今日はヒッチコック特集の第５弾！
基本的に「特集」は一度に５〜６本迄と自分の中で決めておりますし、紹介も順不動で勝手に選んでいますが、やはり、ヒッチコックならこの映画を入れないワケにはいきませんよね
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「サイコ」
１９６０年／アメリカ（１０９分）
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＜メインキャスト＞
アンソニー・パーキンス
グレゴリー・ペックのあの「渚にて」にも出てました。「さよならをもう一度」でカンヌで男優賞をも取ってますが、なんと言ってもこの「サイコ」です！ノーマン・ベイツのイメージが終始つきまとい、ついにぬぐいされなかった感があります。続編にも出てますが・・・
ジャネット・リー
「刑事コロンボ・忘れられたスター」がコロンボシリーズでは一番好きですね。ブログ友のマドモアゼルＢさんのブログでも紹介されています。彼女といえば「若草物語」でしょうか。このときの四姉妹がすごい！長女がジャネット・リー、次女がジェーン・アリソン、三女がマーガレット・オブライエン、そして四女がエリザベス・テイラーという超豪華版、もう観るしかない（笑）。ちなみに娘さんはふたりとも女優さんで、ジェイミー・リー・カーティスは、あのシュワちゃんと「トゥルー・ライズ」で共演しています
ほかには、ジョン・ギャビン、ベラ・マイルズも出ています
初めて観たのは、今から３０ン年前（笑）
まだ高校生で、野球に明け暮れていたにも関わらず、映画と名のつくものは片っ端から観てテレビと名画座だけで、年間３００本ほどになります！おなじみの東京下町の小便臭い映画館で夢のようなヒッチコック３本立てだったと記憶しています
この映画は、全てのサイコサスペンスのルーツと言っても過言ではありません！
この映画は、母親という存在に人格も人生も全てを支配されてしまった男の物語。物語は、会社のお金を横領した女がノーマン・ベイツ（アンソニー・パーキンス）の経営するモーテルに立ち寄るが・・
まず、タイトルバックがすばらしい！
ソウル・バスの横に切ったタイトルバックに、おなじみのバーナード・ハーマンの音楽・・・これから起こるであろう惨劇を暗示させます。空からの街の風景～日時～窓をアップ！このあたりの事前説明は、裏窓でも言いましたがもう見事ですね！観る側の欲求をカメラだけで表現してしまいます
この映画はモノクロで撮られています
前作の「北北西に進路をとれ」がカラーでしたが、あえてモノクロにしたことにより、カラー以上のインパクトを与え、想像力をかき立てられます！
逃避行の途中でのアクシデント
警官に追われるシーン・・雨のハイウェイで対向車にぶつかりそうになるシーン・・そして回想シーン。何かに巻き込まれそうで巻き込まれないハラハラドキドキの緊張感と心理描写！完全に彼女に感情移入してしまいます
彼女は逃げ切れるのか？
ヒッチコックのすごさは、常に新しい試みをしカメラを含めた映像の斬新さでしょうね。この映画は、最初から最後まで気持ちが高ぶったまま観てしまいます。とても１００分強の映画とは思えないほど、巧みで中身が濃いです
個人的には、極上のサスペンスと推理映画を３本くらい観た印象です！
基本的に、ストーリーやネタバレはしない主義ですが、なんと、映画の半分もいかないうちに主役であるはずの彼女が殺される衝撃的なシーンが凄い！淡々と包丁を振り下ろすようすが、最近よくある過激で凝った演出より、よっぽど生々しくおそろしい・・・音楽と演技とカメラで、忘れられないトラウマ映像となります！
おびただしい血がお風呂の底穴へ流れ渦を巻く・・恐怖で瞳孔が開いた目のクローズアップ！
何度観てもおそろしい！
モノクロの効果がすごいです！
物語は、ジャネット・リーからアンソニー・パーキンスにシフトしていきます
「母」のいる、暗い家・・・
異常心理で二重人格やマザコンがベースになっていて、当時アメリカ社会の病巣を抉った映画とも言われてますが、公開当時、日本ではあまり人気がなかったようです。何度かのテレビ放映などによって少しづつ理解されてきたのでしょうねえ。この映画以降、異常心理モノはたくさん出てきましたが、この映画ほど品のある映画はないと思いますよ。しいて言えば・・「羊たちの沈黙」ですかね
絶対に観るべき映画です！
ヒッチコックの中では「鳥」と並んでもっとも知名度の高い映画ですが、「鳥」と同様、異端児扱いされている気がしますね。映画である以上、賛否はあります。ただ、世代を超えて支持され続けている映画であることに間違いないです！
一度でも観たことのある人は、もう一度観てください、でも、決してストーリーは言わないように（笑）一度も観たことのない人は、是非観てください！
サスペンスで、観たことのあるかな～っと思ったら、ほとんどのルーツはヒッチコックです！
また、観たくなりました（笑）