には10代~20代の時に見ただけなので今ならどうでしょうか

 

◆テルマ&ルイーズ

 

 

◆真夜中のカーボーイ

◆あの空に太陽が

◆きっと、星のせいじゃない

 

我が道を往く

パッチアダムス

真夜中のカーボーイ*レビューあり

哀しみは空の彼方へ

スケアクロウ*レビューあり

レナードの朝

素晴らしき哉、人生

50回目のファーストキス*レビューあり

レオン*レビューあり

 

観たことがない映画もまだまだたくさんあります。

 

「泣ける映画」みなさんのとっておき聞かせてください!