架空ポップカルチャー・マガジン
『Adieu Romantique』No.15
~特集 : 今、このセカイに流れるべきBGM
トゥイー・ポップ【Twee POP】~
トゥイー・ポップ【Twee POP】』
遡れば。ブライアン・ウィルソンが全身全霊を込めて制作し、完成時にはメンバーのマイク・ラヴから「こんな音楽、誰が聞くんだ 犬か?」と言われた、1965年リリースのビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンド』をその始まりとして、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドや女の子だけのアマチュアリズムの極北と言えるバンド、シャグス、70年代のジョナサン・リッチマン、70年代末頃に登場したレインコーツやソニック・ユースなどのバンドやシンガーをその源流に置き、80年代後半のヴァセリンズやインディー・レーベル「C86」を創設したスティーヴン・パステルが率いたパステルズ、或いは「壊れかけたオモチャのような音楽」を代表するダニエル・ジョンストンを経て、彼らの音楽をリスペクトしたニルヴァーナのカート・コバーンがそれまでの「ロック=マッチョイズム」というステレオ・タイプの図式から離れ(僕自身も当時、マッチョなロックにウンザリしていて、感覚的に音楽はロックでなければ何でもいいとすら思っていた)、それまでにあった揺るぎない価値観、所謂、ロックを表現するファッションの定番であった鋲を打った革ジャンにドクターマーティンの8ホールのブーツを脱ぎ捨て、薄いカーディガンにコンバースのオールスターを履いてステージに上がった時から、Twee POPは本格的に始まったと言える。
この頃の日本では「渋谷系」の音楽が全盛だった。例えばロリポップ・ソニック(後のフリッパーズ・ギター)やカヒミ・カリィと峰川貴子が結成していたファンシー・フェイス・グルーヴィー・ネーム、シーガル・スクリーミング・キス・ハー・キス・ハー、マックドナルド・ダッグ・エクレア、ロケット・オブ・チリトリとか。今から考えればさまざまなバンドやシンガーたちがTwee POPと言えるような音楽を演っていた訳だけど、そんな中で特に僕が大好きだったのがシトラス【citrus】。当時、大阪では「渋谷系」への拒否反応が強かったし(大阪人はラテン系とよく言われるけど、ほんとは意外といろんな意味で閉鎖的だと思うな
)、シトラスに至っては聴いている人に出会ったことがないほど、マイナーな存在だったかも![]()
もともと遠藤倫子と江森丈晃の男女ユニットだったところに、1997年、正田圭と渡辺菜々が参加する形に。その音楽は可愛くて、脱力していてとても魅力的なTwee POPだった(今現在のTwee POPに最も近いかも知れない)。もともと彼らはカセット・テープで音楽をリリースしていて、1994年にようやくインディー・レーベル「Vinyl Japan」からミニCDアルバムを2枚リリース。その後フリッパーズ・ギターの小山田圭吾が主宰した音楽レーベル「トラットリア」に在籍してからもずっとシングル盤やミニCDアルバムのみのリリースで活動し、フルのアルバムは結局、最後まで出さなかった。そんなシトラスの早過ぎた感覚によるデビュー・ミニCDアルバム『Citrus Plant For Little Kids』から『911KGGI』とタイトル曲を。
📷️ペトラ・コリンズに影響を与えた写真家であり、インディペンデントの映画作家でもあったリチャード・カーン【Richard Kern】が撮ったTweeな感じがする「Girly Photography」をいくつか。
ビーチ・ボーイズとビートルズをリスペクトするウィル・カレン・ハートが率いたオリヴィア・トレマー・コントロール【The Olivia Tremor Control】の、2CDによるデビュー・アルバム『Dust At Cubist Castle 』(アート・ワークもすべてカレン・ハートが手掛けた)は、カレン・ハートが音楽仲間と主宰した、アメリカのジョージア州アセンズの音楽集団「(The) Elefant 6 (Recording Company)」から1997年にリリースされた。因みに。僕はこのアルバムの、まるでディズニー・ランドのようなポップ・ワールドの迷宮に嵌まり込み、続くセカンド・アルバム『Black Foliage』はもちろん、彼らの7inchアナログ・シングルなども買い集めた他、同じのアップルズ・イン・ステレオやニュートラル・ミルク・ホテル、オブ・モントリオールなども聴きまくることに。

アルバムの3曲目に収められた、ブライアン・ウィルソンをリスペクトしたかのようなポップソング『Jumping Fences』。

ダニエル・ジョンストンの曲『Devil Town』へのリスペクトから生まれた音楽レーベル「Devil Town Tapes」からリリースされた、omes のアルバム『boy』収録の『ok』ft.Vivi Milne 。
カナダのトロント発のTwee POPレーベル「dawk26」から。Josephine's Next Million Milesのアルバム『Backle Up』はとにかく僕の音楽嗜好のツボを押しまくってくれる。曲はアルバムから『Summer Song』。






































