映画館で映画を見る時は「ひとり派?それとも複数派?」

 

少し前に某雑誌で映画鑑賞についてのアンケートを読んだことがあります。「映画館で映画を見るとき、ひとり派か?複数派か?」というものです。これは年代によって違うだろうし、見る映画のジャンルによっても違ってくるでしょうね。ちなみに、わたしの場合は丁度半分半分なので中間派なのでしょうね。アクションやラブストーリー、ファンタジーなどは圧倒的にカミさんと出かけるし、サスペンスやヒューマンドラマなどは会社帰りや休みの時に一人で見に行きます。10代~20代のころは9割が名画座だったので断然ぼっち映画でしたねえ~。残りの1割はデートで、友人と行ったのはエッチ系の映画くらいしか記憶がありません(笑)

 

 

誰かと一緒に見ると、その映画の感動や興奮を共有できるし、より映画を楽しむことが出来ます。なによりも一緒に映画を見たという思い出も残りますね。逆にひとりで見る利点は、自分の好きな映画を好きな時に自分のペースで見られることでしょうか。さらに、今の時代だと映画館が少なくなってきたことも微妙に影響しているかもしれません

 

「映画館は夢の世界を堪能できる場所・・」そう語っているのはウッディ・アレンの「カイロの紫のバラ」でした。見た人はご存じだと思いますが、愛のない結婚から逃げるように主人公の女性ミア・ファローは足繫く映画館に通い、そこで夢と現実が交差します。もちろんそれは映画の中でのことなのですが、それに近い感覚にはなることがあります。やはり、映画館はわたしにとっても特別な場所です
 

 映画館で映画を見る時は「ひとり派?それとも複数派?」

 

<某雑誌のアンケート結果>

ひとり/38%

複数で見る/62%

(夫婦・カップル31%)

(友人・同僚23%)

(その他*親子など8%)

 

アンケート結果では約38%の人がひとりで映画館に見に行くようです。次いで夫婦かカップルが31%、友人、同僚が23%でした。ひとりで見に行く年代としては、絶対数でなく割合では20代が一番多く48%、次いで50代、そして60代以上が40%強という結果でした。50代~60代がダントツの一番と思っていましたが20代とは意外でした。ただし、これは比率で絶対数としては算出されていません。昔のような大型の映画館よりシネコンなど小型化して様々な映画がみられるようになったことも要因のひとつなのでしょうね

 

以前も少し書いたことがありますが、世界の国別の「のべ映画鑑賞人数」(映画館)は次の通りです

 

1位/インド 19.81億人

2位/中国 16.21億人

3位/アメリカ 12.39億人

4位/メキシコ 3.37億人

 

日本は第9位で約1.74億人でイギリスとほぼ同数です。日本においては1958年の11.27億人が過去最高です。なんと今はピークの2割にも満たない数字です。娯楽の少ない時代と今とは比較になりませんが、驚くべき数字ですね。逆にこんなに入場者数が減っているのに興行収入では過去最高に近い数字ですが、これは当時の入場料平均が約120円に対しての物価上昇に負うところが多く、貨幣価値換算をしても、ピーク時の1/3にすぎません

 

今や簡単に自宅で映画を見られる時代ですが、一人にしても複数にしても大画面での感動や興奮を味わうために、多くの人に映画館に足を運んでほしいものです

 

あなたは映画館で映画を見る時「ひとり派?それとも複数派?ですか?」

 

「ニュー・シネマ・パラダイス」1989年

「ペーパームーン」1973年

「LIFE!」2013年

 

最後に、映画館、自宅に拘らず、休みや夜にひとりで見るオススメ映画を少し。もちろんひとりですから好きな映画を見るのが一番です。アクションやホラー、コメディ、ラブストリーを気兼ねなく見てもいいでしょう。でも、一人だからこそ腰を据えてじっくり見て欲しい映画もあります。そんな時ちょっと見る映画に迷ったら是非どうぞ!(ほんの一部です)

 

「LIFE!」2013年

「モーターサイクル・ダイアリーズ」2004年

「素晴らしき哉、人生」1946年

「過ぎ去り日の・・」1970年

「異人たちとの夏」1988年

「追憶」1973年

「スイング・ホテル」1942年

「英国王のスピーチ」2010年

「最強のふたり」2011年

「ペーパームーン」1973年

「きっと、うまくいく」2009年

「赤ひげ」1965年

「プリシラ」1994年

「スケアクロウ」1973年

「サンセット大通り」1950年

「君のためなら千回でも」2007年

「ショーシャンクの空に」1994年

「ニュー・シネマ・パラダイス」1989年

「グリーンブック」2018年

「冒険者たち」1967年

「アラバマ物語」1962年

「ダラス・バイヤーズクラブ」2013年

「穴」1960年

「パリ・テキサス」1984年

~などなど

 

 

 

 

 

ひとり映画のオススメありますか?

 

 

 

アカデミー賞作品賞を含む7部門を獲得した、クリストファー・ノーラン監督「オッペンハイマー」が少し前にかなり話題になりました。ご覧になられた人も多いと思いますが”原爆の父”と呼ばれたオッペンハイマーを題材にした物語です。日本でも数多く原爆を描いた秀作があります。関川秀雄監督の「ひろしま」、今村昌平監督の「黒い雨」、新藤兼人監督の「原爆の子」などで、ほかにもたくさんの作品があります

 

それらの映画とは一線を画した原爆を題材にした”ぶっ飛び映画”があるのをご存じでしょうか?それは1979年公開の伝説の長谷川和彦監督作品「太陽を盗んだ男」です

 

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「太陽を盗んだ男」

1979年/日本(147分)

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日本映画界の異端児と言われる長谷川和彦監督作品で、原爆を作って国家に挑戦していく姿を描くピカレスク・ロマン!

 

▲左から長谷川和彦監督、沢田研二、菅原文太

 

 監督

長谷川和彦

 音楽

井上堯之

 キャスト

沢田研二/城戸誠

菅原文太/山下警部

 

池上季実子/沢井零子

北村和夫/検察庁長官

神山繁/総理秘書

佐藤慶/市川博士

風間杜夫/ラジオプロデューサー

水谷豊/交番の警官

 

監督は、30才で「青春の殺人者」(76)を撮り話題になった長谷川和彦監督で、本作が監督2作目になります。さまざまな伝説を残し”ニューシネマの旗手”と呼ばれた長谷川和彦監督もこの作品のあとは監督としての作品はなく、生涯2本しかメガホンを握っておりません。音楽は、グループサウンド全盛時に堺正章らと共にザ・スパイダースで活躍し、その後井上堯之バンドを率いて「太陽にほえろ」など数々の映画、ドラマを担当した井上堯之です。さらに「セーラー服と機関銃」「台風クラブ」の相米慎二、「ドッペルゲンガー」「散歩する侵略者」の黒澤清など、後に日本映画界を背負う人材がスタッフとして名を連ねています

 

▲沢田研二/城戸誠(犯人役)

▲菅原文太/山下警部

▲池上季実子/沢井零子

1970年代終盤の日本_

普段は冴えない中学の理科教師の城戸誠(沢田研二)。彼は東海村の原子力発電所からプルトニウムを盗みだし、たったひとりで自宅のアパートで原子爆弾を製造した。城戸は原爆を武器に、以前バスジャック事件に遭遇した時に知り合った山下刑事(菅原文太)を交渉相手に、国家に対して奇想天外なさまざまな要求をする。城戸の行き当たりばったりの要求を経て、やがて山下警部(菅原文太)らの警察に追い詰められていくのだが・・・

冒頭から閃光とともに原爆がさく裂する情景から始まり度肝を抜きます!

 

 

  圧倒的パワーのエンタメ作品

 

主人公は中学の科学教師の城戸誠(沢田研二)。原子力発電所からプルトニュウムを盗みだし、ひとりで原爆を作り出した上に国を脅迫するというぶっ飛んだ物語です。よくありがちな核による戦争を描いたり、諜報部員が活躍して盗まれた核を取り戻すというような娯楽アクションではありません

 

この映画のことを「荒唐無稽なクソ映画」という人がいるのは事実です。公開時にはエンタメ映画としてかなり話題にはなったもののヒットはしませんでした。しかし、一部の熱烈のファンからは熱い支持を受け、長らくカルト映画の位置づけでしたが、近年見直されつつある作品です。従来、原爆を題材にした映画は圧倒的に被害者側に立った重い内容が多いのですが、この映画は加害者側に立ち、日本では珍しいエンタメ作品に仕上げています

 

この映画を初めて見た時の印象が、スコセッシ監督の名作「タクシードライバー」(76)と似ていると感じました。何かをしたいけど何をすればいいのかわからない若者の焦燥感、都会の闇を描いた「タクシードライバー」と心情的には似ています。決定的なのは”原爆”を据えたことです。その破壊力(映画のインパクト)たるは想像以上で、一度でもご覧になった方には判ると思いますが、映画からほとばしる熱量は見る者を圧倒します。まさに”ぶっとび映画”です!単なるエンタメから一歩も二歩も抜きん出ており、じっくり読み取れば超一級の社会派ドラマでもあります

 

物言わぬ群衆、つまり日本人の凋落ぶりを暗示しており、ある意味歴史を振り返る意義ある作品だと思います

 

 

 

 

  沢田研二VS菅原文太

 

公開時、菅原文太さん46才、沢田研二さん31才で、2人とも人気絶頂の時期で画面からも勢いがひしひし感じます。配役では、歌手としても絶大の人気を誇ったジュリーが反体制側の犯人を演じ、ヤクザ映画で一世を風靡した文太さんが体制側の警察と言うのも面白い。当時歌手として人気絶頂のジュリーのスケジュールが空くの1年以上待ち、対して「トラック野郎」シリーズがヒット中の菅原文太さんとの調整でさらに時間がかかり、難産の上に生まれた異色コンビでした。映画を見ればおわかりいただけますが、城戸(沢田研二)は無気力な70年代のシンボル、そして山下警部(菅原文太)は日本という国の象徴のように描かれています

 

ストーリーや展開は「ええ?」と首を傾げたくなるところも多いですし、45年も前の映画ですから古さや陳腐さは否めません。さらに主人公の二人以外の描き方が雑で、特に池上季実子のシーンは必要だったのでしょうか?それでも沢田研二と菅原文太の二人を軸に「中学教師が原爆を作り、国家を脅迫する」という荒唐無稽な物語を、それらを超える圧倒的な映画のパワーに満ち満ちている快作です

 

原爆をタテに政府に要求したことは

「プロ野球のナイター中継を最後まで見せろ!」

「ローリングストーンズの日本公演!」

そのほかにもいろいろ無茶な要求をするのですが一貫性がなく、主義主張がありません。もともと城戸は原爆を持つことが目的なので、要求は行き当たりばったりです。何かをしたいけど何をしていいかわからないというあの時代の若者の葛藤を浮き彫りにしています。さらに、電話の中で自分を”9番”を名乗っていたのが印象的です。当時の核保有国が非公式を合わせて8カ国でしたから、”9番目”というのは大きな意味を持ちます

 

やる事がすべて規格外で、今は無き渋谷東急百貨店のシーンや、札びらをビルから降らせるシーン、さらに今では絶対に出来ない首都高や皇居前、国会議事堂などのゲリラ撮影は、予め警察に自首する要員を何十人も用意されていたと言いますから、やることがケタ外れです。ただ、それによって臨場感あるエネルギッシュな映像も納得できます。個性的な2人を主役に据えたことでエンタメ色が強く、若干薄っぺらく感じるのは残念ですが、前半のポップな展開から後半は怒涛のアクションの連続。いわゆる反体制のピカレスクロマンで、未だに「日本映画史上最高の一本」に推すファンも多いと言います

 

「太陽を盗んだ男」(79年)/沢田研二、菅原文太

「青春の殺人者」(76年)/水谷豊、原田美枝子

  伝説の長谷川和彦監督

 

長谷川和彦監督のデビュー作は、水谷豊主演の「青春の殺人者」で1976年度キネマ旬報年間ベストワンに輝き、2作目の本作が1979年度キネマ旬報年間ベスト2に輝いています。ちなみにその時の1位が今村昌平監督の「復讐するは我にあり」でした。監督デビューから2作品をキネマ旬報で1位と2位を取り華々しいスタートを切りながらその後の監督作品はありません。長谷川和彦監督には、酒、麻雀、女、喧嘩とさまざまな豪傑伝説があり、やんちゃなエピソードにはこと欠かない伝説の監督です。その背景には長谷川監督自身が広島生まれで「胎内被爆」しており、一般的に被爆二世は早死にすると言われており、わたしには人生を生き急いでいるように見えました。そしてそれは、物語の主人公である城戸誠とダブって見えます

 

そんな型破りの長谷川和彦監督が、生涯2本の映画しか撮れなかったのは不思議であり残念です。何度も新作映画の噂が流れたもののついに実現しませんでした。公開後十数年も経ったあと、この作品のメイキングビデオを見た長谷川監督自身が漏らした一言が

「こいつ(長谷川和彦)にもっと映画を撮らせてやりたかったなあ~」

自分の考える映画が撮れないのならば撮らないという生きざまは、当時の映画界では狭すぎたのかもしれません

 

 

  70年代の日本への警鐘

 

この映画が恐ろしいところは、舞台が唯一の被爆国である日本だということです。そして、その恐怖を感じないままに見ていることです。つまり、被爆の記憶が歴史のかなたへ置いていかれていることです。物語の最初の方に、戦争の悲しみを知る老人が「天皇陛下に合わせろ」と言ってバスジャック事件を起こし、射殺されたことで犯人の城戸誠のスイッチが入ります。城戸の口癖は「この世の中はクソだ!」で、無気力に過ごす自分や世の中に苛立ちがあったことは間違いありません。この映画の題名になっている「太陽」は原爆のことを指していますが、もっと掘り下げれば”希望”や”悲しみ”そして”警告”というような意味があった気がしてなりません。つまり、バスジャックの老人も城戸も同じで、その「太陽」を手に入れたかったのではないでしょうか

 

何度も言いますが、45年も前の映画ですから古さや陳腐さは否めません。今の映画を見慣れた人たちには本作のような70年代の映画は安っぽく映ることでしょう。今の邦画は技術も大幅に進歩していることもありますが、音楽と画像で魅せる優等生の映画が多いです。それ自体はいいことに違いないのですが、ある一定の枠からはみ出せない印象です。本作は、かなり脚本が大雑把で娯楽映画としての完成度が高いわりに、大事なメッセージ性が弱く残念に思います。いい意味でも悪い意味でも長谷川監督のワンマンの映画で、もっと練られた脚本と製作費が加わっていれば日本映画史上最高の映画に成り得たに違いありません。それでも、じっくり長谷川ワールドを味わっていただきたい。この70年代の熱い思いを味わっていただきたい。たかがエンタメ映画と思うなかれ!高度成長の70年代に作られたこの作品に、日本人としてこの歴史とどう向き合うか問うていると感じました

 

この時代(70年代)と今では核に対する認識もかなり違ってきています。しかし、2023年のG7広島サミットで「核のない世界」を目標に掲げていたにも関わらず、先ごろアメリカの臨界前核実験(核兵器の新たな開発や性能維持のため)が行われ、核の恐怖は相変わらずです

 

ラスト近くに、争い合った山下警部(菅原文太)が城戸(沢田研二)に向かっていうセリフが印象的です

「俺にはお前が死にたがっているように見える」

「お前が殺したかったのはお前自身だ!」

公開当時、日本はアメリカに次ぐ世界の経済大国でした。過去を顧みずまっすぐ成長だけを目指し続けることへの警告のように聞こえます

 

  核の原点は何を語ったのか?

 

2023年に公開され、アカデミー賞7部門を獲得した「オッペンハイマー」にも少しだけ触れておきます。歴史に残る傑作と言われる反面、世紀の駄作という声もあり賛否のある作品です。どんな映画にも賛否はつきものですからそれについて何か言うつもりはありませんし、私自身も一度見ただけで十分に理解できたとは思っていません。ただ、好き嫌いは別にして単純に映画として評価するのならば登場人物が多すぎる上に専門知識が求められ、さらにノーラン監督得意の時間軸を組み替えているので分かりにくいということででしょうか

 

「オッペンハイマー」は”何を語った”のか?

そして、”何を語らなかった”のか?

 

重厚でいい作品であることは認めますが、今ひとつテーマが見えてきません。科学者としての苦悩、人としての倫理観を問うているのだと思いますが、それにしては被爆国の惨状が全くといっていいほど描かれておらず、絶対的に説得力に欠けます。どう見ても戦争に勝った国の論理で作られているように見えます。敗戦が確実視された日本へ、あの時点で投下する必要があったのでしょうか?科学者のエゴ、国の威信etc・・・そのほかにも個人的にいろいろ思うところがありましたが、今の私の頭では整理しきれていないというのが本音です。もう少し事前準備をして、あと何度か見なければわからないと感じました。ただ、この映画はある意味秀作だろうとは思いますがレビューする気にはなれません。クリストファー・ノーラン監督は今まですばらしい映画をたくさん残しており素晴らしい監督であることに異論はありません。ただ、彼がなにを言いたかったか私の頭では最後まで理解できませんでした

 

クリストファー・ノーラン監督は好きな映画監督の一人なのですが、彼にこの微妙なテーマは向いてないように感じてなりません。「メメント」「TENETテネット」「インセプション」は面白い映画だと認めますが、「ダンケルク」を見てわかるように抒情的な作品にふさわしい監督だとは思えません。「オッペンハイマー」は何を語ったかというより、なにを語らなかったのかだと思います。科学者としての好奇心なのか、愛国心なのかわたしには最後まで理解出来ませんでした。あのアメリカが”原爆”をとり上げる以上、全世界に認められる(賞の有無やヒット)映画でなければなりません。今一番稼げる監督の一人というのが、理由のひとつであったと推測します。ただ、多くの人に核というものに対して向き合う機会を作ってくれた映画であったことは間違いないです

 

 

  忘れられない叔母の白い手

 

ラストシーン_大量の放射能を浴びた上に屋上から落ち、ひん死の状態で城戸(沢田研二)は原爆を持ちながら街を歩きます。城戸もまわりの人間もお互いのことなどまるで無関心で、いつものようにガムを噛みながら抜けかけた髪をむしり、うつろな目で街をさまよい続けます。繁栄し続ける街、ネオン、楽しそうに歩く人々・・そんな景色をバックに響く爆弾のカウントダウンの音を聞いて背筋が凍る思いでし死

 

個人的な話しになりますが昭和20年8月、まだ小さかった叔母(母の妹)は広島で被爆し20年近くの闘病生活の末、若くして亡くなりました。わたしがまだ小学校に上がる前に一度だけ広島の病院に連れていかれたことがあります。初めて私と対面した叔母は「あなたが〇〇クン?鼻筋と目が亡くなった○○姉さん(私の母の名)そっくりね。負けん気が強そうないい顔してるわ」「わたしね、もうずいぶん長いこと外を歩いたことがないの。可笑しいでしょ?いつか病気が治ったら一緒に歩てくれる?」そう問われて、私は「うん!」とだけ返事をしたのをうっすらと覚えています。その時の叔母は、ガリガリに痩せてはいるものの、色白で怖ろしいくらい美しい人でした。そのころは病状も悪化して”外を一緒に歩きたい”という儚い願いは叶うことなく、その後すぐ亡くなったそうです。被爆の事実も病名もずっとあとで一番上の叔母に聞かされました。わずか30分ほどの短い時間でしたが、わたしに会うことを何年も前から強く望んでいたと聞きました。最初で最後に見た叔母の若く美しい顔と、透き通るような真っ白な手を今だに忘れることはできません

 

目ざましい科学の進歩で私たちは便利さと快適さを手に入れました。ただ、それと引き換えに温暖化という途方もない化け物に襲われています。そもそもの発端は、この映画でも訴えている人間の無関心さです、想像力のなさです。対岸の火事と思っている戦争や核の恐怖はずっと終わりません。どんな正論を聞かされようと戦争や核使用が許されるべきではありません

 

相変わらず世界のどこかで争い続き、いまだに核の恐怖、いや日本に関してはその恐怖さえ希薄になりつつあります。映画はエンタメであると同時に未来へのメッセージです。わたしたちは”試されている”のだろうと思います

 

レンタルなどで見るには難しいとは思いますが、45年前の熱き思いを是非感じていただけたらと思います

 

 

 

寒いですねえ~夏は暑く冬は寒い典型的な温暖化の影響です。海水温も異常に高く、地球はいったいどうなってしまうのでしょうか。我が家ではささやかな節電、節水、食品ロスをなくすということを無理のない程度でやっています。個人の力など大したことはないでしょうが、それが10万、100万と積み重なれば大きな力になります。地球にいいことしてますか?

 

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「シネマDEクイズ」

    第85回  答え

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今回もたくさんの回答ありがとうございます!

 

コメントより23件、メッセより1件の合計24件でした。解答編をアップした段階で、みなさんのコメント承認をしておりますのでそれぞれの回答をご覧ください

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さて、答えです!

 

<問題1>/「私は誰でしょうクイズ」

 

画像①の答え「メリル・ストリープ」

 

「ディア・ハンター」「ソフィーの選択」「マディソン郡の橋」「プラダを着た悪魔」「マンマ・ミーア!」など代表作は書ききれません。アカデミー賞には最多21回のノミネートを誇るメリル・ストリーブ。現在75才ですがまだまだ美しい。問題の写真は45年前、当時30才の時の「クレイマー、クレイマー」の一場面です。驚くほど変わっていませんね

 

画像②の答え「ニック・ノルティ」(写真の左)

 

主な出演昨は「48時間」シリーズ、「ケープ・フィアー」「ホテル・ルワンダ」などでアクション、ドラマ、コメディと幅広く活躍しています。現在83才で、問題の画像は19年公開の「エンド・オブ・ステイツ」(当時78才)の時のものです。ロバート・レッドフォードとの「ロング・トレイル!」で久々見た時の変貌ぶりも驚きでした

 

メリル・ストリープのみの正解が9人、両方正解が15人でした。さすがです

 

<問題2>/なぞなぞ

 

答え「チューバッカ」

(いつもキスしているのでチューバッカ)

 

なぞなぞですから(笑)

 

チューバッカは「スターウォーズ」シリーズに出てくる人気キャラクター。推定年齢200才だそうです。ハン・ソロ(ハリソン・フォード)とは固い友情で結ばれています

 

正解は13人で約半分。おみごとでした

 

<問題3>/「スリーヒント画像クイズ」

 

答え/「ナショナル・トレジャー」

 

2004年公開のニコラス・ケイジ、ダイアン・クルーガー主演の痛快アドベンチャー映画

 

画像③/アメリカの独立宣言(書)

独立宣言書が重要な手がかりでした

画像④/財宝

「トレジャー」は財宝、宝物の意。映画の中ではテンプル騎士団の財宝をさがします

画像⑤/ウォール街

財宝はウォール街のトリニティ教会の地下に隠されていました

 

キーワードが「独立宣言(書)」「財宝」「ウォール街」で答えは「ナショナルトレジャー」でした

 

正解は約半分の13人。意外に少なかったです

 

<問題4>/「トリミング」クイズ

 

答え/「ブラック・スワン」

 

 

バレエ「白鳥の湖」の主演に抜擢され、潔白な白鳥と官能的な黒鳥の二つを演じることになったバレリーナが、プレッシャーにより徐々に精神が崩壊していく様を描くサスペンス・スリラー。主演のナタリー・ポートマンはアカデミー主演女優賞を受賞しました。チラシでは美しい顔が壊れゆく姿をとらえた印象的なものでした

 

23人中14人が正解。特徴あるチラシなので映画は見たことがなくても知っている人もいると思います

 

<問題5>/「映画足し算クイズ」

 

答え/111

 

▲画像⑥/「黄金の七人」1965年

イタリアの犯罪コメディ。画像は主人公のひとりのロッサノ・ポデスタ。「ルパン三世」の峰不二子の元ネタとも言われています

 

▲画像⑦/「八日目の蝉」2011

角田光代原作小説を映画化したヒューマン・サスペンス。画像は逃亡先の小豆島の伝統行事「虫送り」のシーン

 

▲画像⑧/「96時間リベンジ」2012

 

リーアム・ニーソン主演の「96時間」の続編。画像は前作ブライアンに殺されたマルコの父親でマフィアのボスを演じたラデ・シェルベッジアです

 

7+8+96で答えは111でした

 

正解は、◎◎◎さん、ほくとさん、銀の三角さんの3人のみ。この足し算クイズは三つとも題名がわからないと解けませんから正解の3人お見事でした

 

<番外問題>

 

番外①の答え/「ジョーズ」

 

誰でも一度は見たことがあるであろう1975年公開スピルバーグ監督による海洋パニック・スリラー映画。写真は冒頭の浜辺のシーンで、記念すべき?サメの最初の犠牲者となる女性スーザン・バックリーニです(ポスターでジョーズの上を泳いでいる女性)

 

正解は、きわみさん、ほくとさん、ヒロクマさん、franken68さんの4人でした。さすがです!

 

番外②の答え/「引っ越し大名」

 

2019年公開の、星野源、高畑充希などが出演の時代劇コメディ。写真は幕府の命で豊後の日田へ国替えする途中のシーン

 

正解は、conco852qさんとほくとさんの2人でした。お見事でした!「超高速参勤交代」など楽しい回答ありがとうございます

 

番外③の答え/「荒野の七人」

 

1960年公開で、盗賊から村を守る七人のガンマンの活躍を描いた作品(黒沢明監督の”七人の侍”のリメイク)。写真は、ラスト近くに村の子どもたちをかばって撃たれて死んだベルナルド(チャールズ・ブロンソン)らの墓に黙とうするシーン

 

正解は6人、きわみさん、マドモワゼルBさん、じゃむまるのシネマデイズさん、ほくとさん、point7077(娘)さん、ヒロクマさん、franken68さんでした。番外編の画像クイズは正解が1~2名の想定で作っていますからびっくりです

 

番外3問の全問正解がほくとさん一人、さすがでした!

 

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今回のレギュラー5問での全問正解が2人!

◎◎◎さん

銀の三角さん

お見事でした。1問目~4問目までの正解は多数でしたが、5問目の足し算クイズがポイントでした

 

レギュラー5問、番外3問の計8問での最多正解は

レギュラー4問+番外3問の計7問正解の

ほくとさん

 

次いでレギュラー4問+番外2問の計6問正解の

ヒロクマさん

 

お見事でした

 

次いで5問正解が

レギュラー3問+番外2問の

きわみさん

franken68さん

レギュラー4問+番外1問の

conco852qさん

じゃむまるのシネマデイズさん

point7077(娘)さん

レギュラー5問の

◎◎◎さん

銀の三角さん

でした

 

毎回、なるべくバリエーションを意識して問題を考えていますが、楽しんでいただけたでしょうか?

 

今回もたくさんの回答ありがとうございました。1問からの参加のみなさんにも感謝です。通常の映画レビューだけでは限りがあるので、こういう機会にたくさんの映画を思い出したり知っていただくことがこのクイズの目的です。映画を楽しみましょう!