相変わらず忙しい!

いよいよ今週末からGW10連休の始まり!若干カゼ気味ですが期間中に一日休めるかどうか・・したがって今日が「平成最後」の映画レビューとなります

 

この映画を初めて観たのはテレビだったと記憶しています。その後、名画座で観ておりますが、まだ飛行機による海外旅行など夢の時代でしたから強烈に印象に残っておりました

 

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「大空港」

1970年/アメリカ(137分)

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名匠ジョージ・シートン監督作品で、突然の大雪に閉ざされた空港を舞台ににしたパニック映画の元祖とも言われる作品!

 

 

<監督>

ジョージ・シートン

名作「三十四丁目の奇蹟」(47)、ビング・クロスビーとグレイス・ケリーの「喝采」(54)などが有名

 

<キャスト>

バート・ランカスター

ディーン・マーティン

 

ジーン・セバーグ

ジャクリーン・ビゼット

ジョージ・ケネディ

 

当時のハリウッドのスターが一堂に集結しており、古い映画ファンならお馴染みの顔ぶれが多数出演しています。西部劇の傑作「OK牧場の決斗」(57)、「ダラスの熱い(73)、「カサンドラ・クロス」のバート・ランカスターを筆頭に、ジェリー・ルイスとの「底抜けシリーズ」で有名なディーン・マーティン。そしてJ・P・ベルモンドの「勝手にしやがれ」(59)のジーン・セバーグ、さらに「アメリカの夜」や以前レビューしているマックイーンの「ブリット」(68)での美人女優ジャクリーン・ビゼット。そして、このエアポートシリーズには欠かせない「暴力脱獄」(67)「シャレード」(63)や「人間の証明」(77)「復活の日」(80)など日本でもお馴染みのジョージ・ケネディなどそうそうたる顔がずらり!さらに、憎めない婆さんを演じたヘレン・ヘイズ、そして、あの西部劇の名作「シェーン」でジョーイ少年の父親役だったヴァン・ヘフリンが重要な役で出演しています

 

*以前レビューしています!

「カサンドラ・クロス」

「ブリット」

「シャレード」

 

バート・ランカスターとジョージ・ケネディ

ディーン・マーティンとジャクリーン・ビゼット

 

猛吹雪の空港が舞台_

ローマ行きの旅客機内に、爆弾が持ち込まれているという通報が入った。機長と主任スチュワーデスは、爆弾の入ったアタッシュ・ケースを確保しようとするが・・・

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記念すべきエアポートシリーズの第一作目!

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オールスターキャストによる「パニック映画」の元祖と言われている映画で、このあとの「ポセイドン・アドベンチャー」(72年)や「タワーリング・インフェルノ」(74年)で「パニック映画」のジャンルが確立されたといわれています。物語は、いわゆるグランドホテル形式で、それぞれの登場人物にまつわるストーリーが交錯する構成になっています

 

この映画以降、大空港やエアポートを冠する映画が数多く製作されていますが、正統な続編は次の通りで全4作のみです

 

<シリーズ第1作>/大空港(70)

<シリーズ第2作>/エアポート'75(74)

*主演チャールストン・ヘストン

<シリーズ第3作>/エアポート'77/バミューダからの脱出(77)

*主演ジャック・レモン

<シリーズ第4作>/エアポート'80(79)

*主演アラン・ドロン

 

この映画は「パニック映画」の先駆けとして知られておりますが、個人的には「エアポートシリーズ」の原点になったのは2作目の「エアポート’75」(74)だと思います。本作が人間ドラマを中心に撮っているのに対し「エアポート’75」はジャンボ機の救出劇が中心になっており、その後のおびただしい航空パニック映画の元になっております。ちなみに、このシリーズ全作にジョージ・ケネディが出演しています

 

あまりジャンル分けには気にしておりませんが、本作は一般的にパニック映画とされているので整理の関係上「パニック映画」として紹介しておりますが、パニック映画というより人間ドラマです!

 

*以前レビューしています!

「ポセイドン・アドベンチャー」

 

バート・ランカスターとジーン・セバーグ

ディーン・マーティンとジャクリーン・ビゼット

 

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人物描写が丁寧な群像劇!

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こういう群像劇は、脚本と俳優がイマイチだと収拾がつかなくなりますが、さすがに脚本、監督がジョージ・シートンだけあってしっかり作りこんでいる印象です。もちろん50年近く前の映画ですから「パニック映画」といっても、派手なシーンはあまりなく、まだ、パニック映画の技法が確立されていない時代で、今のちょっとしたアクション映画にも及ばないですが、展開はスリリングで時代のせいか、いい意味でおおらかさがあります

 

パニック映画と思って観ると少し損した気分ですが、人間ドラマとして観ると少し得した気分です!

 

実は、上の写真の2組のカップルは映画の中で不倫カップル!そのあたりはおおらかに描かれておりますが、この紅二点(ジーン・セバーグとジャクリーン・ビゼット)がいいです!ただ、ジーン・セバーグの変わりようには驚きです。ベルモンドとの「勝手にしやがれ」のキュートなイメージとはかなり違っていて初めて観た時は気がつかなかった程です

 

ヘレン・ヘイズとヴァン・ヘフリン

 

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地味なパニック映画?!

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全体的に、やや間延びした感があるものの、その後のパニック映画の基本というべき教科書的な作品です。そうは言っても、今観ると見どころは随所にあるものの全体的な盛り上がりに欠けます。群像劇に傑作なし!と言われているように、散漫な印象です。ただ、当時(50年前)海外旅行など夢のまた夢の時代に、空港というロケーションを生かした設定は鋭く、珍しい作品です

 

小賢しいけど憎めないヘレン・ヘイズ、生活感のにじみ出ているヴァン・ヘフリンなど主役クラス以外でも見ごたえたっぷり!

 

20世紀の天才音楽家アルフレッド・ニューマンの遺作で、一度聴いたらいつまでも耳に残る名曲と共に是非どうぞ!