本日の懐かしのホラー映画は、「ミザリー」(1990)。
スティーヴン・キング原作、ロブ・ライナー監督によるサイコスリラーの傑作です。

有名な作品で、多くの方が鑑賞済かと思いますので、物語のあらすじは割愛させていただきます。原作を大事にしているキングが、ロブ・ライナーが監督するなら・・で映画化にOKを出したと言われています。
また、舞台中心に活躍していたキャシー・ベイツがアカデミー主演女優賞を獲得し、その後多くの映画に出演するキッカケとなった作品でもあります。
本作を初めて観たのは、高校生の時です。
自分の生涯ベスト10に入る「スタンド・バイ・ミー」をはじめ、シュワちゃん主演作「バトル・ランナー」、少女リベンジものの傑作「キャリー」、自分に多大な影響を与えたTV映画「IT」等、1980~1990年代前半にかけて、スティーヴン・キングの原作が続々と映像化されていました。
中学3年生の時には、家庭教師のお兄ちゃんと一緒に「ペットセメタリー」を観に行き、彼からもキングについて教えて貰っていました。
そんな、キングの新作映画がビデオ化される。もう、借りるしかありません。地元のレンタルビデオ店で見かけ、早々にレンタル致しました。
初めてビデオパッケージを手にし、キャシー・ベイツ扮するアニーがハンマーを振りかざす瞬間のジャケットは、シンプルながらインパクト大だったのを覚えています。
観る前は、キャシー・ベイツの役名がミザリーなのかと思っていたのですが、ミザリーは作家 ポールが書く小説タイトル兼 主人公の名前でしたね。
物語幕開け、脱稿したお祝いにシャンパンをあけ、1本のタバコに火を点ける。主人公で作家のポール・シェリダン お決まりの"儀式"が印象的でした。
(誰しも、そう言うマイ・ルール的なものがありますからね。)
そして、自分なら一面銀世界の雪道を車で走行するなんて絶対にしたくないのですが、ポールは宿をチェックアウトして旅立ってしまい、不運な事故に遭います。重傷を負った彼を助けた元看護士のアニー。
実は、ポールの作品 ミザリーシリーズの愛読者で、"ナンバー・ワンのファン"を自称するアニーは、彼の跡をストーキングしていたのです。
最初は献身的な姿を見せていたアニーでしたが、次第に狂気の側面を見せる様になります。ミザリー最新作で主人公が死を迎える事に納得が行かなかったアニーは、ミザリーの結末を覆す新しい作品をポールに執筆させる為、監禁生活を強いる様になります。
1990年代にも社会問題となっていた"スター・ストーカー"の典型とも言える狂気を見せるキャシー・ベイツに戦慄し、クライマックスのポールとのデスマッチは鮮烈に脳裏へ刻まれたのでした。
クリスティー・スワンソン主演の「屋根裏部屋の花たち」、レベッカ・デ・モーネイ主演の「ゆりかごを揺らす手」、そして、本作「ミザリー」を観て、モンスターや殺人鬼よりも恐ろしいのは「人間」だと思う様になりました。
本作で、見事アカデミー主演女優賞に輝いたキャシー・ベイツですが、余りにアニーが強烈なキャラクターだった為、キャシー・ベイツ本人がそう言う人なのでは?と思う様になりました。その為、ハートフル映画の「フライド・グリーン・トマト」や他の作品の彼女を観ても、突然キレ出すのではないか?と恐ろしくなってしまい、落ち着いて観れませんでした。(;'∀')
キャシー・ベイツの強烈な演技に大半が支配されてしまっていますが、「静」なる部分も印象に残ってます。
先述の映画冒頭に描かれるポールの脱稿した時の儀式のシーンや、屋外でどこまでも続いている様に見える白銀の景色。そして、ポールがタイプライターにセットする真っ新な用紙。自分の本作のイメージは、「白」なのです。
その白に彩を添えてくれたのが、マーク・シェイマンの音楽でした。
高校生の時は、マーク・シェイマンとマーク・アイシャムが混ざる事が多々ありました。こちらは、シェイマンです。(笑)
個人的にシェイマンと言うと、本作と「ア・フュー・グッドメン」のスコアがお気に入りです。優しいピアノの静かな旋律から幕を明ける本作のサントラは、雪景色を連想してしまいました。
サントラCDは、イリギスを旅行した19歳の時、現地で入手致しました。
旅の前半だったので、スコットランドのエディンバラ辺りに滞在した時ではないか?と思います。宿泊先の寝室で、CDウォークマンにセットして聴いていたのをCDのジャケットを見る度に想い出します。
実は、サントラよりも前に原作小説を高校生の時に購入しています。
確か、ビデオで本編を観て間もない頃だったと思います。
それ位、映画本編にインパクトがあったのです。

ただ、原作小説が思ったよりも分厚く、自分は本を読むスピードが遅い方なので、全部読み終えたのは大学生になってからだと思います。
(途中、結構な期間読むのを中断していました。)
大学時代の夏休み、福島の親戚の家に滞在している時に終盤を読んだ記憶があります。当時購入した文庫本を再度読み直すか判りませんが、当時の想い出の品なので、手放す積りはありません。
余談ですが、本作で主人公が使用しているのは、手打ちのタイプライター。
この時代は、ワープロでタイプして紙で印刷する方式がまだ主流でした。
自分も学生時代に、ワープロで映画に関する論文もどきを少し書いたものです。途中で飽きて、止めてしまいましたが。
(そのワープロも、既に何処かへ行ってしまいました・・・。)
今回、本記事を書くため10数年ぶりに本編を観て、ローレン・バコールが出ている事に気付きました。
それを忘れてしまう位、長い期間観ていなかった事になります。
出番は少なめでしたが、NYにいるポールのエージェント役がとても似合っていましたね。
映画「ミザリー」は、キャストも演出も見事で、ロブ・ライナーが監督で良かったと思っています。ロブ・ライナー監督作品は、何を観てもハズレがない「安心感」がありました。同じ様に思う方は、きっと多いと思います。
昨年、悲しい最期を遂げる結果となってしまい、本当に残念でした。
現実世界でも、スイッチが入ると豹変してしまう人、やたらと細部への拘りが強く、ちょっとした変化も見逃さないタイプの人が居ます。
本作品は、架空の物語ですが、誰にでも起こりうる「身近にある恐怖」を描いているからこそ、多くの方の共感を得たのだと思います。
(こんな経験は絶対したくありませんけどね。。)
VHS時代から有名な作品と言う事もあり、本作はBlu-rayまで発売されていますが、DVDにしか収録されていない映像特典があります。
DVDをお持ちの方は、手元に置かれる事をお勧めします。