相変わらず忙しい(笑)映画が好きなことはもちろんですが「映画チラシ」も相当数収集しています。たまに眺めていると新しい発見があったりで楽しいですねえ~自慢のコレクションで価値のないものが多いですが自分にとっては宝物です!

 

今日の映画は、残念ながらレンタルでしか観たことがありません!しかも、初見の印象があまりよくなかったのですが、何度も見直すたびに自分の中では評価が上がっている映画です

 

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グロリア

1980年/アメリカ(123分)

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没後20年以上たった今も、多くのファンに根強い人気のあるジョン・カサヴェテス監督のハードボイルド・ドラマ作品!

 

 

<監督>

ジョン・カサヴェテス

俳優としては、あのポランスキーの「ローズマリーの赤ちゃん」(68)やピーター・フォークとの共演の「マイキー&ニッキー」(76)がありますが、監督としては「インディーズ映画の父」と異名をもち「こわれゆく女」(74)や、未見ですが「アメリカの影」「オープニング・ナイト」などがあります。ちなみに、これらの映画のほとんどに妻であるジーナ・ローランズが出演しています

 

<キャスト>
ジーナ・ローランズ/グロリア

ジョン・アダムス/フィル・子役

 

バッグ・ヘンリー/ジャック・父

ジュリー・カーメン/ジェリ・母

 

ハリウッドと距離を置き、自主映画にこだわるカサヴェテス監督は、この当時はあまり評価されていなかったようですが、ゴダールやスコセッシなど世界に名だたる監督がリスペクトを口にしています!

 

 

 

ニューヨークを舞台にしたハードボイルド!_

マフィアを裏切った会計士一家が皆殺しにされるが、6才のフィル(ジョン・アダムス)だけ友人のグロリア(ジーナ・ローランズ)に、ある手帳と共に託される。それから二人は組織から追われる逃避行が始まるが・・・

オープニングの空撮がいいです

 

映画の内容と同じく、非常にクールで乾いた印象です。子供嫌いなグロリアと、生意気な男の子が反発しながらも、お互いに認め合ってかけがえのない存在になっていくというシンプルなストーリーで、アクションというよりドラマです。ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞に輝いており、あのリュック・ベッソン監督の「レオン」(94)の原型とも言われている映画です!

 

 

この「グロリア」は99年に、シャロン・ストーンでリメイクされております。彼女は好きな女優さんではありますが、せっかく彼女を据えるなら、もっとハデに弾けて全く違う映画にした方がよかったと思います。同じ土俵だと、映画の質量というか力量が違い過ぎますね

 

 

ジーナ・ローランズの魅力でもっている映画です!

 

苦虫を噛み潰したような表情で「子供は嫌いよ!」と言いながら、くわえタバコで子供を必至で守る姿にうたれます

 

ウンガロを着てピンヒールでニューヨークの街を走り回る、マフィアのボスの元娼婦であるグロリアのカッコいいこと!どんな時も香水とハイヒールは欠かさない。ただし、目玉焼きはヘタ過ぎる(笑)母性がテーマのひとつなのですが、押しつけがましくなく、むしろ不器用なところが逆に引き立っていると思います。これほどタバコが似合う女性はめったにいません

 

 

 

 

バスやタクシー、地下鉄など使っての逃走劇は1980年頃のニューヨークの街がなんとも言えずノスタルジックでいいです

 

子供が出ているにもかかわらず、途中までは子供が憎たらしくて感情移入できずに損をした印象の映画でしたが、じっくり見ているとグロリアもフィル(子ども)も素直になれない似た者同士なのです。その分、過剰な感情移入がないので映像が楽しめてシンプルですが味わいがあります

 

「ねえ、私が母親になってもいい?」

「なりたいならいいよ。あんたは僕のママで、パパで、家族だ。それに親友だね。恋人でもあるよ」

 

よく言われる「レオン」との比較ですが、似た設定ではあるものの人間離れしたレオンと逆に人間臭いグロリア、まだ子どものフィルと大人びたマチルダとでは、映画として若干損をしている気がしました。オールロケでかなり荒っぽい映画である本作より完成度では圧倒的に「レオン」ですが、カサヴェテス監督の反骨心のようなものがジーナ・ローランズに乗り移っているようで凛とした力強さがあります

 

公開時のキャッチコピーが

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「グロリア、あんたはすごい。

タフで、クールで・・・やさしいよ。」

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「3時間待って私が戻ってこなかったら、一人でピッツバークに行きなさい。そこで必ず待ってるから・・・」

 

クライマックスで、組織にひとり乗り込むグロリアのセリフ

 

ラストがイカしてましたねえ~観るたびに好きになっていく映画です

 

是非、一度ご覧あれ!