どもです!

とりあえず今回で「アラン・ドロン特集」は一旦、終~了ぉ~!!アラン・ドロンの主演映画の紹介では、単発で

「レッド・サン」

「さらば友よ」

「ボルサリーノ」

 

アラン・ドロン特集では

「冒険者たち」

「太陽がいっぱい」

「仁義」

「アラン・ドロンのゾロ」

 

まだまだ、ドロンの映画はたくさんありますが、それは次の機会ということで!
 

さて、今回の映画を初めて観たのはテレビ!たしか小学生の高学年と記憶しています。その後、名画座のドロン特集で一度!映画ももちろんすばらしかったですが、なんと言っても曲がすばらしかったです!今回の「アラン・ドロン特集」での最後は、同じベルヌイユ監督の「シシリアン」と悩みました・・・

 

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「地下室のメロディ」
1963年/フランス

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刑期を終えて出所した老ギャングが、刑務所で知り合ったチンピラとカジノを襲い、完全犯罪に成功したかにおもえたが・・・フランス映画界の大御所ジャン・ギャバンと当時売り出しのドロンが初めて共演した犯罪映画の傑作!



<監督はアンリ・ベルヌイユ>

 

この監督には、いい映画がたくさんあります!ベルモンドとの「ダンケルク」、ドロンとの「シシリアン」その他、「ヘッドライト」「幸福への招待」は絶対に観るべき映画だと思います。世界の映画界を席巻したヌーベルバーグ派とは一線を画し、最後まで自分のスタイルを貫いた監督です

 

<メインキャスト>

ジャン・ギャバン

アラン・ドロン

ヴィヴィアーヌ・ロマンス

モーリス・ビロー

 

ジャン・ギャバンはご存知、フランス映画界の名優で、「望郷」「現金に手をだすな」や、この監督アンリ・ベルヌイユとの「ヘッドライト」がすばらしい映画です!ドロンとは、この「地下室のメロディ」が初共演で、その後「シシリアン」「暗黒街のふたり」で共演を果たしています。ヴィヴィアーヌ・ロマンスは「我等の仲間」「地の果てを行く」などでギャバンとは何度か共演しており、義兄役のモーリス・ビロー、確かカトリーヌ・ドヌーブの「モン・パリ」に出ていました





 

「ああぁ~、聴いたことある、この曲」

そんな方も多いと思いますよ(笑)冒頭のあの音楽からひきつけられます!ミシェル・マーニュのジャズをベースにしたフレーズは、有名ですね

 

5年の刑期を終え、家に帰るが彼がかつて住んでいた街は再開発で高層住宅が立ち並び、彼の家だけが取り残される・・

 

「昔とは変わっちまったな」

 

そこでタイトルバックと、あの曲が流れます

トレンチコートのギャバンの渋いこと!

 

光と影をおりなすモノクロ映像は、冒頭の映像とともに、生き方を変えられないオトコの生き様を感じます!


フランス映画特有のテンポと、全編を流れるミシェル・マーニュのモダンジャズが粋というかお洒落です。ドロンがホテルに逗留するくだりや、女性に対する態度や口の聞き方など、前半はなんというか品のなさというか行儀の悪さ?を感じますが時代なんでしょうね(笑)合わせて、この頃の映画はどこでも平気でタバコを吸うシーンが出てきます。今ではちょっと違和感がありますが、みんなカッコよくタバコを吸いますね

 

ドロンの軽々とした身のこなしすべてが美しいです。それだけに、画像は遅々としてますが映画は勢いがあります!

 

ドロンがタキシード姿でダクトに這い蹲るシーンには息を飲みます。ハラハラドキドキの場面でノンビリした動きが逆にスピーディなな印象です。真上からドロンの黒い身体の輪郭が、真下のカジノの明るさと対比してカメラが上手かったですねえ~最近出されたDVDはカラー版になっているそうですが、やはりモノクロの方が妙にリアルで臨場感があると思います!

 

ギャング映画にはよくある犯罪者と警察の攻防がほとんどない犯罪映画です

 

ギャバンの圧倒的な存在感と、ドロンの勢いを観る映画です!

 

ストーリーはシンプルですが、役者の演技力だけでサスペンスとして作品が成立してしまう珍しい映画だと思いますよ。セリフ回しのカッコよさ、抜群のカメラワーク、二人の存在、音楽をじっくり楽しんで欲しいです

 

 

犯罪が成功したかに見え、ラストで破綻する映画はたくさんあります。「黄金の七人」「現金に体をはれ」などもいいですが、やはり、シナトラの「オーシャンと11人の仲間」が印象深いですねえ~ブラピのリメイクの方も楽しかったですね。

 

ラストが好きです!

 

プールに札束がうかびあがってくる・・ギャバンの微動だにしない悟りきった顔とドロンの悔しさの表情!そんな二人と対照的な美しい札束のアップ!延々とした長回しのなか、あの曲がながれ、そして「FIN」。スタイリッシュでみごとなラストです!



 


 



 

 

この映画の撮影時、たしかギャバンは60才にもなってなかったハズです。どうでしょう、この貫禄!歩く姿を見るだけで、オトコの歴史を想像させる俳優は、このジャン・ギャバンと「用心棒」「椿三十郎」の三船敏郎くらいでしょうか

 

ギャバン自身、亡くなる時に「自分が死んだら、遺骨をブルターニュの海に流してくれ・・」と遺言したというエピソードがあります


名優ジャン・ギャバンに対してドロンは、早くから実業家を目指していたと聞きます。ただ、いいオトコを貫き通した銀幕の最後のスターの一人なのは間違いないですね


ドロンの雑誌インタビューの記事から_

「ギャング映画は好きですか?」

「僕が一番好きなのはギャング映画ではない。観客が好きなのが(僕の)ギャング役なんだと思う」
 

 名匠アンリ・ベルヌイユのラスト・シーンに思わず拍手を贈りたくなる映画です!

 

ギャバンとドロンに乾杯!!